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ハイノキ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ハイノキ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: カキノキ目 Ebenales
: ハイノキ科 Symplocaceae
: ハイノキ属 Symplocos
: ハイノキ S. myrtacea
学名
Symplocos myrtacea Siebold et Zucc. (1846)[1]
和名
ハイノキ(灰の木)、
イノコシバ[1]

ハイノキ(灰の木[2]学名: Symplocos myrtacea)はハイノキ科ハイノキ属の常緑小高木。別名イノコシバ[1][3]

名称

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和名「ハイノキ」の由来は、この樹木の木灰が、近縁のクロバイ同様、染色の媒染剤として利用されたことから「灰の木」の名がある[3][2][4]。九州ではイノコシバ(猪の子柴)と呼ばれた。狩りで獲た猪を縛るのに、この木の丈夫な枝を用いたためという[5]

特徴

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日本の本州近畿地方以西)、四国九州に分布する[3][2]。南限は屋久島。暖地の山地に生える[3][2]

常緑広葉樹低木から高木で、高さは12メートル (m) ほどになる[3][2]樹皮は暗視褐色[2]互生し、長さ4 - 7センチメートル (cm) の狭卵形から長楕円形[2]葉身には光沢があり、短い葉柄がついて、葉縁には浅い鋸歯がある[3][2]

花期は4 - 5月[3][2]。前年枝の葉腋から総状花序を出して、小さな白いをたくさん咲かせる[3][2]。1つの花序には花が3 - 6個つく[3]花冠は5深裂し、直径は12ミリメートル (mm) ほどある[2]雄蕊は多数で花冠の外に突き出している[2]雌蕊は1個[2]。果期は10 - 11月[2]果実は長さ6 - 8 mmの狭卵形で、秋に黒紫色に熟す[3][2]

脚注

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  1. ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Symplocos myrtacea Siebold et Zucc. ハイノキ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月29日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 西田尚道監修 学習研究社編 2009, p. 74.
  3. ^ a b c d e f g h i j 平野隆久監修 永岡書店編 1997, p. 195.
  4. ^ 永益英敏「ハイノキ科」(『週刊朝日百科植物の世界』62、1995年6月25日発行、朝日新聞社)、6の34頁。
  5. ^ 永益英敏「ハイノキ科」(『週刊朝日百科植物の世界』62、1995年6月25日発行、朝日新聞社)、6の35頁。

参考文献

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  • 西田尚道監修 学習研究社編『日本の樹木』 5巻、学習研究社〈増補改訂 ベストフィールド図鑑〉、2009年8月4日、74頁。ISBN 978-4-05-403844-8 
  • 平野隆久監修 永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、195頁。ISBN 4-522-21557-6 

関連項目

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