コンテンツにスキップ

ダーウィン4078

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。218.137.51.26 (会話) による 2008年3月2日 (日) 22:07個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎外部リンク)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

ダーウィン4078』(だーうぃんよんぜろななはち)はデータイースト1986年に発売したアーケードゲーム。オーソドックスな『ゼビウス』式上下撃ち分けの縦スクロールシューティングゲームチャールズ・ダーウィンの名を冠する通り進化をモチーフにしたゲームシステムを盛り込んだ異色のゲーム。

世界観・基本システム

全16面から構成されるステージは、時間や空間を並列に配置する事によってほぼ無限の大きさを持ち、惑星さえも運ぶ事が出来るという巨大な宇宙船の内部。

「EVOL(イボル)」と呼ばれるキャラクタは、存在がエネルギーだけの生命体であり、そのままでは拡散して存在自体が失われてしまうため、自らをカプセル状の容器に収めた物。

各面の最後に登場するペータエフというボスを倒すことによって、その面をクリアとなる。

自機

8方向レバーと2ボタン(対空ショット、対地ショット)で操作する。対空ショットは後述の「進化」により実に多彩に変化する。

パワーアップ・進化システム

最大の特徴は自機の進化システム。自機はビース(BEAS)と呼ばれる形態からゲームスタートするが、特定の敵を倒すことで出現するEVOLを摂取する事で1段階の「進化」を行なう。

自機のサイズも基本的にどんどん大きくなり、大きな力と体を備えた物となっていく。進化の過程で扱いにくい時期もあるので進化の順番とショットの特性(効率の良い使い方)を編み出し、苦手な進化過程を素早く通過するようにしていく必要がある。

基本的にパワーアップした大きい自機が優位に立てるようになっているので巨体で倒し奪い取る弱肉強食の快感を与えてくれる。

全19種の形態にはそれぞれ名前が付けられており、攻撃内容や形状によって関連性が見られる。それらは画面に表示される情報であり、「設定上の物」に留まっていない。

対地ショットのパワーアップ

敵キャラクタの一種であるニョイアレイ、または、ザンゾーに対し、倒せさない程度に対空ショットを当てると、気絶する事がある。この時に自機が接触すると一定時間ドッキング状態となり、その間、対地ショットがパワーアップされる。但し、直撃弾を与えないと破壊出来ないような地上物に対しては、これらのパワーアップ中は破壊できなくなってしまう。また、対地ショットのパワーアップは、これ以外には存在しない。

なお、時折登場する巨大ザンゾーは、気絶自体をしないためにドッキングも出来ない。

退化

自機は、逆進化形態ブラックディーム(BLACK DEAM)か突然変異形態の一種スプラーテ(SUPRATE)である時を除いて、被弾するとピスター(PISTER:最弱状態であり、ここから1段階進化するとビースになる)にまで退化してしまう。被弾した時の進化過程が長ければ長いほど退化アニメーション(攻撃が行なえないが無敵)の時間が長くなる。通常時は敵に直接当たってしまうと退化も起こさずに即ミスとなるが、退化アニメーション中の無敵の間は敵を体当たりで倒す事も出来る。ピスターの形態で被弾するか、(いかなる形態でも)退化アニメーション中以外に敵の体当たりを受けるとミスとなる。

被弾しないだけでは弱肉強食を楽しむ事はできず、強者は常にEVOLを取り続けなければならない。一定時間EVOLを取れずにいると1段階、また1段階と時間で自然退化していく。但し、ニョイアレイやザンゾーとドッキングしている間だけは、退化時間は停止している(カウントされていない)。

突然変異

突然変異と呼ばれる通常のパワーアップ手順では出現しないものが幾つか用意されており、それらは通常のシューティングゲームでは見られない極めて癖の強い攻撃を行なう。

特定の進化過程で被弾(もしくは特定の状態から時間で自然退化)する事によって突然変異が起き、通常の進化とは明らかに毛色の違う奇妙な形の自機に変態する。攻撃内容も非常に癖が強く扱いにくいが、使い方によっては非常に強力なものでもある。

また、特殊な進化退化の手順を踏んでから被弾すると、「逆進化」という通常のルートとは別のパワーアップが起こる。この逆進化形態であるブラックディームは他の進化形態とは全く違う蝙蝠のような姿であり、敵の弾には無敵、ショットは自分の分身を無数にばらまくという、敵が何もできない程の圧倒的な火力を持つ。しかし奇形であるこの進化は前述の自然退化(EVOLを一定時間獲得できないでいる)が起きるや否や最弱状態になってしまうという諸刃の剣という、非常に面白いバランス設計が施されている。なお、ブラックディームへの逆進化直前の形態であるディーム(DEAM)は、地上に映る影だけがブラックディームと同じになっている。ブラックディームは間違いなく最強形態だが、EVOLを出す敵が一定時間出現しなければ結局最弱の初期形態ピスターに戻ってしまうため、ニョイアレイやザンゾーとのドッキングに成功しない限りは、常にブラックディームでいることは不可能である。また、ブラックディームの攻撃力は極端に高いため、ニョイアレイやザンゾーを倒さずに気絶させる事自体も難しい。

難度設定

ゲーム中の難度は常に一定であり、他のパワーアップ型シューティングゲームにありがちな、「自機がパワーアップすると敵もパワーアップする」というような事が無い。そのため、非常に恒常的な攻略が可能であった。

これは、続編の「スーパー・リアル・ダーウィン」等にも採用されている。

敵弾

敵が撃ってくる弾には大きく分けて2種類がある。一つは真正面にしか撃たないものだが、もう一方は「自機との距離に応じたスピード(遠ければ速い、近ければ遅い)の弾を撃つものだった。つまりこれは、必ずしも敵との距離を開けておけば弾が避け易い訳ではないという事を意味していた。

このベクター攻撃も、続編の「スーパー・リアル・ダーウィン」等にも採用されている。

ボーナス得点・隠しフィーチャー

  • 得点が200万点に達すると200万点、700万点に達すると300万点のボーナス得点が入る。このため、実質500万点分のプレイによって1000万点達成となる。但し、スコア表示に1000万点の桁は存在しない。
  • 砂漠地帯の地上物を16個連続で破壊するとエクステンドする。
  • 眼下(地上物扱いの状態)のペータエフが噴煙を上げていないときに対地ショットを10発当てると破壊出来る。

キャラクターデザイン

生物、特に顕微鏡で見られるような微生物に通ずるデザインを持ち、動きも微生物や水生生物のそれに近いトリッキーな動きを見せる。

美術、音楽

進化や退化の際には非常に手の込んだドットアニメーションで自機の変態が行なわれる。進化をモチーフにしているだけあって数十種類の自機デザインを初め敵デザインには共通性があり、制限の大きな当時の大きなドット絵の中に繊細な曲線を表現している。生物的な要素も上手く表現されており、攻撃や防御の方法がデザインを見ただけで容易に想像が付く。

音楽は特徴の少ないミニマルミュージックだが、長い悲鳴にも似た自機の被弾音と共に最弱状態まで退化する様が実にショッキング。多彩なショット音はショットの見た目や速度を繊細且つ多彩な音色ボキャブラリーで表現しており秀逸である。

ゲームデザインから、グラフィック、サウンドとほとんどを手がけた古川ともは後にGUNIW TOOLSというビジュアル系バンドでデビューしている。

関連作品

続編

続編ではないが共通点がある作品

移植

ダーウィン4078

S.R.D.

外部リンク