シュモクザメ

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シュモクザメ
Sphyrna lewini school2.jpg
 群泳するシュモクザメ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
: 軟骨魚綱 Chondrichthyes
: メジロザメ目 Carcharhiniformes
: シュモクザメ科 Sphyrnidae
英名
Hammerhead (shark)
Sphyrnidae distribution map.svg
シュモクザメの生息域

シュモクザメ撞木鮫、双髻鯊[1]、犁頭魚[2]: Hammerhead shark、単にHammerheadとも)はメジロザメ目シュモクザメ科Sphyrnidae)に属するサメの総称。別名カセブカ(桛鱶)[3]

特徴[編集]

真上から見たシュモクザメ

頭部が左右に張り出してその先端に目と鼻孔があり、や鉦(和楽器)を打ち鳴らす丁字形の撞木(しゅもく)のような頭の形をしていることから「撞木鮫」、英語では頭を金槌に見立てて「Hammerhead shark」(金槌頭のサメ)と呼ばれている。この横に張り出た部分にはロレンチーニ瓶と呼ばれる微弱な電気を感知する器官があり、シュモクザメは他種のサメに比べて非常に発達したロレンチーニ器官を持っている。また捕食時に特徴的な頭部で海底付近のエイを掘り出したり、獲物に頭部を打ち付け押さえ込む格好にして捕食したりする[要出典]。しかしシュモクザメの目は離れすぎているため真正面は死角になってしまっている。

アカシュモクザメなどの特に頭部が左右に長い種では、30-50°に及ぶ広い立体視角を持つ(通常のサメは10°程度)。その代償として頭部正面に広い死角ができるが、頭部を左右に振ることでこれを補っていると考えられる[4]

サメとしてはめずらしく群れを成して行動する。その数は時には数百匹の単位に及ぶことがある。

シュモクザメ, ガラパゴス諸島.
シュモクザメ, ガラパゴス諸島.

単性生殖[編集]

単性生殖で出産したシュモクザメがいる事が確認された[5]

  • アメリカネブラスカ州の動物園「Henry Doorly Zoo」の中にある水族館において、メスだけで飼われていた3匹のシュモクザメのうちの1匹が2001年12月に出産(3年間、オスと接触していない)。
    • なお、サメのメスは、オスの精子を6カ月以上体内に保存している事が可能である。
  • 生まれた子どもは別の魚に殺されてしまったが、残された細胞のDNAを分析したところ、父親のDNAの形跡は全く存在せず、母親のDNAだけ引継いでいた。
  • 以上は、フロリダ州のNova Southwestern Universityと、北アイルランドのQueen’s University Belfastの研究者らの共同研究によるもの。
  • 共同研究者の一人で、フロリダ州Nova Southwestern UniversityのGuy Harvey Research InstituteのMahmood Shivji所長は、「これまでにも、オスのいない環境でサメが出産した事例が何件か報告されていた」と述べている。

人との関わり[編集]

はっきりとシュモクザメによる人的被害と断定された事例はほとんどない。日本では夏に海水浴場の沖合に出没することがあり、監視や捕獲禁止、遊泳禁止などの対策が取られている[6][7][8]

また、漁民の操業中に漁獲物・漁具を横取りされる・損傷を受ける食害被害が多く発生しており、日本では東京都八丈島周辺海域で漁獲された出現種組成ではシュモクザメは1%となっており、シロトビウオへの食害被害原因と推測されている[9]。これらの被害金額は年間約6,000万円から1億6,000万円に及ぶと推定されている[9]

積極的なサメ対策としては延縄漁業においてサメ被害が報告されている鹿児島県薩南海域で電気パルスを用いたサメ撃退装置を試験操業するなどしている[10]

