ザ・レジェンダリー・A&M・セッションズ

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ザ・レジェンダリー・A&M・セッションズ
キャプテン・ビーフハート・アンド・ヒズ・マジック・バンドコンピレーション・アルバム
リリース
録音 1966年1月(?)
サンセット・サウンド・レコーダーズ、ハリウッド、カリフォルニア州
ジャンル ブルース・ロック
時間
レーベル EP、A&Mレコード
CD、Edsel
プロデュース デヴィッド・ゲイツ
キャプテン・ビーフハート・アンド・ヒズ・マジック・バンド アルバム 年表
ザ・レジェンダリー・A&M・セッションズ
(12インチEP)
(1984年)
グロウ・フィンズ:レアリティーズ 1965–1982
(1999年)
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ザ・レジェンダリー・A&M・セッションズ』(The Legendary A&M Sessions)は、アメリカのロック・グループのキャプテン・ビーフハート・アンド・ヒズ・マジック・バンド[注釈 1]が1966年にA&Mレコードから発表したデビュー・シングルと2作目のシングルとを中心に編集された5曲入りの12インチEPで、1984年に発表された。

解説[編集]

経緯[編集]

ドン・ヴリートは1965年の初頭にカリフォルニア州ランカスターで、旧友でR&Bのギタリストであるアレックス・スノウフェー[注釈 2]から一緒にバンドを結成しようと誘われた。その結果、ドン・ヴリート改めドン・ヴァン・ヴリート(ボーカル)、アレックス・スノウフェー改めアレックス・セント・クレア(ギター)、ダグ・ムーン(ギター)[注釈 3][1]、ジェリー・ハンドレー(ベース・ギター)、P. G. ブレイクリー(ドラムス)が集合した。ブレイクリーは演奏技術に問題があったのでヴィック・モーテンセン[注釈 4][2]に交代させられて、ここにキャプテン・ビーフハート・アンド・ヒズ・マジック・バンドが結成された[3]。しかしモーテンセンがベトナム戦争に徴兵されたので、セント・クレアはリチャード・ヘプナー(ギター)を加入させて自分はドラムスを担当した[4]。彼らは同年4月にロサンゼルスハリウッド・パラディアムで催された第4回ハリウッド・ティーンエイジ・フェアーに出場して注目を集めて、A&Mレコードと契約を結ぶに至った[4]

彼等は翌1966年1月、ハリウッドのサンセット・サウンド・レコーダーズでプロデューサーにデヴィッド・ゲイツ[注釈 5]を迎えて、ボ・ディドリーの1956年のヒット曲'Diddy Wah Diddy'[注釈 6]を録音して、4月にデビュー・シングルとして発表。さらに同年6月には、ゲイツ作の'Moonchild'を2作目のシングルとして発表した。

内容[編集]

本作には、デビュー・シングルの'Diddy Wah Diddy'と裏面の'Who Do You Think You're Fooling?'、2作目のシングルの'Moonchild'と裏面の'Frying Pan'、未発表曲の'Here I Am I Always AM'の計5曲が収録された。裏面の2曲と'Here I Am I Always AM'はヴァン・ヴリート作である。

'Here I Am I Always AM'は'Moonchild'の裏面として録音されたが、A&Mレコードが'Frying Pan'を選んだので、未発表になっていた[5]。この曲を録音する直前にヘプナーが脱退したので、 セント・クレアはブレイクリーを再加入させて自分は再びギター担当になった[6]

収録曲[編集]

LP
The Legendary A&M Sessions (EP)
  • Side one
#タイトル作詞・作曲時間
1.「Diddy Wah Diddy」Willie Dixon, Ellas McDaniel
2.「Who Do You Think You're Fooling?」Don Van Vliet
合計時間:
The Legendary A&M Sessions (EP)
  • Side two
  • #タイトル作詞・作曲時間
    1.「Moonchild」David Gates
    2.「Frying Pan」Van Vliet
    3.「Here I Am I Always Am」Van Vliet
    合計時間:
    CD
    The Legendary A&M Sessions (CD)
    #タイトル作詞・作曲時間
    1.「Diddy Wah Diddy」Dixon, McDaniel
    2.「Who Do You Think You're Fooling?」Van Vliet
    3.「Moonchild」Gates
    4.「Frying Pan」Van Vliet
    5.「Here I Am I Always Am」Van Vliet
    合計時間:

    参加ミュージシャン[編集]

    Captain Beefheart and His Magic Band
    • Don Van Vliet – ボーカル、ハーモニカ
    • Doug Moon – ギター
    • Richard Hepner – ギター
    • Jerry Handley – ベース・ギター
    • Alex St. Clair – ドラムス (CD, #1-4)
    • P. G. Blakely – ドラムス (CD, #5)

    脚注[編集]

    出典[編集]

    1. ^ Ulrich (2018), pp. 355–367.
    2. ^ Ulrich (2018), pp. 296-305、355-367.
    3. ^ Barnes (2011), p. 17.
    4. ^ a b Barnes (2011), p. 22.
    5. ^ Barnes (2011), p. 26.
    6. ^ Barnes (2011), p. 25.

    注釈[編集]

    1. ^ 1970年にキャプテン・ビーフハート・アンド・ザ・マジック・バンドと改名。
    2. ^ アンテロープ・バレー・ハイ・スクールの卒業生でヴァン・ヴリートやフランク・ザッパの同級生。
    3. ^ 1963年にヴァン・ヴリートやフランク・ザッパと録音した音源が、ザッパの未発表音源集Mystery Disc(1998年)に収録された。
    4. ^ 1964年にヴァン・ヴリートやザッパと録音した音源が、ザッパの未発表音源集The Lost Episodes(1996年)とMystery Disc(1998年)に収録された。
    5. ^ 1970年代にソフト・ロック・バンドとして名を馳せたブレッドのリーダーである。
    6. ^ Willie DixonとEllas McDanielの共作で1956年に録音された。Ellas McDanielとはディドリーの本名である。

    参考文献[編集]

    • Barnes, Mike (2011), Captain Beefheart: The Biography, Omnibus Press, ISBN 978-1-78038-076-6 
    • Ulrich, Charles (2018), The Big Note: A Guide To The Recordings Of Frank Zappa, New Star, ISBN 978-1-55420-146-4 

    関連項目[編集]