ダイレクト・マーケット

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ケヴィン・スミスが所有するコミックブック専門店 Jay and Silent Bob's Secret Stash 。ニュージャージー州レッドバンク。

ダイレクト・マーケット (direct market) とは、アメリカにおいてコミックブック取次小売の主流を占めるネットワークである。そのコンセプトは1970年代にフィル・シウリング (Phil Seuling) によって作られた。現在のダイレクト・マーケットは支配的な地位を占める大手取次店(ダイヤモンド・コミック・ディストリビューターズ英語版)と、コミック専門店の大多数、およびコミックブックや関連商品を扱う非専門店からなる。

現在の事業モデルと正確に一致しているわけではないが、「ダイレクト・マーケット」の名は、小売店が取次を飛び越えて出版社から直接仕入れを行うという当初の形態からとられたものである。しかし、ダイレクト・マーケットの最大の特徴は返品が不可能だという点にある。書店やニューススタンド英語版への配本では委託販売制 (sale-or-return model) が取られるが、ダイレクト・マーケット配本では売れ残りを返品して払い戻しを受けることができず、取次や小売店は有利な仕入れ価格と引き換えに需要を正確に予想する賭けを強いられる。しかしその一方、月ごとの過剰在庫を保管して後日に売却することが可能だったことで、「バックイシュー」市場の整備が促進された。

出版社側のリスクを低減するこの新しい流通システムは、二大出版社(マーベルDC)の牙城を崩すには至らなかったものの、新しいコミック出版社に参入機会を与えたとも評価されている。独立系出版社や自己出版の興隆は1970年の終盤から現在まで続いているが、それがビジネスとして可能になったのは、返品を前提とした無作為陳列型のニューススタンド方式ではなく、小売店の顧客にターゲットを絞るシステムの存在によるものである。

コミックブック専門店[編集]

1970年代になるまで、コミックブックは主にニューススタンド(新聞・雑誌売り場)、グロサリーストア、ドラッグストアコンビニエンスストア、玩具店で売られていた。1960年代の終わりに登場し始めたわずかな数のコミックブック専門店は、ニューススタンド取次から仕入れた新刊や、新しいカウンターカルチャーであるアンダーグラウンド・コミックス[† 1]のほか、バックイシュー(過去号)を取り揃えていた。この種の専門店として北米最古とされているのは、1966年の春に“キャプテン・ジョージ”・ヘンダーソンがトロントに開店したバイキング・ブックショップである。同店は1年後にトロント市内で移転を行うとともにメモリー・レーン・ブックスに改名した[2][3]。アメリカ初のコミックブック専門店はゲイリー・アーリントン英語版が1967年か翌年に開店したサンフランシスコ・コミックブック・カンパニーだと考えられている[1][4]。これら二店は現存しない。1970年代になると、ダイレクト・マーケットの成立により、コミックショップのネットワークが広く浸透し盛況を迎えた。

コミック専門店は既存の販売形態と比べて多くの強みを備えていた。

  • 発売日: ダイレクト・マーケットの専門店は多くの場合ニューススタンド売りよりも1週間早く最新号を仕入れることができた[5]
  • 商品の状態: グロサリーストアなどに設置されるワイヤー製マガジンラックは深さがコミックブックのサイズの半分しかないことが多く、本の背が折れたり、ページがめくれ返る問題があった。対照的に、ダイレクト・マーケット小売店は商品の状態を良好に保つよう配慮するのが一般的で、書架はコミックブックを収めるのに十分なサイズだった。また多くの専門店はコミックブック購入者にマイラーバッグ(ポリフィルム製の袋)とバックボード(折れ防止の板)を提供した(この習慣は1980年代にはじまり、店によっては現在でも続けられている)。
  • 取扱商品: ダイレクト小売店は大人の顧客を持つことができたため、グロサリーストアなどには不適切とみなされる作品(暴力、裸体、有害な言葉、ドラッグなどの描写を含むもの)でも販売することができた。加えて、ダイレクト配本ルートでは返品が認められなかったため、大概のダイレクト専門店は相当量のバックイシュー在庫を備えていた。またこれらの小売店はミニフィギュア、ポスター、トイ、その他のグッズのようなニューススタンドなどが扱わない周辺商品を店舗に置くことができた。
  • 価格: ダイレクト小売店の顧客は年齢層が高く、グロサリーストアなどの平均的な客より数倍高い金額を払うことを厭わなかった。その結果、5ドルやそれ以上の定価が付けられたコミックブックも珍しくなくなった。
  • 商品知識: ダイレクト小売店の経営者の多くは自身がコミック・コレクターであり、したがって取扱い商品に精通している。電話で予約注文が行える店も一般的である(カウンターでの取り置きは "pull and hold" と言われる)。グロサリーストアなどの商品陳列が無秩序であるのに対し、ダイレクト小売店の経営者は出版社別やジャンル別など配列を工夫することが多い。

