オオヨロイトカゲ

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オオヨロイトカゲ
オオヨロイトカゲ
オオヨロイトカゲ Smaug giganteus
保全状況評価[1][2][3]
VULNERABLE
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 VU.svgワシントン条約附属書II
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: 有鱗目 Squamata
: ヨロイトカゲ科 Cordylidae
: Smaug
: オオヨロイトカゲ S. giganteus
学名
Smaug giganteus (Smith, 1844)[3][4]
シノニム

Cordylus giganteus Smith, 1844
Zonurus derbianus Gray, 1845
Zonurus giganteus Boulenger, 1885

和名
オオヨロイトカゲ[5][6][7]
英名
Giant girded lizard[4][7]
Sungazer[4][7]

オオヨロイトカゲSmaug giganteus)は、爬虫綱有鱗目ヨロイトカゲ科Smaug属に分類されるトカゲ。Smaug属の模式種[8]

分布[編集]

南アフリカ共和国北東部[7]

形態[編集]

最大全長40センチメートル[6]。頭胴長15 - 20.5センチメートルとヨロイトカゲ科最大種(カタトカゲ科をヨロイトカゲ科の亜科とした場合を除く)[7]。種小名giganteusは「巨大な」の意。左右の鼻孔が開口する鱗(鼻板)は接せず、吻端を覆う鱗(吻端鱗)と額鼻板は接する[7]。後頭部には刺状突起がある大型鱗が4枚並ぶ[7]。胴体背面は筋状の盛り上がり(キール)のある大型の棘状鱗(縦22 - 25列、横10 - 12列)で覆われる[6][7]。大腿部に小さい孔の空いた鱗(大腿孔)が20 - 24枚並ぶ[6][7]。尾は刺状突起がある大型鱗が環状に並ぶ[7]。背面の体色は黄色や暗褐色で、不明瞭な暗色斑が入る個体もいる[7]。頭部や体側面、腹面の体色は黄色で、胸部に不明瞭な暗色斑が入る個体もいる[7]

出産直後の幼体は全長11.5 - 15センチメートル[7]。幼体は背面に不規則な赤褐色の横縞、尾には黄色や黒の横縞や赤や橙色の斑点が入る[7]

分類[編集]

2011年にヨロイトカゲ科の核DNAとミトコンドリアDNAの分子系統推定から、旧ヨロイトカゲ属Cordylusがニセヨロイトカゲ属Pseudocordylusやヘビトカゲ属Chamaesauraを含まない偽系統群という解析結果が得られた[8]。そのため旧ヨロイトカゲ属を6属に細分化し、本種を模式種とした新属Smaugホビットの冒険に登場するスマウグに由来する)に分類する説が提唱された[8]

生態[編集]

平坦もしくは傾斜の緩やかな草原に生息する[7]日光浴を非常に好み太陽へ向かい四肢を広げて頸部を反りあげる姿勢をとり、この姿勢が英名(Sungazer=太陽を見つめるもの)の由来となっている[5][6][7]。長さ1.5 - 2メートル、深さ0.4メートルに達する深い横穴を掘って生活する[7]。危険を感じると、巣穴へ逃げ込む[6][7]。冬季は巣穴の中でじっとして過ごす[7]

甲虫類やバッタ類・シロアリ類などの昆虫クモ多足類、小型のトカゲ類などを食べる[7]。飼育下ではマウスの幼獣を食べた例もある[7]

繁殖様式は胎生。1 - 2頭の幼体を産み[7]、出産期は夏季から秋季にかけて[6]。出産間隔は隔年[7]

人間との関係[編集]

トウモロコシやヒマワリ用の農地開発や石炭採掘による生息地の破壊、ペット用の採集などにより生息数が減少している[3]。1982年にヨロイトカゲ属単位(2017年からはSmaug属単位として)でワシントン条約附属書IIに掲載されている[2]

ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。飼育下繁殖個体が流通するが、流通はまれで価格も高価[5]テラリウムで飼育される。大型種であることに加え、狭い場所だとストレスから拒食することもあるためできれば飼育にあたっては大型のケージを用意する[5]。地面に深い巣穴を掘って生活するためできればケージ内には黒土などの床材を深く敷くか、隠れ家を用意する[5]。日光浴を好むため小型の保温用の電球などをケージの中へ照射し、ケージ内の一部だけ他の部分より高温になる場所を作る[5]。紫外線照射量の多い爬虫類用に市販されているフルスペクトルライトやメタルハライドランプなどの照明器具でケージ内を照射する[5]。倒されない水容器を設置するか、朝や照明の点灯時にケージの壁面に霧吹きを使い給水する[5]。餌として爬虫類用のカルシウム剤を添付したコオロギやジャイアントミルワームなどを与える[5]

参考文献[編集]

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  1. ^ Appendices I, II and III<https://cites.org/eng>(Accessed 22/12/2017)
  2. ^ a b UNEP (2017). Smaug giganteus. The Species+ Website. Nairobi, Kenya. Compiled by UNEP-WCMC, Cambridge, UK. Available at: www.speciesplus.net. (Accessed 22/12/2017)
  3. ^ a b c Mouton, P.L.F.N. 2017. Smaug giganteus. The IUCN Red List of Threatened Species 2017: e.T5336A110315393. http://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2017-1.RLTS.T5336A110315393.en. Downloaded on 22 December 2017.
  4. ^ a b c Smaug giganteus. Uetz, P. & Jirí Hošek (eds.), The Reptile Database, http://www.reptile-database.org, accessed 15 Oct 2017.
  5. ^ a b c d e f g h i 海老沼剛 「オオヨロイトカゲ」『爬虫・両生類ビジュアルガイド トカゲ2 ヤモリ上科&スキンク上科』、誠文堂新光社2004年、104、123-124頁。
  6. ^ a b c d e f g 越河暁洋 「オオヨロイトカゲ」『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』千石正一監修 長坂拓也編著、ピーシーズ、2002年、55頁。
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w 太田英利 「オオヨロイトカゲ」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ6 アフリカ』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社2000年、116、224頁。
  8. ^ a b c Edward L. Stanley, Aaron M. Bauer, Todd R. Jackman, William R. Branch, P. Le Fras N. Mouton, "Between a rock and a hard polytomy: rapid radiation in the rupicolous girdled lizard (Squamata: Cordylidae)," Molecular Phylogenetics and Evolution, Volume 58, 2011, Pages 53-70.

関連項目[編集]