ヒラドツツジ

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ヒラドツツジ
分類クロンキスト体系
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : ビワモドキ亜綱 Dilleniidae
: ツツジ目 Ericales
: ツツジ科 Ericaceae
: ツツジ属 Rhododendron
: ヒラドツツジ R. × pulchrum
学名
Rhododendron × pulchrum Sweet (1832)[1]
和名
ヒラドツツジ

ヒラドツツジ(平戸躑躅[2]学名: Rhododendron × pulchrum )とはツツジ科半常緑樹の一種。

平戸は古くから交易の中心地であったためケラマツツジ沖縄諸島原産)・モチツツジ(中部日本原産)・キシツツジ(西部日本原産)・タイワンヤマツツジ広東雲南台湾奄美大島)など各地のツツジが持ち込まれ、寺院や武家屋敷内でそれらが自然交雑し、実生を繰り返し、大輪のツツジ群が出来たと思われる。それらの中から特に美しいものを選抜し増殖したものである[3]

冬でも枝先の葉が残る半常緑低木[2]、4 - 5月頃に大きな花を開花させる。葉は互生し、両面や葉柄には毛が多い[2]。下部の葉は秋に紅葉し、日当たりがよいと赤色、日陰では黄色に色づく[2]。園芸種は庭木、公園、生け垣、街路などに植えられる[2]

古くから平戸で栽培されてきたことが名前の由来とされ、1712年に出た『和漢三才図会』にはすでに「ヒラドツツジ」の名で紹介されていた。平戸市の花に定められ、市内の崎方公園には300種からなる原木園がある。

交配が重ねられ数多くの園芸品種がある。特に有名な ‘大紫’(おおむらさき)もそのひとつである[2][4]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rhododendron x pulchrum Sweet ヒラドツツジ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年1月2日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 林将之 2008, p. 72.
  3. ^ 田村輝夫 「ツツジ」『NHK 趣味の園芸:作業12ヶ月』第14刊、藤根井和夫、日本放送出版協会、1978年5月20日、86、139頁。
  4. ^ ヒラドツツジ(ひらどつつじ)とは 日本大百科全書(コトバンク)

参考文献[編集]

  • 林将之『紅葉ハンドブック』文一総合出版、2008年9月2日。ISBN 978-4-8299-0187-8