歴史[編集]

背景[編集]

ダイレクト・マーケットの登場以前、コミックブックはほとんどがニューススタンド、薬局、キャンディーストアなどで販売されていた。その時期の大手取次会社には、アメリカン・ニュース・カンパニーと、DCコミックスの親会社が所有していたインディペンデント・ニュースがある。チャールトン・コミックス英語版も自社の取次であるキャピタル・ディストリビューション・カンパニーを所有していた[6]。地方を基盤とする独立系取次店 (independent distributors, ID) は、インディペンデント・ニュースのような全米規模の取次ルートに組み込まれて小売店への配本を行った[7]。この体制は1930年代から60年代まで続いた。

1960~70年代[編集]

1960年代の後半に興ったアンダーグラウンド・コミックスムーブメントは、60年代中盤に急増したアンダーグラウンド出版英語版と同じく、非主流の取次ネットワークに支えられていた。アンダーグラウンド・コミックスはニューススタンドやドラッグストアの店頭には並ばず、ヘッドショップ英語版大麻文化と関連する商店)を大きな販路とした[8]。このムーブメントはサンフランシスコに端を発しており、近郊のベイエリアでは複数の取次店が現れた。その一例はプリント・ミント英語版(1969年ごろ)、先述のサンフランシスコ・コミックブック・カンパニー(出版社も兼ねていた。1970年ごろ)、バド・プラント英語版(1970年)、ラスト・ガスプ英語版(1970年)、キース・グリーン/インダストリアル・リアリティーズ英語版(1970年ごろ~)、チャールズ・アバー・ディストリビューションなどである。1970年前後にはアメリカの様々な地域でアンダーグラウンドな取次店が発生した。ロサンゼルスではジョージ・デカプリオ英語版やノヴァが、中西部ではドナヒュー・ブラザーズ(アナーバー)、キープ・オン・トラッキン・クープ/ビッグ・ラピッズ・ディストリビューション(デトロイト)、ウィスコンシン・インディペンデント・ニュース・ディストリビューターズ(マディソン)、アイシス・ニュース(ミネアポリス)、ウェルニュース(コロンバス)がある。1970年代の半ばにはビッグ・ラピッズが中西部の競合相手を全て吸収していたが、そのころにはアンダーグラウンド・コミックスの市場は実質的に枯れ切っていた[8]

現在知られているようなダイレクト・マーケットが生み出されたのは、1970年代の初めにニューススタンドを通じた大手出版社のコミックブックの売上が低下したことを受けたものである。コンベンションの主催やコミック売買を手掛けていたフィル・シウリングは1972年代にコミック出版社と交渉し、従来のように雑誌取次業者を介さずコミックブックを直接購入できるようにした。ニューススタンドを通じた独立系取次ルート(ドラッグストア、グロサリーストア、トイストア、コンビニエンスストアなどの雑誌小売業を含む)では売れ残りを返品して払い戻し金を積み立てることができたが、シウリングが買い取ったコミックブックには返品が認められなかった。それと引き換えに、シウリングのようなコミック専門店は大幅な値引きを受けることができた。取次と小売店は出版社から返品払い戻しのリスクを肩代わりすることで大きな利益を得た[9]

