ブッシュバック属
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ブッシュバック属 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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![]() クーズー Tragelaphus strepsiceros
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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種 | ||||||||||||||||||||||||||||||
ブッシュバック属 (Tragelaphus)は、哺乳綱鯨偶蹄目(クジラ偶蹄目)ウシ科ウシ亜科の属。上にブッシュバック亜科を置くこともある。シタツンガやクーズーをそれぞれシタツンガ属、クーズー属に分ける場合もある。主にアフリカに生息。
種類[編集]
ブッシュバック[編集]
ブッシュバックは体高70cm程度の中型の種で、雄は鬣と20cm前後の角を有する。サハラ以南のアフリカ(セネガル、ソマリア、アンゴラ、ケープなど)の森林や藪に主に生息し、白い縦縞の文様などから以下の28亜種が認められている[1]。
- カビンダブッシュバック
- カビンダからコンゴ川近辺に生息する種で、ブッシュバックのうち、もっとも原始的な種と考えられている。
- マカラブッシュバック
- マカラ付近に分布するブッシュバックで、鮮明な横縞が特徴的な種。
- カメルーンブッシュバック
- カメルーン南部に生息。鬣が他種に比べて長く、明瞭な白い縦縞を持つ。
- ナイルブッシュバック
- スーダン南部、ウガンダ北部などに生息。
- タナブッシュバック
- 横縞を持たない種で、エチオピア北部のタナ湖やアトバラ川近辺に分布する。
- ダイアナブッシュバック
- 鬣に白毛を持つ種で、タンガニーカ湖沿岸に生息する。
- セネガルブッシュバック
- セネガルに生息する種で、腿に多数の白点を持つ。
- ソマリブッシュバック
- ソマリアに生息する種で、4本から5本の白い横縞を持つ。
- ケニアブッシュバック
- 身体に斑紋が無い種で、ケニアの中部および北部に生息する。
- ダマブッシュバック
- ケニア西南のビクトリア湖東部に分布し、白点が並んだ縦縞を持つ。
- マサイブッシュバック
- タンザニアに分布する種で白い縦縞を持たない。
- ザンビアブッシュバック
- 6本から8本の横縞を持つ種で、アンゴラ、ザンビア、ボツワナ、ジンバブエなど広域に分布している。
- リンポポブッシュバック
- 腿に多数の白点を持つ種で、リンポポ川流域に生息している。
- ケープブッシュバック
- ナミビア、南アフリカ共和国に分布しており、斑紋を持たない種。
ニアラ[編集]
ニアラはマラウイ、アンゴラなどの沼地に生息している種で、体高120cm、体長150cm前後の中型で、雄は80cmを超える長い角を持つ。茂みの深いところにハーレムを形成して少数頭で生息する。亜種は認められていない。
マウンテンニアラ[編集]
マウンテンニアラはニアラにくらべて体高120cm、体長200cmとかなりの大型種。雄が持つ角も120cmあり、1回から2回ほど捩れている。1908年にエチオピア南部のサハツ山、標高2700mで発見された。乾期になるとさらに高地へ移動し、4200m前後に分布する。ニアラと同じくハーレムを形成する。シダモからハラールにかけての山岳地帯に生息する。亜種は認められていない。
シタツンガ[編集]
シタツンガはニアラに似た種であるが、硬毛を持ち、雄の有する角は1回から2回捩れている。セネガル、エチオピア、スーダン、タンザニア、カメルーン、コンゴ、ジンバブエ、ザンビアなどの葦やパピルスなどの茂る沼地に生息する。ハーレムを形成する場合と、1対の場合と両方が確認されており、大きな群れは形成しない。
- ガボンシタツンガ
- ガンビアやチャド、スーダン西部、カメルーン、ガボン、コンゴ西部などに生息する亜種。
- ニアンザシタツンガ
- スーダン南部、ケニア、ウガンダ、タンザニア北部などに生息する亜種。
- ヌコシシタツンガ
- 他の亜種に比べて角が短く、捩れも少ない種で、ビクトリア湖のセセ諸島のひとつ、ヌコシ島にのみ生息する。
- ザンベジシタツンガ
- 雄、雌が同色の種で胴に斑紋が無い。タンザニア南部、コンゴ南部、アンゴラ、ボツワナ、モザンビーク北部などに生息する。
クーズー[編集]
クーズーはヨーロッパに生息するアカシカに似た種で、180cmを超える角を持つ大型種。山地や石の多い藪地などに小さな群れまたはハーレムを形成して生息する。ソマリア、エチオピア、スーダン、ケニア、コンゴ、アンゴラなど広域に分布。
レッサークーズー[編集]
体つきはクーズーに酷似しているが小型で、雄は80cm程度の角を有する。ソマリア、エチオピア、タンザニア、ケニアなどの乾燥地帯に生息する。
脚注[編集]
- ^ ペアトリス・ライデッカーによる。ハルテノースは23亜種とした。