食材としては高級食材フカヒレの材料とされており、絶滅危惧種であるアカシュモクザメも含まれ、2011年現在、世界中で年間7,300万匹が捕獲されている[11]。2013年3月11日にはこれらの乱獲に歯止めをかけるべく、タイの首都バンコクで開かれた『野生生物の国際取引に関するワシントン条約の締約国会議』で、ヨゴレザメ、シュモクザメ(3種)、ニシネズミザメが規制対象に加えられた[12]

分類[編集]

2属9種が属する[13]。内部の系統関係についてはインドシュモクザメの位置を含めてはっきりした結果が得られていないが、ウチワシュモクザメ・ナミシュモクザメ・Sphyrna mediaSphyrna corona の4種は、小型であること、幅の狭い頭部を持つこと、類似した分布域を持つことなどの共通点があり、分子系統解析の結果からも単系統群となると考えられている[14][15]

脚注[編集]

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  1. ^ 郁文舎編輯所編 「シユモクザメ」『新百科大辞典』 郁文舎、1925年、1104頁。
  2. ^ 落合直文著・芳賀矢一改修 「しゆもくざめ」『言泉:日本大辞典』第三巻、大倉書店、1922年、2162頁。
  3. ^ 松村明編 「かせぶか」『大辞林 4.0』 三省堂、2019年。
  4. ^ McComb, D. M., T. C. Tricas, and S. M. Kajiura. (2009). “Enhanced visual fields in hammerhead sharks”. The Journal of experimental biology 212 (24): 4010-4018. doi:10.1242/jeb.032615. 
  5. ^ Chapman, DD; Shivji, MS; Louis, E; Sommer, J; Fletcher, H; Prodöhl, PA (2007-08-22). “Virgin birth in a hammerhead shark”. Biology Letters 3 (4): 425–7. doi:10.1098/rsbl.2007.0189. PMC 2390672. PMID 17519185. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2390672/. 
  6. ^ http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20100717/03.shtml [リンク切れ]
  7. ^ http://www.asahi.com/articles/ASH8G4V9BH8GULOB00D.html
  8. ^ 静岡でもサメ目撃 2海水浴場で遊泳禁止”. NHK NEWS WEB (2015年8月10日). 2015年8月13日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2015年8月14日閲覧。
  9. ^ a b サメに挑み、サメを知る。漁業被害の軽減に向けた取り組み 東京都島しょ農林水産総合センター、2015年8月14日閲覧。
  10. ^ 曳縄漁業におけるサメ被害軽減対策 (PDF)”. 南薩地域振興局 (2009年). 2015年8月14日閲覧。
  11. ^ フカヒレ目当てのサメ乱獲が激化、台湾ナショナルジオグラフィック、2011年10月31日、2015年8月14日閲覧。
  12. ^ フカヒレ乱獲歯止め、3種類のサメ規制へ ワシントン条約会議日本経済新聞、2013年3月12日、2015年8月14日閲覧。
  13. ^ 仲谷一宏 (2016). サメ―海の王者たち―改訂版. ブックマン社. pp. 232-233 
  14. ^ Lim, Douglas D., et al. (2010). “Phylogeny of hammerhead sharks (Family Sphyrnidae) inferred from mitochondrial and nuclear genes”. Molecular phylogenetics and evolution 55 (2): 572-579. 
  15. ^ Naylor, G.J.; Caira, J.N.; Jensen, K.; Rosana, K.A.; Straube, N.; Lakner, C. (2012). “Elasmobranch phylogeny: A mitochondrial estimate based on 595 species”. In Carrier, J.C.; Musick, J.A.; Heithaus, M.R., eds. The Biology of Sharks and Their Relatives (second ed.). CRC Press. pp. 31–57. ISBN 1-4398-3924-7. http://prosper.cofc.edu/~sharkevolution/pdfs/Naylor_et_al_Carrier%20Chapter%202.pdf. 
  16. ^ Quattro, Joseph M., et al. (2013). “Sphyrna gilberti sp. nov., a new hammerhead shark (Carcharhiniformes, Sphyrnidae) from the western Atlantic Ocean”. Zootaxa 3702 (2): 159-178. 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]