その上、シウリングのシーゲイト・ディストリビューターズでは小売店はタイトルごと、号ごとに発注数を決めることができた。地方の独立系取次でそれができるところは少なかった。返品不可システムの確立にはこのような自由度の高い発注制度が不可欠だった。

ダイレクト取次は概して独立系取次よりはるかに配本が速かった。ダイレクト取次店は印刷所から1週間分の刊行物が届くと、一日か二日(時には数時間)のうちに再発送したり、地元の顧客への配本を行うのが一般的だった。他方でほとんどの独立系取次店は同じ作業におおむね2~3週間を費やした(例外はあった)。毎週の新刊を心待ちにしているコミックファンを顧客層とする小売店に対して、この点は大きな誘引力となった。

ダイレクト・セールス取次のニーズを作り出したもう一つの要因は、多くの独立系取次店が、コミック専門店などバックイシューを取り扱う店とはいかなる条件でも取引を行わなかったことである。取次店が恐れていたのは、そのような小売店が読者から読み終わった本を安く買戻し、返本して払い戻しを受けようとすることであった[† 2]

1970年代の半ばには、地方に基盤を置くダイレクト・セールス取次店がほかにも複数現れ(五大湖地域のドナヒュー・ブラザーズ、南カリフォルニアのパシフィック・コミックス・ディストリビューターズ、南東部のニュー・メディア・ディストリビューション/アージャックスらはいずれも1974初頭までに起業した)、当時生まれたばかりだったコミック専門店市場からニューススタンド取次店を事実上駆逐した。数年にわたって、シーゲイトはタイトルごとに25部単位で「ドロップ・シッピング(印刷所から小売店への直接発送)」を行うサービスで競合他社に先んじていた。後発の取次店は顧客の注文をまとめて仕入れ、自社店舗から再発送・配本するという伝統的な方法に頼るしかなかった。法的な手段を取るという脅し[11]と、小売店側に必要な部数を正確に(時には少部数で)発注する需要があったことから、1970年代末までにドロップシッピングは大口顧客のみに限定されるようになった。とはいえそのサービスはダイレクト取次店すべてに広まった。このころには後発の取次でも複数の店舗を備えているものがいくつも現れていた。

同時期には独立系取次店を通したニューススタンドへの配本も続いていた(続いていたどころか、その後も数年間にわたって、返品可能で値引き率の低い条件のままコミックブック流通の主流を占めていた)。

1980年代[編集]

1980年代の初め、DCやマーベルと直接取引しているすべての取次店によって業界団体IADD (International Association of Direct Distributors) が結成された。IADDは年次大会を実施し、1987年には猥褻描写に関するガイドラインを作成し[12]、1988年にはダイヤモンド・コミック・ディストリビューターズのスティーヴ・ゲッピをIADD副会長に選任した[13]

マーベル・コミックスはすでに1980年にはダイレクト・マーケットの将来性を予見しており[14]、1981年にはダイレクト・マーケット限定タイトルを複数刊行した(『ダズラー英語版』など)。1980年代前半のうちに、メジャーなコミック出版社はいずれもダイレクト・マーケット向けの作品を出すようになっていた。これらの作品はニューススタンドでの売り上げは見込めない内容だったが、熱心なファンからなるダイレクト・マーケットにおいては、返品不可の条件でも十分に利益を出した[15]

新興の取次店のいくつかは比較的短命に終わり、競争力の高い団体が後を継いだ。法人としての連続性はなく、従業員も大部分は入れ替わったものの、ダイヤモンド・コミック・ディストリビューターズはニューメディア/アージャックスの後継者と、キャピタル・シティ・ディストリビューションは大筋においてビッグ・ラピッズ・ディストリビューションの後継者と言えるだろう。

