あーくしゅ

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あーくしゅ
ジャンル アドベンチャーゲーム
対応機種 PC-88SR以降 [PC-88] 2D 2枚組
MSX2 3.5インチ2DD 1枚
PC-98 2HD 1枚
X68000 [X68K] 2HD 1枚
開発元 ウルフ・チーム
発売元 ウルフ・チーム
人数 1人
発売日 [PC-88] 1989年12月16日
[MSX2] 1990年2月24日
[PC-98][X68K] 1990年3月
[PC-98](EGGサービス) 2006年
サウンド MSX2版はFM音源パック対応
その他MSX・FAN』1995年6月号にて、本作が付録として収録されている。
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あーくしゅ』は、1989年ウルフ・チームから発売されたコンピュータゲーム

マイコンBASICマガジン』(電波新聞社)のウルフ・チームの広告ページ「WOLF GAMERS」で連載していた同名の4コマ漫画をベースとしたアドベンチャーゲームであり[1]、パッケージや広告では「アークス番外編」と銘打っている。タイトル画面には「陽炎の時代を越えて」と副題のように書かれているが、これは鈴木(G)健一がグラフィックの一部として書いたもので、正式なタイトルではない[2][3]

概要[編集]

本作はじぇだ(ジェダ・チャフ)とピクト(ピクト・A・ピヨント)の二人組が次元に発生した穴を修復するべく、三本の聖剣と各次元に点在するCDを集めるために冒険を繰り広げるストーリーである。二人を任意で切り替える事が可能であり、同じコマンドや話し相手でも行動や反応が異なる。このキャラクターの使い分けによって謎を解く。

登場キャラクターは『アークス』および『アークスII Silent Symphony』のパーティーキャラクターがメインとなる。そこに、『ファイナルゾーン』『夢幻戦士ヴァリス』『YAKSA』『ミッドガルツ』『Gaudi -バルセロナの風-』など、日本テレネット時代を含めたウルフチーム作品のキャラクターが多くゲスト出演している。

また、物語には原典ゲームのパロディだけではなく映画小説漫画アニメなどのものがふんだんに盛り込まれている。

BGMは原典のゲームで使われた曲をアレンジしたものや本ゲーム用に新規作曲された曲が使用されている。ゲームの目的に4枚のCDを集める事が含まれるのでサウンドが大きな意味を持つ。

4コマ漫画[編集]

原作の4コマ漫画『あーくしゅ』は、当初は『アークス』のスタッフである林浩樹[4]によって描かれていたが、スタッフの入れ替わりにより作者が変わって連載が続いた。ゲームの『あーくしゅ』は、(G)[注釈 1]が描いた『あーくしゅ2』以降を原作とする[注釈 2]。ゲームの各キャラクターの性格や口調は4コマ漫画そのままであるが、言い方を変えれば原典のゲームとは全く異なる。

各時代と登場キャラクター[編集]

主人公
  • じぇだ(ジェダ・チャフ) - 本作の主人公の一人でボケ役。突飛な行動や発言をする青年。
  • ピクト(ピクト・A・ピヨント) - 本作の主人公の一人で突っ込み役。まともで真面目な行動をする少年。
はじめの時代
金竜リグ・ヴェーダから使命を聞く時代。エンディング前に帰還する時代でもある。
  • おじさん(『アークス』)
  • 金竜リグ・ヴェーダ(『アークス』他) - ウルフチームの初期ゲームを結ぶセイクリッドファンタジーシリーズに登場する。
DOSバーガー(ワープ空間)
登場するのはアクションゲーム『夢幻戦士ヴァリス』のキャラ。
各時代を結ぶ空間で頻繁に通過する場所。過去のみハンバーガーセットについているスクラッチカード英語版であたりを出さないと移動できない。
  • U子(ゆーこ、優子)
  • 0子(れいこ、麗子)
現代(『ガウディ』の時代)
原作はアドベンチャーゲーム『Gaudi -バルセロナの風-
タイトルはアントニ・ガウディにちなみサグラダ・ファミリアも登場する。この現代とはバルセロナオリンピックが行われる1992年を指す。
  • アンナ
近未来(『ファイナルゾーン』の時代)
原作はアクションシューティングゲーム『ファイナルゾーン
  • ボウイ
  • ボンバー
  • モモコ
超未来(『ミッドガルツ』の時代)
原作はシューティングゲーム『MID-GARTS
  • カイン
  • サークン
  • ヨツンヘイム
過去(『YAKSA』の時代)
原作はアクションゲーム『YAKSA
  • 最空
  • 伊織
  • 沙羅
  • 死魔神
各時代に出現
  • ルアン・カーン
元キャラクターは『ミッドガルツ』に登場する同名キャラクター。原作ではシリアスな敵だが本ゲームではギャグキャラ化している。出現時に必ず同じテーマ曲がかかる。
  • 現代 - 光の大道芸人 ルアン・カーン
  • 近未来 ー 光のコマンド ルアン・カーン
  • 超未来 - 愛と勇気の男 ルアン・カーン
  • 過去 - 光の浪人 ルアン・カーン
行方不明の仲間
ロールプレイングゲーム『アークス』および『アークスII Silent Symphony』のキャラクター。
  • エリン
  • サーラ
  • チノップ
  • グラン
  • スー・ニー
  • バザン

スタッフ[編集]

  • グラフィック・シナリオ - 鈴木(G)健一 [注釈 3]
  • プログラム(PC-88 PC-98)- 堀智之 [注釈 3][注釈 4]
  • プログラム(MSX2)- 鈴木(P)昭弘
  • プログラム(X68000)- O・SUGI
  • 企画・原案・進行管理 - 後藤清治
  • シナリオサポート - 関塚俊次、竹田貴裕
  • グラフィックサポート - 杵渕進二郎、田島清香
  • サウンド - 宇野正明、桜庭統塩生康範
  • マネージメント - 浅沼穣
  • アドワーク - 石井史人
  • プロデュース - 秋篠雅弘

その他[編集]

  • コピーガードに類するものが2か所用意されていた。ひとつはマニュアルに記載されているじぇだの好物にくまんだが、もうひとつの謎であるディスクラベルの文字に問題があった。PC-88版はラベルデザインにミスがあり、ディスクラベルに記載されているはずの暗号(HG13)が分からなかった。
  • MSX・FAN』1990年4月号は、本作のイラストを半立体レリーフデザインした写真が表紙となっている。

関連作品[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 実際は丸の中にG。WOLF GAMERS終了までタイトルや内容を定期的に変えて4コマを連載した。
  2. ^ ただし、「一生そーしてなさい」のフレーズは初代のものである。
  3. ^ a b PC-88版・PC98版プログラマー堀智之(TOMO)と鈴木(G)健一は1991年6月15日発売のPC-9801用AVG『クリスタルチェイサー〜天空の魔晶球〜』で再びタッグを組んで作品を制作した[1]
  4. ^ 「開発」節に記載されているプログラマー TOMO の本名。

出典[編集]

外部リンク[編集]