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ウィッカン (キャラクター)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ウィッカンWiccan)、またはウィリアム・"ビリー"・カプラン=アルトマンWilliam "Billy" Kaplan-Altman)は[1]マーベル・コミックが発行するアメリカン・コミックスに登場する架空のスーパーヒーロー。2005年4月にアラン・ハインバーグジム・チャンによって創造され、『ヤング・アベンジャーズ』第1号で初登場した[2]

Wiccan
出版の情報
出版者マーベル・コミック
初登場
  • ウィリアム・マキシモフとして:
  • The Vision and the Scarlet Witch』第12号(1986年9月)
  • アスガーディアンとして:
  • Young Avengers』第1号(2005年4月)
  • ビリー・カプランとして:
  • 『Young Avengers』第3号(2005年4月)
  • ウィッカンとして:
  • 『Young Avengers』第6号(2005年6月)
クリエイター
作中の情報
本名ウィリアム・"ビリー"・カプラン=アルトマン[1]
種族ミュータント
出身地ニューヨーク
所属チーム
パートナーハルクリング(夫)[3]
スピード (双子の兄弟)
著名な別名
  • ビリー・マキシモフ
  • アスガーディアン
  • デミウルゴス
能力
  • カオス・マジックなどの魔術
  • 飛行
  • ワープ
  • サイオニック能力(テレキネシステレパシー、メンタル・コントロール、幽体離脱、予知能力)
  • エレメント操作(クライオキネシス、フォトキネシス、エレクトロキネシスを含む)
  • フォースフィールド発生
  • テレポーテーション
  • ヒーリング

このキャラクターの外見は、ソーや、彼の母親であるワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチに倣ってあり、母と同様にウィッカンも強力な魔法の数々を有している。

“ヤング・アベンジャーズ”にスカウトされたウィッカンのストーリーには、彼と仲間のティーン・ヒーロートーマス・シェパード/スピードが実は長い間行方不明だった双子の兄弟であり、ビリー/ウィッカンはマキシモフと彼女の夫ヴィジョンの息子、ウィリアム・マキシモフの生まれ変わりという事実が発覚すると共に、彼ら兄弟の元の母親探し、力の習得、後の夫となるハルクリング皇帝との継続的な関係などが描写された。

ヤング・アベンジャーズの正式なメンバーとして活躍する傍ら、ウィッカンは“Avengers Idea Mechanics”、“ストライクフォース”、“ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー”、“アベンジャーズ”のメンバーとしても活躍している。マーベル・コミックでは著名なゲイとして知られる。

発行履歴[編集]

キャラクター経歴[編集]

その他のバージョン[編集]

MCU版[編集]

マーベル・シネマティック・ユニバース』(MCU)では、主にジュリアン・ヒルヤードがビリー・マキシモフBilly Maximoff)を演じる。日本語吹替は下記を参照。

本項では、“アース616”(正史の宇宙)におけるビリーを主軸として表記するが、現在のところ、原作コミックのようにウィッカンとしては登場していない。

キャラクター像[編集]

ヘックス”に取り巻かれた“ウエストビュー”内においてワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチヴィジョン(カオス・マジック)の間に生まれた双子の次男。その名の由来は、ヴィジョンのアイデアにより、ウィリアム・シェイクスピアに因んでいる。やや控えめな男の子で、第四の壁を破るような言動もとり、双子の兄のトミー・マキシモフと時に兄弟喧嘩を繰り広げ、アグネス(アガサ・ハークネス)に操られて来訪した偽のピエトロ・マキシモフ(ラルフ・ボーナー)の影響もあってわんぱく盛りな行いも多々披露することもあるが、一大事の際には兄や両親を気遣うほど家族思いな姿も見せる。

ヘックスに取り巻かれていた頃のウエストビューの状況にある程度適応したものの、その実態は父や兄と同様に、“カオス・マジック”で創造された生命体であり、このことからヘックスの内部でしか存在を保つことができず、ヘックス自体が消失したりすると苦しみながら分解し、その存在自体が消え去ってしまうという致命的な難点を有している。

ビリー・マキシモフ(アース838)[編集]

アース838”におけるビリー。外見や性格は正史のトミーとほぼ同等で、兄のトミーと同様に自作のアイスクリームの歌を母のワンダに聞かせるほどアイスクリームが好物だが、カオス・マジックのようなワンダの魔法で生み出されたという描写はなく、後述の特殊能力も有していない様子である。

能力[編集]

生まれて間もない頃から、自分の年齢を自身の意思で操作し、赤ん坊からあっという間に5歳児に、そして自宅に連れ込んだ仔犬を飼いたいと両親にねだった時に10歳児へと急成長してしまった。

ハロウィンの頃から透視や読心能力・念動力など、母と同等の超能力を行使できるようになる。

各作品における描写[編集]

ワンダヴィジョン』第3〜9話
演 - バイレン・ ビエリッツ(5歳時)、ジュリアン・ヒルヤード(10歳時)
日本語吹替 - 松本惣己
本作でMCU初登場。ワンダの妊娠から僅か2日後に誕生し、ビリーと共に10歳児になると、拾ってきた仔犬を“スパーキー”と名付けて飼えるようになったのも束の間、 死別する事態に直面してしまい、そこからまた自分たちの年齢を上げかけるも、両親に止められた。後日のハロウィンの日には、コスプレも披露し[注釈 1]、ヴィジョンが消滅寸前に追いやられていた際には、透視能力でそれを察してトミーとワンダに知らせた。
その翌日には、ハロウィンでの一件で錯乱気味のワンダの代わりに子守を引き受けたアグネスのもとに身を置くが、トミーと共に捕まってしまう。しかしワンダに救われ、一度は隠れるよう促されて自宅に退避するも、自分たちも敵に立ち向かう両親に加勢することを決意。一時はヘックスが開かれたことで消滅しかけるが、両親のもとに駆け付け、トミーとの連携で“S.W.O.R.D.”の兵隊の武装を解除する活躍を見せた。そして両親が勝利すると、親子4人で帰宅。ワンダとヴィジョン(カオス・マジック)から愛を伝えられて眠るも、ウエストビューを元に戻すことを決めたワンダによってヘックスが自宅に到達したことで消滅する。
だが後日、隠遁生活を送りながら魔法の修行に励むワンダの耳元には、ビリーとトミーからの助けを呼ぶ声が響いていた。
ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス
日本語吹替 - 宮岸泰成
本作ではアース838のビリーが登場。ワンダやトミーと共に自宅で平穏に暮らしている。

その他のメディア[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 原作コミックスのウィッカンのコスチュームに身を包んだ。

参考[編集]

  1. ^ a b Empyre: Aftermath Avengers #1 Marvel Comics.
  2. ^ DeFalco, Tom; Sanderson, Peter; Brevoort, Tom; Teitelbaum, Michael; Wallace, Daniel; Darling, Andrew; Forbeck, Matt; Cowsill, Alan et al. (2019). The Marvel Encyclopedia. DK Publishing. p. 408. ISBN 978-1-4654-7890-0 
  3. ^ Empyre #4 Marvel Comics.

参考文献[編集]