タルックナ

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ボウルにはいったカマ
蜂蜜とローストした小麦粉から作ったタルカン

タルックナ(Talkkuna)は、エストニアフィンランドロシアトルコの伝統的な食材であり、細かく挽いたミックス粉である。タルックナはフィンランドでの呼び名で、エストニアではカマ(Kama)、ロシアではTolokno、トルコではタルカン(Talqan)と呼ばれる。ローストしたオオムギライムギエンバクエンドウの粉末の混合物である。エンバク粉を小麦粉に置き換えたり、黒いんげん豆粉を加えることもある。フィンランドでは、穀物を最初に蒸し、その後それを挽いて、最後にローストすることで、タルックナを作る[1]

「古来からのカマは、腐りにくく運びやすい食糧で、バターラードで包むと、すぐにお腹を満たすスナックになる。既にローストされたものなので、焼く必要はない。」[2]

現在では、デザートの材料として用いられている。牛乳バターミルクまたはケフィア等と混ぜて朝食に食べられることが多い[3]。しばしば砂糖ブルーベリー等で甘味を付けられる。他の果物蜂蜜を使ったり、甘くしないまま食べることもある。また特にエストニアやフィンランドでは、ベリー類と合わせて、牛乳のデザートや酸味のあるデザートにも用いられる。

エストニアでは国民食であり、土産として買うこともできる[4]

スウェーデンヴェルムランド地方で伝統的に作られるskrädmjölは、ローストしたエンバクのみからなる。w:Forest Finnsによりこの地に持ち込まれた[5]

チュルク語族ではタルカンと呼ばれ、ローストしたオオムギやコムギの粗挽きや細挽きの粉を指す。アルタイ人ノガイ族バシキール人カザフ人タタールトゥバ人ウズベク人ハカス人の料理でも用いられる。

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ Talkkunasta uusi vanha tuttu” (フィンランド語). yle.fi (2011年12月13日). 2021年9月4日閲覧。
  2. ^ Estonian Secret. Kama. Estonian "muesli"” (英語). Estonian Cuisine. Eesti Toit. (2017年8月11日). 2021年9月4日閲覧。
  3. ^ Rantanen kama flour 1 kg” (英語). Suomikauppa.fi. 2021年9月4日閲覧。
  4. ^ Eesti Toit infoserver v2.0.3.0 Archived 2007-12-17 at the Wayback Machine.
  5. ^ Skogsfinnar” (スウェーデン語). Minoritet.se. 2021年9月4日閲覧。