スムース・トランスファー・フォーカス

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スムース・トランスファー・フォーカスSmooth Transfer Focus、略称:STF)は、一眼レフカメラ用の交換レンズの一種である。略称のSTFで呼ばれる事が多い。

STF 135mmF2.8[T4.5]

概要[編集]

ピントの合っていない、アウトフォーカス部の「ボケ (写真)|味」の写り方に重点を置いて設計されたレンズである。

ミノルタ(現在のコニカミノルタ)が、同社の一眼レフカメラ「α」シリーズ用の望遠レンズとして発売した。2006年、コニカミノルタはカメラ事業からの撤退を決定したため、以降はカメラ事業を譲渡されたソニーがαシリーズを引き継いで生産・販売している。

2009年8月時点で、スムース・トランスファー・フォーカスレンズは写真の「STF 135mmF2.8[T4.5]」のみである。

特徴[編集]

レンズユニット内の特殊な光学レンズである「アポダイゼーション光学エレメント(APDフィルター)」の効果によりきわめて滑らかなボケ味を実現している。口径食がほぼ無い光学設計や、絞りをカメラ側制御用と手動制御用とを別々に搭載するなどボケ味に徹底的に拘ったレンズとなっている。写真家の中でも評価が高く、このレンズのボケ味に勝るレンズはないとされている。また、最大撮影倍率0.25倍・最短撮影距離0.87mと通常の135mmレンズよりも接写が効く。なお、APDフィルターによる光量低下のため、AFカメラ用のレンズでありながらマニュアルフォーカスのみのレンズとなっている。

原理自体は古くから知られており、セイコーシャESFシャッターを搭載したレンズシャッターカメラ(ミノルタ ハイマチックE、リコー エルニカF、オリンパス 35ECR、など)やミノルタα7の一機能である「STFモード」を利用することでSTFレンズに似た描写を得ることができる。

しかし一種のNDフィルターであるアポタイゼーション光学エレメントにより光量を損失し暗くなる、そのために露光計算ではT値[1]を、被写界深度計算ではF値を使い分ける必要がある、フォーカスマニュアル・フォーカスのみしか使用できないなど特殊構造ゆえの短所も多くある。また、原理上ある程度絞りを開けた状態で使用しないと効果が出ない。

主要諸元[編集]

  • レンズ構成:6群8枚(うち1群2枚はAPDフィルター)
  • 絞り羽根:自動絞り9枚、手動絞り10枚(円形絞り)
  • 最小絞り:F31(T32)
  • 最短撮影距離:0.87m
  • 最大撮影倍率:0.25倍
  • フィルター径:72mm
  • フード:円形バヨネット式
  • 大きさ・質量:φ80×99mm、 730g
  • その他の機能:1.4x/2xテレコン(初期、II、Dタイプ)装着可能

脚注[編集]

  1. ^ ここでは、アポタイゼーション光学エレメントにより損失する分の光量をF値に加算した値。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]