1985年には、DCコミックスやマーベル・コミックス、もしくはその両社から刊行物を直接購入して小売店に卸すダイレクト取次店は北米でおよそ20社を数え、ピークに達した。その多くは複数の店舗を運営していた。また正確な数は不明だが、おそらく数十社にのぼる二次取次店が大手の取次からDCやマーベルのコミック本を買い入れて(その他の小出版社からは直接仕入れることが多かった)小売店に配本していた。ほとんどの二次取次店はダイレクト取次店の自社店舗がまだ置かれていない都市で営業していた。たとえばフィラデルフィアボストンコロンバス(オハイオ州)、マディソン(ウィスコンシン州)、ランシング(ミシガン州)、インディアナポリスバークレー(カリフォルニア州)など。これら二次取次店の多くはやがて取引相手の一次取次店に吸収された。

80年代半ばから90年代半ばにかけて、アメリカのほぼすべての都市圏には少なくとも一軒の(時には二、三軒の)ダイレクト取次店舗が置かれていた。そこは毎週の発注物を配送する拠点として機能していただけでなく「小売業者のためのスーパーマーケット」とでも呼べるものでもあり、コミック店経営者が仕入れの不足を補ったり、事前に注文しなかった商品を吟味して購入する場所だった。

1990年代[編集]

ニューススタンドの売上は減少し続け、二大コミック出版社(DCコミックスマーベル・コミックス)にとってダイレクト・マーケットが第一の市場となった[9]。1980年代の後半から1990年代の初めにかけてコミックブック収集が流行すると、新しいコミック店が続々と開店し、既存の他業種店(スポーツカード専門店など)もダイレクト・マーケットに加わってコミック販売のサイドビジネスを始めた。この時ダイヤモンドとキャピタル・シティはどちらもアメリカ全土におよそ20軒の店舗を持つようになっており、完全に全米規模の取次店として事業を行っていた。大手競合社のうちグレンウッド、ロングホーン、バド・プラントなどはそれまでに事業を売却もしくは事業転換を行っていた。

このような急速な成長は投機の側面もあり、いつまでも続くものではなかった。1990年代の中ごろに市場は縮小し、ダイレクト・マーケット傘下の小売店の閉店が相次いだ[16]。ダイヤモンドとキャピタル・シティは地域的な店舗を閉鎖し、多数の地域店舗で包括的なサービスを提供する分散型事業モデルから、実店舗を排した少数の配送ハブによる集中型モデルに移行した。1994年、キャピタル・シティは刊行物の配送期日を破った出版社に対する罰則を告知して論争を呼んだ。これは業界全体で30日間の返品可能期間を設けようとする動きを受けたものだった。この慣行はコミックブックが主としてニューススタンドで流通していた時期に行われていた[17]

マーベル・コミックスは自社配本を志し、当時ダイヤモンドとキャピタル・シティに次ぐ第三の大手取次だったヒーローズ・ワールドを買収した[18][19]。ヒーローズ・ワールドは他社の本の取り扱いを停止した。取次他社はマーベルの大きな売り上げを失った穴を埋めるため、他の大手出版社と独占契約を結ぼうとした。DCコミックス、イメージ・コミックスダークホース・コミックス、その他数社の小出版社はダイヤモンド・コミック・ディストリビューターズと独占契約を結んだ[20]。当時ダイヤモンドの最大の競合相手であったキャピタル・シティなど、ほとんどの取次他社は業界を去るか、ダイヤモンドに身売りした[21]。そのほか、再注文市場など競争力を発揮できる分野にニッチを確立した取次店もあった。マーベル社の自社配本は狙い通りにいかず、同社もまたダイレクト・マーケットの取次最大手となっていたダイヤモンド社と独占契約を結んだ。

2000年代[編集]

