青山民吉
青山 民吉（あおやま たみきち、1896年8月[1] - 1953年11月30日[2]、正字では靑山）は、日本の美術評論家、美学者、工芸研究者、装丁家、書店経営者。装丁家・美術評論家の青山二郎は弟。
経歴
麻布中学校、第四高等学校 (旧制)一部法科独法、京都帝国大学文学部美学科卒[3]。東西の美術に精通し、画集の出版等による紹介を行う。柳宗悦らによる民藝運動の同伴者となり、工藝美術の定義に関して啓発活動を行った[4]。1931年の高田博厚の渡仏にあたっては、正力松太郎に働きかけた[5]。また、有島生馬らによる一水會運動にも協力した。
論文
- 國際的なるものと鄕土的なるもの 『丹青』第1巻第1･2號 教育美術振興會 1938年5月･9月
- アルブレヒト・デュウレルの「築城法」に就て『新美術』第28號 春鳥會 1943年11月
- 鉄斎通信 『三彩』第38号 三彩社 1950年1月[6]
著書
編著書
- ゴヤ画集 フランシスコ・デ・ゴヤ アトリヱ社, 1925年[7]
- 大雅堂書畫帖 池大雅 日下部書店[8] 1943年
- 小林登代子追悼録 青山編 小林光 1943年
共著
- 工藝美術を語る 34氏と共著 アトリヱ社, 1930年[9]
翻訳
- 人としてのブレーク ローレンス・ビニョン著 『北辰會雜誌』第80號 創立三十年記念號 第四高等學校北辰會 1917年12月
- 素畫敎育に就て ドラクロア著『アトリヱ』第2巻第1號 アトリヱ社 1925年1月[10]
- 文筆に就いて ドラクロア著 『アトリヱ』第6巻第1號 アトリヱ社 1929年1月[11]
創作
- 小品二つ（鷲、二つの本）『北辰會雜誌』第81號 第四高等學校北辰會 1918年3月
- ある森の挿話『北辰會雜誌』第83號 第四高等學校北辰會 1918年12月
座談会
公開書簡
- 手紙にて『アトリヱ』第6巻第1號 アトリヱ社 1929年1月[13]
作品
装丁
- 『北辰會雜誌』第82號 第四高等學校北辰會 1918年6月の巻中挿画の選出を担当。ゴヤ作の4枚の絵画を使用した[14]。
- ドガに就て 造型美論 ポール・ヴァレリー著 吉田健一訳 筑摩書房。1940年の巻中挿画の選出を青山民吉が、装丁監修を青山二郎が分担した。
看板製作
- 昭南書房 1942年11月[15]
脚注
- ^ 『人事興信録 第12版 上』ア66頁（国立国会図書館デジタルコレクション）。2022年7月10日閲覧。
- ^ 青山二郎の話 宇野千代 中公文庫,1983年 p.32。
- ^ 會員名簿 第四高等學校同窓會、1936年 p.256。
- ^ 1926年の日本民藝美術館設立趣意書において、同館の蒐集品選択担当者の一人として名を連ねている。
- ^ 正力は、高等学校の先輩。「こういう人物をフランスにやらせないのは、愚の骨頂だ」と説いた。分水嶺 高田博厚 岩波現代文庫,2000年 p.24。
- ^ 青山は、竹添履信から鉄斎の名を紹介された。
- ^ 青山はゴヤ略伝を巻頭に付け、ゴヤの言「理性の支配を越えて、幻想は怪むべき不可能事を生む。かゝる幻想と結びつく事によつて、藝術は生れ藝術の驚異の源も亦此處に生ずる。」を引用する。
- ^ 日下部忠政との共同作業。限定出版。山中蘭俓注釋。
- ^ 青山の1929年2月14日付け口述筆記「工藝美術といふ槪念」『アトリヱ』アトリヱ社,1929年3月特輯號所収を再録。
- ^ ルブウ・ド・デュモンド誌1850年9月掲載。
- ^ ドラクロアの手記、写生帳等からの断片を集めたもの。題名と文選とは画家の知人であったアシール・ピロンによるもの。
- ^ 席上での発言より、ブルーノ・タウトとエリカ・ヴィティヒが来日時に青山宅に立ち寄っていることが分かる。
- ^ 同誌企画「中川一政氏を語る」5氏と共著。
- ^ 同誌同號の巻末「編輯室にて」の中で、編輯委員水毛生伊作は、同誌における以後の美術紹介と編輯作業とを青山に引き継いだことを宣言している。また、青山の手に成るミケランジェロあるいはホイットマンに関する原稿が同號刊行に間に合わなかったことを示唆している。
- ^ 書物游記 秋朱之介 書肆ひやね,1988年 p.267。
| 全般 | |
|---|---|
| 国立図書館 | |
