ピキーリョ

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ピキーリョ
焼いたピキーリョ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ナス目 Solanales
: ナス科 Solanaceae
: トウガラシ属 Capsicum
: トウガラシ C. annuum
栽培品種 : ピキーリョ

ピキーリョ(Piquillo)またはピミエント・デル・ピキーリョ(Pimiento del Piquillo)は、ナス科多年草であるトウガラシ属トウガラシ栽培品種。小型で肉厚の赤ピーマンであり、辛味はなく甘味を持つ。Piquilloとはスペイン語で「小さなくちばし」を意味する[1]llの発音から日本語表記ではピキージョと表記することもある[2][3]

栽培[編集]

伝統的にスペイン北部で栽培されている[1]。著名な産地としてナバーラ州南西部のロドサスペイン語版が知られており、1987年には[4]「ロドサのピキーリョ」(Piquillo de Lodosa)がスペインの原産地呼称制度であるデノミナシオン・デ・オリヘン(DO)に指定された。ポット栽培に適しており、果実は約7センチに成長する。一般的には9月から12月の2度の収穫期に手摘みされる[4]

利用[編集]

果皮をむいて種子を取り除いたピキーリョのオイル漬けが瓶詰めまたは缶詰めされて販売されている[1]詰め物料理に使用されることも多く、肉類、魚介類、チーズなどが詰められる[4]タパスの材料やスープの材料としても用いられる[1]。炭火で焼くと水分である重量の60%が失われ[4]唐辛子よりもピーマンに似た甘く香ばしい香りを放つ。焼くと果皮と種子が手で容易に果肉から分離できる[4]

栄養価[編集]

ピキーリョは食物繊維ビタミンCビタミンEビタミンAビタミンBを多く含んでいる[4]。特にビタミンCの含有量がとても高く、柑橘類の果実に匹敵する[4]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d Piquillo Peppers Gourmet Sleuth
  2. ^ 尾花光『わが家の本格スペイン料理:すべてに応用がきくベースレシピからタパス、メイン料理まで』誠文堂新光社、2014年、64頁。ISBN 978-4416714379 
  3. ^ 『Hanako FOR MEN vol.18 ワイン、はじめまして。』マガジンハウス、2015年、97頁。ISBN 978-4838750412 
  4. ^ a b c d e f g Piquillo Pepper The World Wide Gourmet

関連項目[編集]