2000年代の初期、飛躍的に人気を増してきたグラフィックノベルの販路として、書店市場がダイレクト・マーケットに挑戦を始めた。ダイヤモンドは相変わらずダイレクト・マーケット取次の覇権を持ち続けており、2006年にFMインターナショナル社が破たんしたことでいっそう競合相手は少なくなった。しかし、一般書店や一般書の出版社がコミックへの関心を高めた結果、複数の出版社がダイヤモンドと無関係に書店向けの取次ルートを確立するにいたった(例として、TOKYOPOPハーパーコリンズから[22]ファンタグラフィックスはW・W・ノートンから取次を行った[23])。一方でダイヤモンドも書店向けの取次会社ダイヤモンド・ブック・ディストリビューターズを作った[24]

ダイレクト・マーケットの取次会社[編集]

以下のリストは二次取次店も含む。二次取次店は他の取次店を通じてメインストリート・コミックを仕入れるが、小出版社やアンダーグラウンド出版社からは刊行物を直接購入するのが一般的である[† 3]

アメリカ[編集]

取次店名 本拠地 創業時期 消滅時期 現状 備考
ダイヤモンド・コミック・ディストリビューターズ メリーランド州ボルチモア 1982 営業中 ニューメディア/アージャックスの配送センターと取次店舗を継承した。
ファット・ジャックス・コミックリプト ペンシルベニア州フィラデルフィア 1976 取次事業から撤退 二次取次として営業していた。現在では小売店。
ラスト・ガスプ カリフォルニア州サンフランシスコ 1970 営業中 出版社として創業し、直後に取次事業を開始した。
ウェストフィールド・コミックス・サブスクリプション・サービス ウィスコンシン州マディソン 1979 営業中 シェリル・アンソニーが設立した通販業者/取次店[25]
アクション・ダイレクト カンザス州カンザスシティ 現存せず 1980年代に営業していた。1985年に Cavco Longhorn の資産を取得した。
オルタナティヴ・リアリティーズ・ディストリビューティング コロラド州デンバー 1979 1987 バド・プラントが買収 マイルハイ・コミックスが所有し、ナネット・ロザンスキが経営していた取次店[26]
ビッグ・ラピッズ・ディストリビューション ミシガン州デトロイト 1975 1980 倒産 1970年に創業したアンダーグラウンド出版社・アンダーグラウンド・コミックス取次店 だったが、1975年の初頭、近郊のアナーバーで営業していたドナヒュー・ブラザーズが破たんしたのを受けてメインストリーム・コミックの取次事業を開始した。従業員2名は後にキャピタル・シティ・ディストリビューションを創立した。
バド・プラント カリフォルニア州グラスバレー 1970 1988 ダイヤモンドが買収[27] 取次店だった。
キャピタル・シティ・ディストリビューション ウィスコンシン州マディソン 1980 1996 ダイヤモンドが買収
チャールズ・アバー・ディストリビューション カリフォルニア州ベルモント 1982 バド・プラントが買収[28]
コールド・カット・ディストリビューション カリフォルニア州サリナス 1994 2008 資産はヘイヴンが取得 所有者はマーク・トンプソンとティム・ストループ。小出版・独立系コミックに特化していた。1998年3月にミネソタを基盤とするダウンタウン・ディストリビューションの資産を取得した[29]
ザ・コミック・ディストリビューター ミシガン州ランシング 1975 1979 ビッグ・ラピッズが取得 ドナヒュー・ブラザーズの従業員だったジム・フリールが始めた二次取次店。店名は後にコミック・カーニヴァルのマーク・ヒルトンが取得した。
コミック・キングダム ミシガン州デトロイト 1981 1980年代初め グレンウッドが取得 小売業者ボブ・ヘレムスが創設した。
コミックス・ハワイ ハワイ州ホノルル 現存せず
コミックス・アンリミテッド ニューヨーク市スタテンアイランド 1975 1994[30][31] ダイヤモンドが買収 経営者はロン・フォアマンとウォルター・ワン。小売業も行っていた。小売事業は1995年半ばにファンタジー・ブックス&ゲームズが買収[32]
コモン・グラウンド・ディストリビューターズ カリフォルニア州バークレー 1978 1982 キャピタル・シティが買収 ロバート・ビアボームが創立した二次取次店。ビッグ・ラピッズ・ディストリビューションと取引していた。
デスティニー・ディストリビューターズ ワシントン州シアトル 1980年代初め 1990 ダイヤモンドが買収[33] フィル・パンコウが創立した二次取次店。バド・プラントと取引していた。
