コンテンツにスキップ

コチニールカイガラムシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
コチニールカイガラムシ
成虫のメス(左)とオス(右)
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
亜綱 : 有翅昆虫亜綱 Pterygota
: カメムシ目(半翅目) Hemiptera
亜目 : ヨコバイ亜目(同翅亜目) Homoptera
上科 : カイガラムシ上科 Coccoidea
: コチニールカイガラムシ科 Dactylopiidae
: コチニールカイガラムシ属 Dactylopius
: コチニールカイガラムシ D. coccus
学名
Dactylopius coccus
Costa, 1835
シノニム

Coccus cacti Linnaeus, 1758 Pseudococcus cacti Burmeister, 1839

和名
コチニールカイガラムシ
英名
Cochineal

コチニールカイガラムシ(英:Cochineal、学名:Dactylopius coccus Costa)は、コチニールカイガラムシ科のカイガラムシの一種。アメリカ大陸原産で[1]、特にメキシコ原産とされる[2]。別名、エンジムシ(臙脂虫)[1]

特徴

[編集]

メスの成虫の体長は3ミリメートルほど。オスはその約半分。

メスは無翅で褐色の貝殻状をしており、ウチワサボテン属サボテン寄生して枝に固着している[1][3][4]。一方、オスには翅があり敏捷に動く[5]

なお、一部の文献で同じ「エンジムシ(臙脂虫)」の名でコチニールカイガラムシとラックカイガラムシ(東南アジア原産)を混同していると指摘されており区別が必要とされる[4]

利用

[編集]

染料として利用するのはメスである[3]。古くはマヤアステカインカ帝国などで養殖され、染色用の染料に使われてきた[6]。野生のサボテンに寄生しているものを(ほうき)、刷毛(はけ)、ブラシなどで布の上に落として収集していたが、乾期と雨期がある地方では雨期に収穫量が減少するため人工飼育されるようになった[3]

虫体に含まれる色素成分の含有量が多いため、今日色素利用されるカイガラムシの中ではもっともよく利用され、メキシコペルー、南スペインカナリア諸島などで養殖され、染色用色素や食品着色料、化粧品などに用いられている。また17〜18世紀には人気の医薬品(ダフィーのエリクサー)にも用いられた。

脚注

[編集]

出典

[編集]
  1. 1 2 3 竹田 2021, p. 20.
  2. 角山 1990, p. A83.
  3. 1 2 3 角山 1990, p. A83, 1.はじめに.
  4. 1 2 沓名 & 沓名 2018, p. 30, 3・3 紫鉱(ラック)の登場.
  5. 角山 1990, p. A84, 2.紫金丱(しこう)とコチニール(注:金丱は金偏の1字).
  6. 角山 1990, p. A86, 3.新大陸におけるコチニールの飼養.

参考文献

[編集]
  • 角山幸洋「コチニールの飼養」(PDF)『関西大学東西学術研究所紀要』第23巻、関西大学東西学術研究所、1990年3月31日、A83-A140、hdl:10112/15996 
  • 沓名弘美、沓名貴彦「臙脂の再現にむけて」(PDF)『オレオサイエンス』第18巻第10号、日本油化学会、2018年、507-513頁、doi:10.5650/oleoscience.18.507 
  • 竹田晋也「熱帯アジアモンスーン林でのラック作りとその利用」(PDF)『FAB(同大学紀要)』第1巻、国際ファッション専門職大学、2021年3月31日、20-32頁、doi:10.50820/00000050、NII:1747/00000050 

外部リンク

[編集]