クリーム (食品)

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ホイップクリーム

クリーム英語: cream)は、脂肪たんぱく質が濃縮した濃厚で、白色や薄黄色の液体。原則的に牛乳の成分からできたものである。また、乳等省令では「生乳、牛乳または特別牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去し、乳脂肪分が18.0%以上にしたもの」と定義されている。 漢字では「凝乳」と表記される。

分類[編集]

生クリーム[編集]

生乳、牛乳を分離して取り出した「乳脂肪のみ」を原料とした、容器に「種類別:クリーム」と表示されている乳等省令上のクリームが一般に「生クリーム」といわれる。商品名で「純生」等と記載されているものもある。用途目的で脂肪分により18%~30%のもの(ライトクリーム)は「コーヒー用」、30%~48%のもの(ヘビークリーム)は「ホイップ用」に分類される。イギリスでは、脂肪分により、シングルクリーム(またはクリーム)18%、ダブルクリーム48%、クロテッドクリーム55%などに分けられている。

乳又は乳製品を主要原料とする食品[編集]

乳脂肪に添加物や植物性脂肪などが加えられたものは「名称:乳又は乳製品を主要原料とする食品」となり、以下のようなものがある。

純乳脂肪タイプ
乳脂肪に乳化剤、安定剤等の「添加物」を加えたもので、純乳脂肪などの表記で販売される。
コンパウンドタイプ
乳脂肪の一部を植物油脂等の「植物性脂肪」で置換したもの。「コンパウンドクリーム」とも呼ばれている。
植物性脂肪タイプ
乳脂肪が含まれず脂肪分に植物性脂肪のみを使用したもの。

これらのホイップ用生クリーム代替製品はホイップクリームと呼ばれ[1]、ホイップ用、フレッシュなどの表記で販売されている。日本ではクリームの値段が高い。このため、植物油脂を利用した代替品が広く使用されている。また、アングロアメリカでも「クールウィップ英語版」という模造ホイップクリームがクラフトフーヅから販売されており、泡立てる必要がなくホイップ状態が長期間持続する簡便性から広く普及している。またおおむねこれら代替製品は含まれる乳脂肪分の比率が少なくなるほど風味は軽くなる。

ホイップクリーム[編集]

クリームを泡立てたものをホイップクリームと呼び、泡だて器やハンドミキサーなどを用いて作られる。(別名に シャンティークリーム、クレームシャンティ がある。)クリームをホイップさせる場合には、氷水でボウルを冷やしながら撹拌する。脂肪をなるべく融点以上の温度にさらさないためである。脂肪が融点以上になると流動性が高まり、形成された泡が崩れ易くなってしまう。例えば、乳脂肪はバターに見られるように常温で固体である。そのほか亜酸化窒素二酸化炭素を添加することでもホイップクリームが作られている[2]。またホイップの際、クリームを入れる容器に金属製のボウルを用いると、泡だて器・ハンドミキサーとボウルでこすれ合って生じた微細な金属粉がクリームに混じり、黒っぽくなることがあるので、ガラス製またはプラスチック製のボウルを用いた方がよい。撹拌し過ぎるとクリームはバターと液体に分解してしまうので、希望のかたさになったら撹拌をやめることが大切である。

作り方[編集]

精製していない乳を加熱殺菌した後、放置したり冷却すると上にクリームが分離してくる。これを使うのが原始的な方法。工業的には遠心分離機を用いて製造される。牛乳からはそれほど取れないが、牛乳よりも乳脂肪分の多い水牛乳からは多く取れる。水牛乳のクリームはナイフで切れるほど濃厚であり、トルコ語カイマクkaymak)と呼ばれる。中東では、デザートに添えるクリームには水牛乳のクリームが好まれる。

クリームから作られる製品[編集]

  • バター - 激しく攪拌すると脂肪分が分離してバターになる。
    • ギー - 精製バターとも呼ばれる。澄ましバターの一種。バターから水分と乳蛋白を取り除いたもの。バターを低温で加熱撹拌して水分を蒸発させ、乳蛋白を沈澱させてから上澄みを取ったもの。
  • アイスクリーム - クリームのみ、またはミルクと混ぜて作られる。
  • サワークリーム - 生クリームを乳酸発酵したもの。

使用法[編集]

 クリームのまま [編集]

  • 生クリームとしてコーヒー紅茶などに加えて飲まれる。この用途では、他にエバミルクなどが用いられる。
  • 風味・コク付けとしてシチューやスープなどの料理に加えられる。

なおいずれの場合も乳脂肪分の高いクリームをそのまま加えると脂肪分が分離することがあるので、乳脂肪分の少ないものを使うのが好ましい。

 ホイップクリーム [編集]

  • 砂糖を加え固く泡立て、ケーキアイシング(糖衣)など、お菓子の飾りつけなどに使うことが多い。またココアなどを加えることもある。
  • コーヒーにいれると、ウィンナ・コーヒーになる。
  • アングロアメリカでは、「レディ・ウィップ」(Reddi-wip)というスプレー缶入りのホイップクリームが市販されている。

栄養価[編集]

クリーム(乳脂肪)[3]
100 gあたりの栄養価
エネルギー 1,812 kJ (433 kcal)
3.1 g
45.0 g
2.0 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(49%)
390 μg
(1%)
110 μg
チアミン (B1)
(2%)
0.02 mg
リボフラビン (B2)
(8%)
0.09 mg
パントテン酸 (B5)
(3%)
0.13 mg
ビタミンB12
(8%)
0.2 μg
ビタミンD
(3%)
0.5 μg
ビタミンE
(5%)
0.8 mg
ビタミンK
(13%)
14 μg
ミネラル
ナトリウム
(2%)
27 mg
カリウム
(2%)
80 mg
カルシウム
(6%)
60 mg
マグネシウム
(1%)
4 mg
リン
(7%)
50 mg
鉄分
(1%)
0.1 mg
亜鉛
(2%)
0.2 mg
(1%)
0.02 mg
セレン
(3%)
2 μg
他の成分
水分 49.5 g
コレステロール 120 mg
ビオチン(B7 1.2 µg
有機酸 0.1 g

ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した[4]。 
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
クリーム(fluid, heavy whipping)(100g中)の主な脂肪酸の種類[5]
項目 分量(g)
脂肪 37
飽和脂肪酸 23.032
6:0(カプロン酸 0.71
8:0(カプリル酸 0.413
10:0(カプリン酸 0.928
12:0(ラウリン酸 1.039
14:0(ミリスチン酸 3.721
16:0(パルミチン酸 9.732
18:0(ステアリン酸 4.484
一価不飽和脂肪酸 10.686
16:1(パルミトレイン酸 0.829
18:1(オレイン酸 9.308
多価不飽和脂肪酸 1.374
18:2(リノール酸 0.836
18:3(α-リノレン酸 0.538


脚注[編集]

  1. ^ よくあるご質問: ホイップクリームについて。生クリームとの違いは? | 株式会社モンテール
  2. ^ [1] 2015-01-08閲覧
  3. ^ 文部科学省 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)
  4. ^ 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2015年版)
  5. ^ USDA National Nutrient Database

関連項目[編集]