ゲオルギー・グレーヴィッチ
ゲオルギー・ヨーシフォヴィッチ・グレーヴィッチ(露:Георгий Иосифович Гуревич;ラテン翻字例:Georgi Iosifovich Gurevich、1917年4月24日/旧暦4月11日 - 1998年12月18日)はソヴィエト連邦(ロシア)のSF作家・批評家・研究家、科学啓蒙家。姓のカナ表記はグレーウィッチなどとも。
人物
[編集]モスクワで建築家の息子として生まれ、自身も建築学を学ぶ。1939年に赤軍へ入隊。第二次大戦(独ソ戦)には騎兵・工兵として従軍し、勲章も得ている。1945年11月に除隊。1946年にモスクワの大学を卒業し、建築技師となる。最初の中編小説«Человек-ракета»(ロケット乗り)は、1946年、「知識は力」誌に発表された。初期にはスポーツ小説も書いたが後にSFに専念するようになった。1987年にエフレーモフ賞を受賞。科学教育の分野にも力を入れ、«Детской энциклопедии»(こども百科事典)の初版刊行に関与したほか、複数の通俗科学書の執筆を手がけた。SF評論家としては1967年の«Карта Страны Фантазии»(ファンタジーの国の地図)で知られる。1998年、モスクワで没。
作品と作風
[編集]代表的な小説作品としては«Иней на пальмах (1954)»(棕櫚の霧氷)、«Пленники астероида (1962)»(アステロイドにとらわれて)などが挙げられるが、いずれも未訳である。日本語訳のある作品は短編・中編小説を中心とした数作に留まる。例えば、大掛かりな惑星開発の物語«Первый День Тврения»「創造の第一日」[1]、宇宙探検に命をかける飛行士たちの姿を描いた«Инфра Дракона»「竜座の暗黒星」[2]などである。ソ連文学研究家の飯田規和はグレーヴィッチの作風について「技術者らしい発想と叙情性がグレーヴィッチの本領である。」[3]との評を述べている。
脚注
[編集]- ^ 所収:飯田規和編『世界SF全集33 - 世界のSF(短編集)ソ連東欧編』(早川書房、1971年)
- ^ 所収:『竜座の暗黒星 - 現代ソビエトSF短編集2』(ハヤカワ・SF・シリーズ、1966年)。なお児童向け版としては岩崎書店の『宇宙パイロット』(改題新装版『栄光の宇宙パイロット』)がある
- ^ 『世界SF全集33』巻末解説(585ページ)より引用
外部リンク
[編集]- 翻訳作品集成>ゲオルギー・グレーヴィッチ(Georgij Gurevic) - 日本語訳された作品の書誌情報