フッ化ビニル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フッ化ビニル
Vinyl fluoride
識別情報
CAS登録番号 75-02-5 チェック
PubChem 6339
ChemSpider 6099 チェック
EC番号 200-832-6
KEGG C19185 チェック
ChEBI
RTECS番号 YZ7351000
特性
化学式 C2H3F
モル質量 46.04 g/mol
外観 無色の気体
匂い 微かなエーテル臭
密度 0.636 g/cm3
融点

-160.5 °C, 113 K, -257 °F

沸点

-72.2 °C, 201 K, -98 °F

への溶解度 微溶
蒸気圧 25 500 kPa
危険性
EU分類 引火性 (F+)
NFPA 704
4
1
2
Rフレーズ R12
Sフレーズ S9, S16, S33
発火点 385℃
爆発限界 2.6 - 21.7 %
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

フッ化ビニル(フッかビニル、: Vinyl fluoride)は、化学式C2H3Fで記される有機フッ素化合物。無色の気体で、わずかにエーテル臭がある。フッ素樹脂原料の単量体として利用される。

製造[編集]

1892年にフロンの製造に成功したベルギーの科学者フレデリック・スワルツ (Frédéric Swartsにより、1901年に初めてフッ化ビニルが製造された。スワルツは亜鉛と1,1-ジフルオロ-2-ブロモエタンから製造したが、工業的にはアセチレンフッ化水素から水銀触媒として2つの経路により製造される[1]

1,1-クロロフルオロエタンからも得ることができる。

通常は、重合抑制剤としてテルペンが0.2%添加されている[2]

安全性[編集]

強い引火性があり、燃焼により有害なフッ化水素が生じる[3]。軽度の麻酔性と人体に対する発癌性のおそれがあり、IARC発がん性リスク一覧#Group2A(ヒトに対する発癌性がおそらくある)に分類される[2]

性質[編集]

臨界点は54.8℃(328 K)、5.24MPa。双極子モーメントは1.4デバイ蒸発熱は361kJ/kg。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Günter Siegemund, Werner Schwertfeger, Andrew Feiring, Bruce Smart, Fred Behr, Herward Vogel, Blaine McKusick “Fluorine Compounds, Organic” Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Wiley-VCH, Weinheim, 2002. doi:10.1002/14356007.a11_349
  2. ^ a b 製品安全データシート(安全衛生情報センター)
  3. ^ 国際化学物質安全性カード

外部リンク[編集]