アタミザクラ
アタミザクラ(熱海桜、あたみ桜)とは、熱海市を中心に栽培されている早咲き桜の一種。
歴史
[編集]1871年(明治4年)に、イタリア人によってレモン・ナツメヤシと共に持ち込まれたインド原産の品種とされてきたが、花粉の分析などによってカンヒザクラ(寒緋桜)とヤマザクラ(山桜)の雑種であると推定されている[1][2]。
(なお、元網代中学・多賀中学校長で、タイリョウザクラ(大漁桜)やイズタガアカ(伊豆多賀赤)などの作出で知られる角田晴彦が作出した品種の中に、アタミハヤザキ(熱海早咲)という品種があるが、これは3月中旬ごろに開花する寒桜と大島桜の交配種であり、アタミザクラとは別の品種なので混同しないように注意が必要。)
須崎御用邸(昭和47年)、伊勢神宮(昭和48年)、東宮御所(昭和51年)などに献上され植栽される。
1977年(昭和52年)4月10日、市制施行40周年を記念して熱海市の「木」に指定。
開花時期・期間
[編集]例年の開花時期は1月中旬〜2月中旬であり、最も有名な早咲き桜であるカワヅザクラ(河津桜)より1ヶ月ほど早く、沖縄のカンヒザクラ(寒緋桜)や、伊豆市土肥のトイザクラ(土肥桜)などと共に、日本において(年明け後の)最も早咲きの桜の一種とされる[1][2][3]。(ただし、「年明け後」に限定しなければ、例年「年明け前」の11月下旬ごろに開花する(そして熱海市内においても南熱海を中心に多く栽培されている)ヒマラヤザクラや、例年10月ごろに開花するエドヒガン類(シキザクラ・ジュウガツザクラ等)など、もっと早咲きの品種もある。)
また通常の桜が開花期間が1〜2週間であるのに対し、アタミザクラは2段階で開花するため、1ヶ月程度開花を楽しむことができる[1][2]。
名所・イベント
[編集]熱海市内では、市街地の糸川沿い(糸川遊歩道)、親水公園周辺、熱海梅園周辺、さらに南熱海(上多賀)の「さくらの名所散策路」(四季の道)の4箇所を中心に植栽されており、特に糸川沿い(糸川遊歩道)では1月中旬〜2月中旬の開花時期に合わせて「糸川桜まつり」が開催されている。
- 糸川遊歩道(58本)
- 親水公園周辺(渚デッキ17本、渚小公園15本)
- 熱海梅園周辺(園内4本、園前23本)
- さくらの名所散策路(四季の道、87本) - 伊豆多賀駅と熱海高校をつなぐ遊歩道。他にヒマラヤザクラ15本、ソメイヨシノ5本。