コネマラ国立公園

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コネマラ国立公園
Connemara National Park
ダイアモンドヒル(Diamond Hill
地域 アイルランドの旗 アイルランド、レターフラック
Letterfrack
面積 2,000ヘクタール (20 km2)[1]
認可日 1980年
運営組織 国立公園・野生生物管理局(Natural Parks and Wildlife Service

コネマラ国立公園(コネマラこくりつこうえん : Páirc Naisiúnta Chonamara, : Connemara National Park)はアイルランド6つの国立公園のひとつで西部のゴールウェイ州にある。管理者はメディア・観光・芸術・文化・スポーツ・アイルランド語地域省配下にある。

歴史[編集]

カイルモア修道院。アイルランドで最もロマンティックと言われる建物で、ロンドンの富豪ミッチェル・ヘンリーが1868年にマナーハウスとして建設し、1920年にベネディクト派の女子修道院となった[2]

コネマラ国立公園の一般開放は設立の1980年に始まり、2,000ヘクタール (20 km2)の指定地内に山や沼地、ヒースや草原、森林が広がる。入り口はレターフラック英語版クリフデン英語版寄りに設けてある。公園内には人が暮らした跡がたくさん残っていて、4000年前の巨石の墓から19世紀の墓地まである。公園用地の多くはかつてカイルモア修道院英語版の所領であった。

ダイヤモンドヒルからの眺め

最もこの公園らしい植生は、西部のブランケット沼とヒースに見られる。一般に沼地とは湿った低地の環境で、ブランケット沼は山の空気が乾燥した場所に分布する。紫のムーグラス moor grass が最も繁茂し、一帯の風景に彩りを添える。食虫植物は公園の生態系で重要な役割を果たし、モウセンゴケムシトリスミレのなかまが見られる。沼地は栄養がほとんどないため、エネルギー源として昆虫を消化する植物は多い。よく観察される植物にはほかにシオガマギクのなかま、ワタスゲのなかま(Eriophorum angustifolium)、ヒメハギの仲間、キンコウカの仲間(Narthecium ossifragum)、ラン、 セイヨウヤチヤナギに加え、さまざまな地衣類コケがふくまれる。

動物相[編集]

鳥の種類が多いことはよく知られ、一般的な歌鳥にはマキバタヒバリ、ヒバリ(Alauda)、ヨーロッパノビタキ(European stonechats)、ズアオアトリヨーロッパコマドリミソサザイの仲間を観察できる。猛禽類はチョウゲンボウハイタカが暮らし、まれに見かける種にコチョウゲンボウハヤブサがある。冬越しをするためコネマラに現れる生き物はヤマシギの仲間(Woodcock)やタシギホシムクドリウタツグミヤドリギツグミワキアカツグミノハラツグミ野生のヤギである。

生息している哺乳類は見つけにくいものの、フィールドマウス fieldmice は森林のどこでも暮らし、ウサギやキツネ、オコジョ、トガリネズミ、コウモリは夜の沼地でよく出会う。かつてこの一帯を歩き回ったアカシカは、およそ150年前にこの地域では一度、絶滅している。再導入の試みにより群れが定着した[3]。現在、公園でもっとも大型の哺乳類はコネマラ・ポニー(Connemara pony)である[4]

脚注・出典[編集]

  1. ^ 公式サイト
  2. ^ カイルモア修道院コトバンク
  3. ^ 国立公園・野生生物管理局「コネマラ国立公園(英語)、2006年12月31日閲覧。
  4. ^ Connemara National Park” (英語). 2012年5月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年7月16日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]