スモン

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スモンの原因であるキノホルムの構造

スモンSMONsubacute myelo-optico-neuropathyの略称、別名:亜急性脊髄視神経症)とは、整腸剤キノホルム(クリオキノール、5-クロロ-7-ヨード-8-キノリノール)による薬害1955年頃より発生し、19671968年頃に多量発生した。

当初は原因不明の風土病とされ、発症者が多かった土地の名を取って釧路病と言われたり戸田奇病と言われたりした。ウイルス原因説も出たが、現在ではキノホルムが原因と判明している。

スモンは、キノホルム投与により激しい腹痛が起こり、2~3週間後に下肢の痺れ、脱力、歩行困難などの症状が現れる。舌に緑色毛状苔が生え、便が緑色になる(緑色物質はキノホルムと鉄の化合物であることが明らかにされている)。視力障害が起きることもある。合併症としては白内障高血圧症などが起きやすい。患者は女性が多い。1970年に日本ではキノホルムの製造販売および使用が停止となり、新たな患者の発生はない。

治療は対症療法で、ノイロトロピンの投与、鍼灸などにより下肢の知覚異常に対処する。スモン体操というものもある。しかしながらあまり効果があるとは言い難く、治療困難な疾患であり、厚生労働省が指定する特定疾患の一つとなっている。

薬害問題にもなり、悪名高いキノホルムであるが、オーストラリア、アメリカなどでは重度のアルツハイマー特効薬として注目を浴びており、研究が進められている。また、その際副作用によって生じる深刻なビタミンB12欠乏症はビタミン剤投与で補ってやれば副作用が起こらない(スモンの原因は深刻なビタミンB12欠乏を招くためであるから)という発表もされている。

関連項目[編集]

  • 薬害
  • 志鳥栄八郎 - スモン患者の一人[1]
  • 団令子 - 夫がスモンを患った[2]
  • 田辺製薬 - キノホルム原因説の正しさを認識しつつ自社に不都合なデータを握り潰し、ウィルス原因説に固執していたが、白木博次の証言により敗訴に追い込まれた[3][4]

脚注[編集]

  1. ^ 志鳥栄八郎『志鳥栄八郎自伝 嵐が奏でる』p.268
  2. ^ 『新撰 芸能人物事典 明治~平成』
  3. ^ 『薬害スモン全史』第3巻、p.41
  4. ^ 宮田親平『田辺製薬の「抵抗」』

外部リンク[編集]