パン屋の1ダース

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

パン屋の1ダース(パンやの1ダース、 Baker's dozen)とは数量の単位で、13を表す英語表現。まれに14を表すこともある。この言い回しはイギリスでのほうが普及しており、アメリカ合衆国では普遍的とは言い難い[1]

1266年イギリスで公布された『パンとビールの基準法英語版』が原因となって生まれ、使用されるようになったと考えられているが、これに反論もある。

起源[編集]

13世紀のイギリスでは、パン屋がパンの重さをごまかして売っているという噂が流れた。

これを受けて、1266年にヘンリー3世が公布した法律『パンとビールの基準法』では、パン屋が販売するパンの重さを誤魔化していた場合に重い罰則が定められた。ここまでは事実である。

[編集]

個々のパンをまったく同じ重さで焼くことは困難であるし、焼きたてのパンと時間が経ったパンでは水分の蒸発によって重さが変わってしまうことがある。そこで、罰則を畏れたパン屋が、1ダース(12個)を購入した客に対して、1個おまけをして13個(あるいは2個おまけして14個)で販売し、重さの誤差や、焼き上がりからの時間経過による水分の蒸発で軽くなって罰則を受けることを回避するようになった[2]

『Oxford Guide to British and American Culture』(2005年、ISBN 978-0194311298)、『リーダーズ英和辞典』などではこちらの説を採用している。

反論[編集]

上記の説に対して、以下のような疑問が提示されている。

  • パンの重量検査はダース単位ではなく1個単位で行われていた。
  • 「パン屋の1ダース」単位の取引が一般消費者ではなく小売商に対して行われていた記録が残されている。

このことから、パンとビールの基準法は重量の統制は直接関係していないとしていう説がある[3]新オックスフォード米語辞典2005年版ではこちらの説を採用し、「小売商の余得となるようパン屋の慣習から」と記載している。

フィクションでの引用[編集]

出典[編集]

  1. ^ Jane E. Miller 『数を表現する技術: 伝わるレポート・論文・プレゼンテーション』 長塚隆訳、オーム社2006年、19頁。ISBN 9784274066535
  2. ^ R. D. Connor (1987). The Weights and Measures of England. Stationery Office Books. pp. 198-199. ISBN 978-0112904359. 
  3. ^ James Davis (2004). “Baking for the Common Good: A Reassessment of the Assize of Bread in Medieval England”. The Economic History Review (Economic History Society) 57 (3): 491.