風の塔
風の塔
- アテネにある八角形の塔。本項で詳述する。
- 東京湾アクアラインの換気塔施設として作られた、川崎市川崎区浮島沖合5km にある直径約100m の人工島。
(別名「川崎人工島」)。 - 横浜駅前にある伊東豊雄設計の塔。
風の塔または風神の塔(Tower of the Winds)別名アンドロニコスの時計塔(ホロロゲイオン、Horologion)は、アテネの古代ローマ時代のアゴラにある、ペンテリ山産大理石で作られた八角形の塔である。おそらく紀元前50年頃にキュロスのアンドロニコスが建てたものと思われるが、フォラム(広場)の他のものより早く、紀元前2世紀に建てられたに違いないという史料もいくつかある。
景観
高さは12m、直径は約8m。塔の一番上には風見鶏のようなトリトン像があって(現在はない)、風が吹くとすぐ下にあるフリーズ(帯状装飾)に描かれた8人のアネモイ(風神)たちのどれかを指して、風の向きを示す仕組みになっていた。8人の風神とは、ボレアス(北)、カイキアス(北東)、エウロス(東)、アペリオテス(南東)、ノトス(南)、リプス(南西)、ゼピュロス(西)、スキロン(北西)である。さらに9つの日時計がある。内部には、アクロポリスから流れ落ちてくる水力で動く水時計(クレプシドラ)があった。
キリスト教時代の初期には、この塔は正教会の鐘楼として使われた。それ以後は、一部が地面に埋もれたが、19世紀、アテネ考古学協会によって完全に発掘された。
18世紀に作られたイギリスオックスフォードのラドクリフ天文台のデザインは、この風の塔に基づいたものである。ロンドン、ウエスト・ノーウッド墓地にあるギリシア国立図書館の創立者 Panayis Athanase Vagliano の廟もそうで、他にもセヴァストポリに類似の塔(1849年建造)がある。