ピグミーマーモセット

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ピグミーマーモセット
ピグミーマーモセット
ピグミーマーモセット Cebuella pygmaea
保全状況評価[1][2][3]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 LC.svg
ワシントン条約附属書II
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 霊長目 Primates
: オマキザル科 Cebidae
亜科 : マーモセット亜科 Callitrichinae
: ピグミーマーモセット属
Cebuella Gray, 1866[4][5]
: ピグミーマーモセット
C. pygmaea
学名
Cebuella pygmaea
(Spix, 1823)[3][4]
シノニム

Iacchus pygmaeus Spix, 1823[6]

和名
ピグミーマーモセット[4][7][8]
英名
Pygmy marmoset[3][4][7][8]

ピグミーマーモセット(Cebuella pygmaea)は、哺乳綱霊長目オマキザル科(マーモセット科とする説もあり)ピグミーマーモセット属に分類される霊長類。本種のみでピグミーマーモセット属を構成する[4]

体格の極めて小さなサルで、ピグミーネズミキツネザルが再発見される1998年までは「世界最小のサル」とされていた。

分布[編集]

エクアドルコロンビアブラジルペルー北部、ボリビア北部[3]

形態[編集]

頭胴長(体長)12 - 16センチメートル[8]。尾長17 - 23センチメートル[8]体重85 - 140グラム[8]真猿類では最小[8]。属名Cebuellaは「小さいサル」の意[4]。体毛は背面が黄褐色で、臀部には暗い斑模様が入る[6]。耳前方に房状の毛がなく[8]、耳は頬から生える長い毛で覆われる[4]。尾には淡い縞模様が入る[4]

長い尾(約20cm)を省くと体長はわずか11- 15cm程度でしかなく、人間の指に留まっている姿などがメディアで採り上げられる。1998年、今日知られている中で最小のサルで、長らく確認されていなかったピグミーネズミキツネザルが再発見されたことにより、ピグミーマーモセットは「世界最小のサル」ではなくなった。

小型猿類の多くは原始的なサルの仲間、すなわち曲鼻猿亜目であり、鼻が突出して額が緩く湾曲しつつ後頭部につながり、耳が上方に向いている、眼窩(がん-か)はやや左右に開いている、顔にも一様に毛が生えている、といった特徴が挙げられる。しかし、真猿亜目に属しているオマキザル科のピグミーマーモセットはそれらとは異なり、ニホンザルなどと同様、鼻が低く、耳は頭の左右に位置し、眼窩は平坦な顔の中央寄り、顔面の皮膚が露出している、等々の風貌を具えている。

分類[編集]

ピグミーマーモセット属は、以前は旧マーモセット属(コモンマーモセット属)Callithrixの亜属とする説もあった[4]

以下の分類・英名は、Rylands et al. (2009) に従う[5]

  • Cebuella pygmaea pygmaea (Spix, 1823) Western pygmy marmoset
  • Cebuella pygmaea niveiventris Lönnberg, 1940 Eastern pygmy marmoset(別種Cebuella niveiventrisとする説もあり[9]

生態[編集]

樹上のピグミーマーモセット
果物を食べる飼育下のピグミーマーモセット

樹木を中心に縄張り(テリトリー)を形成しており、「チッチッ」と聞こえる鳴き声でそれを主張する。樹液を主食としており、総摂取カロリーの70%をこれに頼っているとされる。そのほかにも昆虫などを餌にしている雑食性で、得られるなら果実も稀に食べる。なお、飼育下では、モンキーフード、果実、野菜、昆虫(ミールワームコオロギ)などを与える。

樹液の摂取にあたっては、予め樹木の表皮を歯で削り、樹液が滲み出る状態にしておいて、十分に溜まる翌日になってこれを舐め取るという巧みな方法をとる。翌日の収穫を予測して採餌活動を行う動物は、ヒトと本種だけしか確認されていない[10]。通常、樹木は、表皮を削っただけでは免疫機能の働きによって樹液の流出は止まるが、本種が歯で削った場合、翌日まで滲み出しが止まらない。これには唾液に含まれる本種に特有の成分が樹液に作用して凝固が阻害されているとの説があるものの、はっきりした理由は解明されていない。

飼育状態では、他のサルたちと同様、噛み付いて物を確かめる習性が顕著である。

繁殖は1年に2回。一度に2匹の子を産む。子育ては親と独立前の兄姉の家族で行われる。

人間との関係[編集]

森林伐採や採掘・アブラヤシなどのプランテーションなどによる生息地の破壊、食用やペット用の狩猟・採取により生息数は減少している[3]。1977年にワシントン条約附属書Iに、1979年からは霊長目単位でワシントン条約附属書IIに掲載されている[2]

日本では、草津熱帯圏日本モンキーセンター日本平動物園など、いくつかの動物園で一般公開されている。

飼育の際には紫外線ライトが必須である。特に子供の時期には紫外線量が少ないとくる病になりやすくなる。

出典[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ Appendices I, II and III (valid from 26 November 2019)<https://cites.org/eng> (downroad 03/03/2020)
  2. ^ a b UNEP (2020). Callithrix pygmaea. The Species+ Website. Nairobi, Kenya. Compiled by UNEP-WCMC, Cambridge, UK. Available at: www.speciesplus.net. (downroad 03/03/2020)
  3. ^ a b c d e de la Torre, S., Calouro, A.M., Messias, M., Mollinedo, J., Palacios, E., Rylands, A.B., Shanee, S., Valença Montenegro, M. & Wallace, R. 2019. Cebuella pygmaea. The IUCN Red List of Threatened Species 2019: e.T41535A17935567. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2019-3.RLTS.T41535A17935567.en. Downloaded on 03 March 2020.
  4. ^ a b c d e f g h i 岩本光雄 「サルの分類名(その6:マーモセット科)」『霊長類研究』第4巻 2号、日本霊長類学会、1988年、134-144頁。
  5. ^ a b Anthony B. Rylands, Adelmar F. Coimbra-Filho, and Russell A. Mittermeier (2009). “Chapter 2: The Systematics and Distributions of the Marmosets (Callithrix, Callibella, Cebuella, and Mico) and Callimico (Callimico) (Callitrichidae, Primates)”. In Susan M. Ford, Leila M. Porter and Lesa C. Davis (eds.). The Smallest Anthropoids. Springer. pp. 25-61. https://doi.org/10.1007/978-1-4419-0293-1_2 
  6. ^ a b Wendy R. Townsend, “Callithrix pygmaea”, Mammalian Species, Issue 665, 5 June 2001, Pages 1–6.
  7. ^ a b 日本モンキーセンター霊長類和名編纂ワーキンググループ 「日本モンキーセンター 霊長類和名リスト 2018年11月版」(公開日2018年12月16日・2020年3月3日閲覧)
  8. ^ a b c d e f g 名取真人 「ピグミーマーモセット」『世界で一番美しいサルの図鑑』 京都大学霊長類研究所編、湯本貴和全体監修・高井正成「南米」監修、エクスナレッジ、2017年、10-13頁。
  9. ^ Guilherme S.T. Garbino, Daniel M. Casali, Fabio O. Nascimento, and José Eduardo Serrano-Villavicencio, “Taxonomy of the pygmy marmoset (Cebuella Gray, 1866): Geographic variation, species delimitation, and nomenclatural notes”, Mammalian Biology, Volume 95, March 2019, Pages 135-142.
  10. ^ NHK「ダーウィンが来た! 賢い!奥アマゾンの超小型ザル」(2006年5月14日放送)http://www.nhk.or.jp/darwin/program/program006.html[出典無効]

関連項目[編集]