コンテンツにスキップ

カルシウムチャネル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

カルシウムチャネルは、カルシウムイオンを選択的に透過するイオンチャネルである。カルシウムチャネルには、イオンチャネル内蔵型受容体[1]も含まれるが、単に電位依存性のカルシウムチャネルを指して使われることがある。[1]

カルシウムチャネルの種類

[編集]

以下に、各種の電位依存性カルシウムチャネルとイオンチャネル内蔵型受容体に対する、チャネル分子、遺伝子、発現部位、機能などの表を示す。

電位依存性カルシウムチャネル(Voltage-dependent calcium channel、VDCC)

[編集]
チャネルタイプ 活性化
閾値電位
α1
サブユニット
遺伝子 関連
サブユニット
発現部位 機能
VDCCL
Long-Lasting, DHP Receptor
高電位 Cav1.1
Cav1.2
Cav1.3
Cav1.4
CACNA1S
CACNA1C
CACNA1D
CACNA1F
α2δ, β, γ 骨格筋骨芽細胞心筋皮質ニューロンなどの樹状突起 平滑筋心筋の収縮 [2]心筋細胞における長い活動電位の形成。
VDCCP/VDCCQ
Purkinje
高電位 Cav2.1 CACNA1A α2δ, β, possibly γ 小脳のプルキンエ細胞 / 小脳顆粒細胞 神経伝達物質の放出[2]
VDCCN
Neural / Non-L
高電位 Cav2.2 CACNA1B α2δ/β1, β3, β4, possibly γ 全体 神経伝達物質の放出 [2]
VDCCR
Residual
中間電位 Cav2.3 CACNA1E α2δ, β, possibly γ 小脳顆粒細胞、他のニューロン ?[2]
VDCCT
Transient
低電位 Cav3.1
Cav3.2
Cav3.3
CACNA1G
CACNA1H
CACNA1I
神経、洞房結節、骨芽細胞 規則的な洞調律[2]

イオンチャネル内蔵型受容体

[編集]
チャネルタイプ アゴニスト 遺伝子 発現部位 機能
IP3受容体 IP3(イノシトールトリスリン酸) 小胞体(ER)/筋小胞体(SR) Gタンパク質共役受容体(GPCR)の活性化の結果生じたIP3によるER/SRからのカルシウム放出 [2]
リアノジン受容体 T管に存在するジヒドロピリジン受容体の放出するカルシウムイオン ER/SR 心筋細胞におけるCICR(Calcium-Induced Calcium Release) [2]
Two-pore channel
精子に発現する陽イオンチャネル
容量依存性カルシウムチャネル ER/SRのカルシウムの枯渇による間接作用[2] 細胞膜(外膜)

薬理学

[編集]

カルシウム拮抗剤は、主に高血圧狭心症などに用いられる。

参考文献

[編集]
  1. ^ Striggow F, Ehrlich BE (August 1996). “Ligand-gated calcium channels inside and out”. Curr. Opin. Cell Biol. 8 (4): 490--5. PMID 8791458. http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0955-0674(96)80025-1. 
  2. ^ a b c d e f g h Rang, H. P. (2003). Pharmacology. Edinburgh: Churchill Livingstone. ISBN 0-443-07145-4  Page 53
  3. ^ Walter F., PhD. Boron. Medical Physiology: A Cellular And Molecular Approaoch. Elsevier/Saunders. ISBN 1-4160-2328-3  Page 479

外部リンク

[編集]