ドナヒュー・ブラザーズ ミシガン州アナーバー 1970年ごろ 1975 倒産 二番目に創立されたダイレクト取次(パシフィック・コミックスやニュー・メディア・ディストリビューションに1、2か月先行していた)。営業期間は1年ほど。当初はマーベル・コミックスとの取引を行っており、次いでウォレン・パブリッシング、アトラス/シーボード・コミックス、チャールトン・コミックス、アーチー・コミックスと事業を拡げ、DCコミックスとの取引を始めて2、3か月後に倒産した。顧客はビッグ・ラピッズが引き継いだ。コミック・センター・エンタープライズとしても知られていた。
FMインターナショナル ウィスコンシン州 1996 2006 現存せず 主としてバックイシューを取り扱っていた。資産はウェストフィールド・コミックスが取得した。
フレンドリー・フランクス インディアナ州ゲアリー[34] 1984[35] 1995 キャピタル・シティが買収[36] 所有者はフランク・W・マンジャラチーナ。
グレンウッド・ディストリビューターズ ミズーリ州セントルイス 1980年ごろ 1987 倒産 1986年に身売り[37]。1987年の春に経営危機を迎え[38]、同年夏に出版社4社から訴訟を受け[39]、秋に破産を宣言した[40]
グローバル・ホーボー・ディストロ カリフォルニア州サンフランシスコ 2003 2012年ごろ 現存せず 希少な自家製本コミックの取次業者だった。創立者はアンディ・ハーツェルとジェシー・リクロー。ラスト・ガスプと提携していた。
ヘイヴン・ディストリビューターズ イリノイ州シカゴ 2008 2011 現存せず コールド・カット・ディストリビューションの資産を取得して創立された[41]。主に独占契約ではない独立系出版社と取引していた。2011年10月に正式に倒産[42]
ヒーローズ・ワールド・ディストリビューション ニュージャージー州モリスタウン 1975 1997 1995年にマーベル・コミックスが買収 ダイヤモンドとキャピタル・シティに次ぐ第三の大手取次だったが買収され、直後に倒産した。
アイシス・ニュース ミネソタ州ミネアポリス 1970年代半ば ビッグ・ラピッズが買収 二次取次店。
カフコ・ロングホーン テキサス州 1985[43] 顧客はアクション・ダイレクトが引き継いだ。
ニュー・メディア・ディストリビューション/アージャックス メリーランド州ロックビル (メリーランド州) 1974年ごろ 1982 アージャックスは1970年代からハル・シャスターによって経営されていた[44]。1981年末に会社更生法を申請し[45]、翌年には取次部門をスティーヴ・ゲッピに売却した。ゲッピは直後にダイヤモンド・コミック・ディストリビューターズを創立した[46][47]
ノヴァ カリフォルニア州ロサンゼルス 1970年代半ば ビッグ・ラピッズが買収 二次取次店。
パシフィック・コミックス・ディストリビューターズ カリフォルニア州サンディエゴ 1974年ごろ 1985 倒産 小売、出版、取次事業を展開していた。1984年に倒産し、配送センターと取次店舗はバド・プラントとキャピタル・シティに売却された。
プリント・ミント カリフォルニア州バークレー 1969年ごろ 1975年ごろ 現存せず 出版業、小売業も行っていた。主にアンダーグラウンド・コミックス、ポスター、その他のカウンターカルチャー関連商品を扱っていた。
シーゲイト・ディストリビューターズ ニューヨーク市ブルックリン 1972 1985 倒産[48] 事実上最初のダイレクト・マーケット取次店。
セカンド・ジェネシス・ディストリビューション オレゴン州ポートランド 1991[49] 1990 ダイヤモンドが買収
ソーラー・スパイス・アンド・リカーズ マサチューセッツ州ケンブリッジ 1981年ごろ 1982 ダイヤモンドが買収 元の所有者はニュー・メディア/アージャックスのハル・シャスター。
サザン・ファンタジーズ/C.I.B. ジョージア州アトランタ 1986 1994年ごろ 現存せず
サンライズ・ディストリビューターズ カリフォルニア州コマース 1980年代初め 1988年ごろ 倒産[50] 経営者はスコット・ミッチェル・ローゼンバーグ。
ウェルニュース オハイオ州コロンバス 1970年代半ば ビッグ・ラピッズが買収? 二次取次店。後に、ウェルニュースのスタッフを中心として初期のキャピタル・シティの支部が開設された。
ウィスコンシン・インディペンデント・ニュース・ディストリビューターズ ウィスコンシン州マディソン 1971 1970年代末 ビッグ・ラピッズが買収 後期の経営者ミルトン・グリープとジョン・デイヴィスは後にキャピタル・シティ・ディストリビューションを創立した。

