カトマンズの渓谷

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世界遺産 カトマンズ盆地
ネパール
ダルバール広場
ダルバール広場
英名 Kathmandu Valley
仏名 Vallée de Kathmandu
面積 188.95 ha
(緩衝地域 239.34 ha)
登録区分 文化遺産
登録基準 (3),(4),(6)
登録年 1979年
拡張年 2006年
備考 過去に危機遺産(2003年 - 2007年)
公式サイト 世界遺産センター(英語)
地図
カトマンズの渓谷の位置
使用方法表示
地図
スワヤンブナート
クマリの館

カトマンズの渓谷(カトマンズのけいこく、Kathmandu Valley)は、ネパールの首都カトマンズのある盆地一帯のこと。ユネスコ世界遺産に登録されている。通常はカトマンズ盆地ネパール語:काठमाडौं उपत्यका)と呼ばれる。周囲を標高の高い年中雪を抱くヒマラヤの山々に囲まれ緑深く、世界的にも貴重な歴史のあるカトマンズ、パタンバクタプルという3つの芸術、文化性の高い都市を抱く[1]

地理[編集]

標高は、約1,300m。緯度は沖縄と同程度である。典型的なモンスーン気候。盆地内には、ガンジス川の支流であるバグマティ川などの川が流れ、耕作に適した大地が広がっている。チベットインドを結ぶ交易の中継点でもある。 カトマンズ盆地は、数千年前までは湖だったと考えられている。湖だったことは、この地の神話にも登場する。また、地層から淡水魚化石が発掘されている。

首都のカトマンズ市、ラリトプル市(パタン)、バクタプル市が行政区として存在している。 1979年ユネスコ世界遺産文化遺産)として登録。ただし、ネパール政府は、カトマンズ周囲の景観とともに複合遺産として申請していた。また、急激な都市化により2003年~2007年の間危機遺産の指定も受けていた。

なお、"valley" には「渓谷」「」のほかに「盆地」「流域」の意味があり、カトマンズは後者にあてはまる。一般に「カトマンズの渓谷」「カトマンズの谷」と紹介されているが、これは誤訳に近い。

地形と地震[編集]

約8000年前までは湖だったことから、地盤がきわめて脆弱で、盆地全域に平均数百mの厚さの湖や河川堆積物が広がる。その上カトマンズ市内のボーリング結果では上部20mは特に柔らかい。

1833年のM7.9、1934年のビハール・ネパール地震(M8.1)、1988年の東ネパール地震M6.6など、ネパールでは1253年以来少なくとも16回の大きな地震が発生した。1997年までの100年間の記録の統計によれば、ほぼ12年に1回の大規模・巨大地震が起こった。1934年の地震の震央はカトマンズの東170kmで、盆地の建物の内約19%が倒壊し、40%が被害を受けた。

1255年7月7日の「大ヒマラヤ地震」では、カトマンズを壊滅させ、カトマンズ渓谷の人口の1/3が死亡し、国王が死亡した。
1833年、M7.9
1934年1月15日 ビハール・ネパール地震 Mw8.1 死者8519人
1988年8月21日 ネパール東部 M6.6 ネパールでの死者721人
2015年4月25日 ネパール中央部 Mw7.8 死者2600人以上

ヒマラヤは、ユーラシア・プレートにインド・オーストラリア・プレートが衝突することによって作られており、現在も造山運動中であるため東西に延びる巨大活断層帯が存在し、数百年おきに巨大地震を起こしている。そのうえ、南北に延びる数カ所の大きな断層帯が存在する。さらにヒマラヤ自体が自重を支えきれず常に崩壊しており、推定で2200 - 1800万年前に北方へテチス堆積物の地層がすべりおちた[2]

心配されているのは、カトマンズ周辺とその西部に広がる「中部ヒマラヤ地震ギャップ」(空白地帯)である。 カトマンズ盆地地震危機対策プロジェクトの被害予測(1999年)では、死傷者14万人、ホームレス60万人という[3]

豊かな田園地帯の中心地域、観光の中心であるカトマンズ盆地に人が集まる。ネパールの他の地方は寒冷な山岳地帯であるため、教育・産業などがきわめて遅れており、人口がさらに集中し、貧しさによりスラム化した地域に伝統的工法により作られた脆弱な建物と、無いも同然のインフラの中で暮らしている。そのため地震被害に対してきわめて弱い。

歴史[編集]

マッラ朝の統治時代の15世紀、カトマンズ、パタン、バクタブルにそれぞれ王子を配置。各都市は競って宮殿や寺院を建立。このころネワール様式の建築が花開いたといわれている。

主な宮殿・寺院・史跡[編集]

登録基準[編集]

この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。

  • (3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
  • (4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
  • (6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。

危機対策[編集]

カトマンズの渓谷は2003年から2007年まで危機遺産に指定されていたこともあり、長らくユネスコは保存状態の定期的な管理を続け[4]、2010年に世界遺産のための災害リスクの管理」[5]を立ち上げたことで、2013年には国際シンポジウム「カトマンズ再考、生活都市遺産」[6]を開催。2015年(平成27年)3月14~18日に仙台で開催された国連防災世界会議に伴う専門家会合の一環「文化財と防災」シンポジウム[7]でも、地震多発地帯の一つとしてカトマンズの名が上げられていた[要出典]ネパール地震 (2015年)の発生をうけユネスコは緊急声明を発し[8]、6月28日から7月8日に開催される第39回世界遺産委員会で緊急動議が図られることになった。

日本では文化遺産国際協力コンソーシアムによるパタン宮殿の修復が2005年に行われている[9]

脚注[編集]

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注釈
出典

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

座標: 北緯27度42分14秒 東経85度18分32秒 / 北緯27.704度 東経85.309度 / 27.704; 85.309