サモア沖地震 (2009年)
| 2009年サモア沖地震 | |
|---|---|
 震源の位置（USGS） | |
| 本震 | |
| 発生日 | 2009年9月29日 |
| 発生時刻 |
17時48分10秒（UTC） 6時48分10秒（サモア時間） 2時48分10秒（JST） |
| 震央 |
 サモア 首都アピアの南沖190km南緯15度30分32.4秒 西経172度2分2.5秒(南緯15度29分20秒 西経172度05分42秒 / 南緯15.489度 西経172.095度) |
| 震源の深さ | 18 km |
| 規模 | モーメントマグニチュード(Mw)8.1 |
| 最大震度 | 改正メルカリ震度V: アピア |
| 津波 | アメリカ領サモアでは4.5mから6mの津波が4回到達 |
| 地震の種類 | これから沈み込むプレート内地震 |
| 余震 | |
| 回数 | M5以上：80回以上 |
| 最大余震 | 10月02日1時7分(UTC)、M6.1 |
| 被害 | |
| 死傷者数 | 死者192人 |
| 被害地域 |
サモア アメリカ領サモア トンガ クック諸島 フィジー フランス領ポリネシア ニュージーランド |
|
出典: 特に注記がない場合はUSGSによる。 | |
| プロジェクト:地球科学 プロジェクト:災害 | |
2009年サモア沖地震（2009ねんサモアおきじしん）は、2009年9月29日にサモア諸島で発生した地震である[1][2][3][4]。発生時刻はサモア時間午前6時48分（日本時間午前2時48分）、震源地はサモアの首都アピアの南沖190km、震源の深さ18km、モーメントマグニチュード(Mw)8.1[5][6][7]。
概要
[編集]太平洋プレートとインド・オーストラリアプレートの境界付近は世界で最も地震活動が活発な地域の一つであるが、今回の地震はこれらのプレート境界であるトンガ海溝の北端で発生したものである。USGSは、太平洋プレート側に断層が生じて地震が発生した海洋プレート内地震、いわゆるアウターライズ地震と推測している[8]。その後、この地震の前後どちらかにプレート境界の地震が発生していたとの推測がなされている[9]。この地震の震源の南側では1995年4月7日にM8.0、2006年5月3日にM8.0、2009年3月19日にM7.7の地震が発生している。
被害状況
[編集]太平洋津波警報センターは午前3時4分以降、断続的に津波情報を発表した。地震発生後、ウポル島南部の村は津波により壊滅しアメリカ領サモアでは4.5mから6mの津波が4回到達した[10][11]。アメリカ領サモアのパゴパゴでは314cm、サモアの首都アピアでは140cmの津波を観測した[12]。被災地であるサモアと米領サモアおよびトンガでの死者の合計が192人に達し[13]、70の村落が壊滅し余震が10回以上にのぼり、数万人が家屋を失ったと伝えた[14][15][16]。
また、オセアニア、アジア、北中米、南米の各地で津波を観測した[17]。日本では、太平洋側全域で津波注意報が出され、岩手県の久慈市では36cmの津波を観測している（＝この地震で発生した津波を日本で観測した最大値）[18][19][20]。
各国の対応
[編集]地震発生後、アメリカのオバマ大統領(当時)はFEMAから緊急派遣チームの派遣を決定した[21][22]。
日本政府は9月30日午前に、首相官邸危機管理センター内に情報連絡室を設け、鳩山由紀夫首相(当時)は何らかの対策を講じるとした[23]。
オーストラリア政府はサモアに200万豪ドルの緊急支援を決定し、医師や援助当局者などの支援チームを派遣した。一方のニュージーランド政府も空軍の哨戒機を飛行させ被害状況の確認をしている[16]。
脚注
[編集]- ^ “南太平洋サモアでM8.0の強い地震、少なくとも28人が死亡か”. AFP🔵BB News (2009年9月30日). 2025年9月29日閲覧。
- ^ 「サモア沖でM8･0の地震、死者100人」『読売新聞』読売新聞社、2009年9月30日。オリジナルの2009年10月2日時点におけるアーカイブ。2025年4月26日閲覧。