カナダ[編集]

  • アンドロメダ・ディストリビューティング・リミテッド(オンタリオ州トロント)— 1989年創立。
  • ビッグ・ピクチャー・ディストリビューション(オンタリオ州トロント) — 経営者はロバート・マイア。
  • コメックス・ディストリビューターズ(アルバータ州カルガリー) — 1988年にオレゴン州ポートランドを基盤とするセカンド・ジェネシス・ディストリビューションによって買収された[51]
  • ガリレオ・ディストリビューターズ(アルバータ州エドモントン
  • マルチブック・アンド・ピリオディカル(オンタリオ州トロント)
  • ロビン・フッド・ディストリビューション(オンタリオ州オークビル
  • スティクス・インターナショナル(マニトバ州ウィニペグ

イギリス[編集]

  • パシフィック・ディストリビューション — パシフィック・コミックス・ディストリビューターズの英国部門(1984年に清算され、資産はバド・プラントとキャピタル・シティに売却されていた)。1991年にダイヤモンドが買収した[31]
  • スラブ・オ・コンクリート — 経営者はピーター・ペイヴメント。2001年に倒産。
  • タイタン・ディストリビューターズ — タイタン・エンタテインメント・グループの一部(タイタンは英国の小売店フォビドゥン・プラネットも所有していた)。1992年にダイヤモンドが買収[52]

関連項目[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ アンダーグラウンド・コミックスはX指定(映画のレイティングシステムで成人向けを意味する)のイメージで comix と綴られた[1]
  2. ^ マーベル・コミックスで総編集長を務めていたジム・シューター英語版は、独立系取次店の間で返本システムの悪用が横行していたことを証言している[10]
  3. ^ 以下のリストに挙げられたもの以外にも、少なくとも二軒のダイレクト取次会社が存在する。一軒はジョージア州で、もう一軒はフィル・シウリングのイーストコースト・シーゲイト・ディストリビューションの消滅後にニューヨークで営業した。

出典[編集]

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  3. ^ VanderPloeg, Scott (2011年9月14日). “Canada’s 1st Comic Shop?”. comicbookdaily.com. 2018年7月16日閲覧。
  4. ^ Dorn, Lori (2014年2月6日). “Gary Arlington (1938-2014), Owner of the First Comic Book Store in the United States”. laughingsquid.com. 2018年7月16日閲覧。
  5. ^ Rozanski, Chuck. "Tales From the Database: Destroying the Entry Point of Most New Readers." Mile High Comics, March 2004.
  6. ^ Eury, Michael. Dick Giordano: Changing Comics, One Day at a Time (TwoMorrows Publishing, 2003), p. 42.
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  8. ^ a b Estren, Mark James (1993). “Foreword: Onward!”. A History of Underground Comics. Ronin Publishing. pp. 7–8; 10. ISBN 0-914171-64-X. 
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  14. ^ "Marvel Focuses On Direct Sales," The Comics Journal #59 (October 1980), pp. 11-12.
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参考文献[編集]