ブッラータ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
小さめのブッラータ全体

ブッラータイタリア語: burrata)はイタリア原産のフレッシュチーズである。水牛またはを原料とし、モッツァレッラと同様にパスタフィラータ製法で作られる。

イタリア南部のムルジア地方で、特にプッリャ州アンドリアとその周辺での名産となっている。DOPを取得していないために、産地、製法や名称は厳密には決められておらず、ブッラータもしくはブッラータタイプのチーズが出回っている。しかし、現在でもプッリャ州では手作りを重んじアルティザン・チーズとして確立されていて[1]、イタリア国内では「PAT(Prodotto agroalimentare tradizionale、伝統農業食品)」に指定されている。

「ブッラータ(burrata)」はもともとイタリア語で「バターを入れた(buttered)」と言う意味。なお、日本では一部の店舗ではブラータと呼ばれている。

概要[編集]

直径7 - 10 cmまたは15 - 20 cmの球状で、表面はクリーム色か明るい白色。袋状のカード(curd)の中に生クリームと柔らかいフレッシュチーズを閉じこめた形。味は少し甘味のあるバターの香りがある。

製法[編集]

ブッラータはモッツァレッラや他のチーズ同様、レンネットで暖かいミルクカードにするところから始める。他のチーズと違ってその後、熱したホエー(乳清)か少し塩の入った湯の中に入れた後、こねて延ばして望ましい形に整える(「パスタフィラータ」)。

ブッラータではまだ熱いチーズが袋状になり、残りのモッツァレッラをその袋の中に入れ、さらに生クリームを入れてから閉じる。伝統的には出来たブッラータをアスフォデル(ツルボラン)の葉で包み、ブリオッシュのように頭の部分をくくり、ホエーで湿らせる。チーズを食べる際に、まだアスフォデルの葉が緑であればチーズが新鮮であることが分かる。もちろん近年ではビニール袋かプラスティックの容器で販売されることも多い。

食べ方[編集]

新鮮なフルーツとともに食されるブッラータ

ブッラータを切って開くと中から濃厚な生クリームがとろっと出てくる。リッチでバターの濃厚な味があり、ミルクの新鮮さが保たれている。開封後24時間以内に食べるべきで、48時間後では賞味期限が過ぎたと考えられる。チーズの内外で味や舌触りが違うので、サラダ、プロシュット、固めのパン、トマトなどをオリーブ油と砕いた黒胡椒で味付けたり、パスタとも合う[2]

脚注[編集]

  1. ^ Karen Hochman (2007年10月). “Burrata Cheese”. Cheese-Butter-Yoghurt Product Reviews. The Nibble. 2013年1月閲覧。
  2. ^ Nicole Buergers. “What is Burrata?”. The Queso Queen (cheese blog). 2012年3月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月閲覧。

関連項目[編集]