タマバエ

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タマバエ科
Fly December 2007-4.jpg
タマバエ科の1種
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
亜綱 : 有翅昆虫亜綱 Pterygota
下綱 : 新翅下綱 Neoptera
上目 : 内翅上目 Endopterygota
: ハエ目 Diptera
亜目 : 長角亜目 Nematocera
下目 : ケバエ下目 Bibionomorpha
上科 : キノコバエ上科 Sciaroidea
: タマバエ科 Cecidomyiidae
英名
gall midges
gall gnats
亜科

本文参照。

タマバエは、ハエ目(双翅目)タマバエ科(Cecidomyiidae)に分類される昆虫の総称。世界で約4600種以上が記録されている[1]。なおハエと名がつくが、分類学的にはに近い仲間である。

概要[編集]

タマバエのほとんどの種は、成虫の体長が1-3mm程度と小型である。触角は長く、翅は毛で覆われる。

タマバエの多くの種は外部寄生性であり、幼虫がハチ目の昆虫や植物などに寄生して生活していることが知られている。植物を利用する種は虫こぶを形成する事が多い。また Mycophila 属の種などで、幼生生殖を行うことが知られている。

人間との関わり[編集]

タマバエの1種 Hartigiola annulipes によって作られた虫こぶ

タマバエの中には、農作物に被害を及ぼすハチなどの天敵となる種があり、生物的防除に用いられることがある。特によく知られているのはショクガタマバエ Aphidoletes aphidomyza であり、ハチやアブラムシの天敵としてしばしば導入されており、その防除効果が認められている[2][3]

一方、植物の葉などを利用して虫こぶを形成するような種は、農作物や花卉に被害をもたらすため、農業害虫として扱われる。特にヘシアンバエ英語版は、コムギオオムギに深刻な被害をもたらす害虫として知られる。また、ランツボミタマバエ Contarinia maculipennis は、デンドロビウム・ファレノプシスなどの洋ランに寄生して被害をもたらしている[4]。またキノコを利用する種もおり、キノコ栽培場に発生する害虫として扱われることもある[5][6]

分類[編集]

タマバエ科には、Cecidomyiinae、Lestremiinae、Porricondylinae の3亜科が所属し、さらに複数の族に細分される[1]。種数としては、Cecidomyiinae 亜科にタマバエ科の8割の種が分類され、Lestremiinae 亜科、Porricondylinae 亜科にそれぞれ約1割の種が所属する[1]

以下に主な亜科と族を示した。

  • Cecidomyiinae 亜科
    • Alycaulini
    • Aphidoletini
    • Asphondyliini (Polystephini と Schizomyiini を含む)
    • Brachineurini
    • Cecidomyiini
    • Clinodiplosini
    • Kiefferiini
    • Lasiopterini
    • Ledomyiini
    • Lestodiplosini
    • Mycodiplosini
    • Oligotrophini
    • Rhizomyiini
    • Trotteriini
  • Lestremiinae 亜科
    • Acoenoniini
    • Baeonotini
    • Campylomyzini
    • Catochini
    • Catotrichini
    • Forbesomyiini
    • Lestremiini
    • Micromyini (Aprionini と Bryomyiini を含む)
    • Peromyiini
  • Porricondylinae 亜科
    • Asynaptini
    • Diallactiini
    • Dicerurini
    • Dirhizini
    • Heteropezini
    • Porricondylini (Holoneurini を含む)
    • Winnertziini

脚注[編集]

  1. ^ a b c Raymond J. Gagne (1989) Family CECIDOMYIIDAE. pp.152-163. In. Catalog of the Diptera of the Australasian And Oceanian Regions: Bishop Museum Publication
  2. ^ Helmut Fritz Van Emden,Richard Harrington (2007) Aphids As Crop Pests. CABI p.197
  3. ^ 野栄二, 西川翔子, 山根雅史、「アブラムシ類の捕食性天敵ショクガタマバエの生態と利用」 『近畿大学農学部紀要』 2008年 41号 p.1-10, NAID 110007025627, 近畿大学農学部
  4. ^ 上地奈美, 大石毅, 與那嶺要, 安田慶次, 湯川淳一 (2008) 「侵入害虫ランツボミタマバエ(双翅目:タマバエ科)の生態的基礎情報と、多化性ゴール形成性タマバエとしての生態的特性」 『日本応用動物昆虫学会大会講演要旨』 2008年 52巻 p.188, NAID 110006893732
  5. ^ 湯川淳一, 東正彦、「幼生生殖タマバエ, Mycophila sp. (Diptera: Cecidomyiidae)の耐寒性と食用キノコのパック商品における幼虫の有無」 『九州病害虫研究会報』 1989年 35巻 p. 168-171,doi:10.4241/kyubyochu.35.168,1, 九州病害虫研究会
  6. ^ 讃井孝義, 湯川淳一、「幼生生殖をするタマバエの発見とヒラタケにおける増殖と加害状況」 『日本応用動物昆虫学会誌』 1986年 30巻 1号 p.50-544, doi:10.1303/jjaez.30.50, 日本応用動物昆虫学会

関連項目[編集]