ウクライナ21

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ウクライナ21(うくらいなにじゅういち、英語: Dnepropetrovsk maniacs)は、ウクライナドニプロペトロウシク州に住む若者らが男性を拷問の末に殺害する顛末を録画したホームビデオの通称である。通称の「21」は、この若者らによって殺害された被害者の人数が21人であるのが由来とされる[1]

このビデオは、犯人たちが殺害映像を販売する予定であったとの証言もあることから、「有史初のスナッフ・フィルムである[2]」とされる。

概要[編集]

ウクライナドニプロペトロウシクに住む19歳の若者2人が、2007年6月から7月にかけてのわずか1ヶ月程度の間に快楽目的で21人を殺害した。この常軌を逸した連続殺人事件は「ドニプロペトロウシク・マニアックス」(Dnepropetrovsk maniacs)と国際的に呼ばれており、これは海外メディアが本事件を「ドニプロペトロウシクの狂人たち」と報道したのが由来となっている。

犯人らは殺人行為をビデオに録画していたが、2008年末頃に容疑者のパソコンの中にあった幾つかの殺人映像が収められたビデオが流出した。そのうち完全な状態で流出したものが「ウクライナ21」である。流出の時点で犯人らは逮捕・拘禁されており[1]、流出の原因は本人達の手によるものではないと考えられている。

裁判[編集]

被害者はいずれも女性や子供、老人やホームレスなどのように、犯人たちが自分より格下だと判断した人たちであった。犯行内容は、すれ違いざまに鈍器鉄パイプで頭部を殴打し、アイスピックを目玉や内臓に突き刺し、体を生きたまま損壊するという極めて悪質かつ残忍なものであり、2007年7月23日に3人の若者が逮捕された。

2008年末になって、快楽殺人を映した動画が動画共有サイト等に流出したことにより、この事件の残虐性を再び世界中に知らしめることとなった。3人のうち主犯格である1人は犯行を一度は自白したものの、再び供述を覆して犯行を否認しているために、裁判は2年間の長期に渡った。

一審は2009年2月11日に終結し、ドニプロペトロウシク地方裁判所は、主犯格の2人(片方は実行犯、もう片方は撮影係)にはそれぞれ21人と18人の殺人及び、15件の強盗に直接関与したとして終身刑を言い渡し[3] 、残る1人は血液恐怖症を患っていたため殺人には関与しなかったものの、強盗罪が適用され懲役9年の判決が下った[4][5]

終身刑を宣告された2人は、その後ウクライナ最高裁判所に量刑を不服として上告したものの、ウクライナ最高裁は判決のドニプロペトロウシク地裁への差戻しを行い、同地裁が一審の量刑を変更しなかった事から、同年11月24日に量刑が確定し、同事件の全ての裁判は終結した[6]

ドニプロペトロウシクの判事は少年達の事件の動機について「病的なまでの自己肯定心の発露」であると評し[7]、 当時の世論調査ではドニプロペトロウシク市民の50.3%が量刑が公正である、48.6%は量刑がより重いはずであっただろうと回答した[8]。ウクライナは2000年2月死刑制度が廃止されている国であるが、2011年4月の世論調査ではウクライナ国民の60%が本事件のような極めて凶悪な連続殺人に対しては死刑を適用すべきであると回答したという[9]

脚注[編集]

関連項目[編集]