ベラミ

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ベラミ
Bel-Ami
作者 ギ・ド・モーパッサン
フランスの旗 フランス
言語 フランス語
ジャンル 長編小説
初出情報
初出 『Gil Blas』1885年
刊本情報
出版元 Victor Havard(1885年)
Paul Ollendorff(1895年)
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ベラミ』 (Bel-Ami) は、ギ・ド・モーパッサンの小説。1885年初版。タイトルのBel-Amiは"美しい男友達"の意である。

美貌の青年ジョルジュ・デュロアが、女性たちを利用して栄達する姿を描く。自然主義文学の典型例とされる。

あらすじ[編集]

軍隊から除隊し、アフリカからパリに戻ったデュロアは、職もなく困窮していた。再会した戦友、フォレスティエの紹介で新聞社の記者となるが、エッセイ記事が書けず、フォレスティエの妻、マドレーヌに代筆させる。

デュロアは記者の立場と美貌を武器に上流階級の夫人たちに取り入り、マドレーヌの友人であるド・マレル夫人、勤務する新聞社の社長夫人であるヴァルテール夫人を次々と愛人にして利用していく。フォレスティエの死後、マドレーヌを妻とするが、彼女の財産を奪ったうえ、さらに上昇するために、彼女の不貞を理由に離婚する。最後は、愛人ヴァルテール夫人の娘であり、新聞社の社長令嬢であるシュザンヌと再婚する。

登場人物[編集]

  • ジョルジュ・デュロア - 農家の息子で類稀な美青年。軍隊を退役し、ひと旗あげようとパリにやってくるが、とりたてて才能もなく、コネもなく、しがない鉄道員として働いているときに、元戦友と出会い、その紹介で新聞社に職を得、美貌を武器に女たちを踏み台にして出世していく。
  • シャルル・フォレスティエ - 主人公デュロアの元戦友。新聞社勤務。デュロアに職を手配する。
  • マドレーヌ・フォレスティエ - シャルル・フォレスティエの妻。夫の死後、デュロアと結婚する。
  • クロティルド・ド・マレル - マドレーヌの友人。デュロアと恋仲になる。
  • ヴィルジニー・ヴァルテール - 新聞社の社主の妻。デュロアと不倫。
  • シュザンヌ・ヴァルテール - 新聞社の社主の娘。デュロアと結婚する。

日本語訳[編集]

すべて絶版となっている。

本作を題材とした作品[編集]

映画[編集]

テレビ[編集]

参考文献[編集]

  • 島本孝治「『ベラミ』における欲望の形成とその変容」『フランス文学』第13号、日本フランス語フランス文学会 中国・四国支部、1980年、15-21頁、ISSN 0912-5078NAID 110009458471 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]