- ^ 「サモア諸島近海でM8.3、津波1.6メートル観測」『朝日新聞』朝日新聞社、2009年9月30日。オリジナルの2009年10月2日時点におけるアーカイブ。2025年4月26日閲覧。
- ^ 「サモア沖でM8.0の地震、死者多数 八丈島で潮位の変化」『日本経済新聞』日本経済新聞社、2009年9月30日。オリジナルの2009年10月3日時点におけるアーカイブ。2025年4月28日閲覧。
- ^ “M 8.1 - Samoa Islands region”. アメリカ地質調査所. 2017年12月4日閲覧。
- ^ USGS速報ではモーメントマグニチュード8.0
- ^ 気象庁はモーメントマグニチュード7.9
- ^ アメリカ地質調査所：Poster of the Samoa Islands Region Earthquake of 29 September 2009 - Magnitude 8.0
- ^ 2009年サモア地震の新説についての解説
- ^ “地震による津波で100人死亡か 南太平洋M8.0、村は壊滅状態”. 47NEWS. 共同通信 (全国新聞ネット). (2009年9月29日)
- ^ 「建物なぎ倒され人の姿なし、津波のサモア」『読売新聞』読売新聞社、2009年10月2日。オリジナルの2009年10月5日時点におけるアーカイブ。2025年4月28日閲覧。
- ^ アメリカ地質調査所：Magnitude 8.1 - SAMOA ISLANDS REGION #Summary
- ^ “2009年9月サモア諸島沖地震津波による米領サモア災害調査報告”. DRI 調査レポート No.26、2009. ひょうご震災記念２１世紀研究機構 未来センター. 2025年9月29日閲覧。
- ^ 『ぼうさい 平成21年11月号 （第54号）』内閣府、2009年11月30日、14頁。
- ^ 「サモア地震、死者100人超す 全容まだつかめず」『朝日新聞』朝日新聞社、2009年9月30日。オリジナルの2009年10月2日時点におけるアーカイブ。2025年4月26日閲覧。
- ^ a b 「サモア地震死者140人に、70村が壊滅」『読売新聞』読売新聞社、2009年10月1日。オリジナルの2009年10月1日時点におけるアーカイブ。2025年4月26日閲覧。
- ^ West Coast/Alaska Tsunami Warning Center, NOAA/NWS Samoa Islands Region Tsunami of 29 September 2009
- ^ “9月の地震活動及び火山活動” (PDF). 気象庁 (2009年10月7日). 2009年10月7日閲覧。
- ^ 「南太平洋でM8.0の地震、死者多数 気象庁が津波注意報」『日本経済新聞』日本経済新聞社、2009年9月30日。オリジナルの2009年10月3日時点におけるアーカイブ。2025年4月28日閲覧。
- ^ 「サモア地震、日本で津波観測 被害報告なし、気象庁は注意報解除」『日本経済新聞』日本経済新聞社、2009年9月30日。オリジナルの2009年10月3日時点におけるアーカイブ。2025年4月28日閲覧。
- ^ 「サモアM8.0地震、死者100人超 米大統領「重大な災害」」『日本経済新聞』日本経済新聞社、2009年9月30日。オリジナルの2009年10月3日時点におけるアーカイブ。2009年9月30日閲覧。
- ^ 「サモア地震、死者100人超す 病院にけが人殺到」『朝日新聞』朝日新聞社、2009年10月1日。オリジナルの2009年10月1日時点におけるアーカイブ。2025年4月28日閲覧。
- ^ 「サモア地震：首相官邸に情報連絡室を設置」『毎日新聞』毎日新聞社、2009年9月30日。オリジナルの2009年10月1日時点におけるアーカイブ。2009年9月30日閲覧。
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