遠州鉄道2000形電車
遠州鉄道2000形電車 | |
---|---|
基本情報 | |
製造所 | 日本車輌製造 |
主要諸元 | |
編成 | 2両(1M1T) |
軌間 | 1067 mm |
電気方式 | 直流750V 架空単線式 |
最高運転速度 | 70 km/h |
設計最高速度 | 80 km/h |
起動加速度 | 2.5 km/h/s(150%乗車時) |
減速度(常用) | 3.62 km/h/s |
減速度(非常) | 4.60 km/h/s |
編成定員 |
260(100)名 ()内は座席定員 |
車両定員 |
130(52)名(モハ2000) 130(48)名(クハ2100) |
自重 |
31.2 t(モハ2000) 26.4 t(クハ2100) |
編成重量 | 57.6 t |
全長 | 19000 mm |
全幅 | 2736 mm |
全高 |
4183 mm(モハ2000) 4038 mm(クハ2100) |
車体 | 普通鋼 |
台車 |
ND728・ND728T (第1~第4編成) ND746・ND746T (第5編成以降) |
主電動機 |
三菱電機製 MB-5081-A 形 かご形三相誘導電動機 |
主電動機出力 | 120 kW |
搭載数 | 4 |
駆動方式 | WN駆動 |
歯車比 | 99/14=7.07 |
制御装置 |
三菱電機製
|
制動装置 |
応荷重装置付き回生/発電ブレーキ 併用電気指令式空気ブレーキ |
保安装置 | 点制御車上時間比較速度照査方式 |
遠州鉄道2000形電車(えんしゅうてつどう2000けいでんしゃ)とは、遠州鉄道が1999年から運用を開始した通勤形電車である。
概要
2001編成(モハ2001-クハ2101)は同年4月5日より営業運転を開始し、現在に至るまで増備が続いている新形式であり、2021年3月現在モハ2000形2001 - 2008・クハ2100形2101 - 2108の計16両が在籍する。形式称号の「2000」には「21世紀に向けての新型高性能電車」の意味が込められている[1]。
車体構造
車体構造は1000形とほぼ同様であるが、制御装置に遠鉄初となるIGBT素子を用いたVVVFインバータ制御(1C2M2群方式)を採用した。制御装置(型式 MAP-122-75V79/79A、2001・2002編成は79、2003編成は79A)と主電動機(型式 MB-5081-A)ともに三菱電機製であるが、従来東洋電機製造製の電装品を主に採用した遠鉄にあって、三菱製の電装品の採用もまた初のことであった。
制御装置のVVVF化に伴って停止用制動に回生制動が採用され、省エネルギー化ならびにメンテナンスフリー化を実現した。基礎ブレーキ装置は片押し式ユニットブレーキが搭載されている。その他、パンタグラフにシングルアーム式のもの(KP3301形)を採用したほか、空気圧縮機は二段圧縮単道水平片2シリンダが搭載された[1]。
戸閉装置は電磁空気単気筒形戸閉保安装置を用いている[1]。
また、2001編成は2019年春に、2002編成は2022年春にインバータ(MAP-122-75V328)とSIV(NC-GBT70B)の機器更新を行った。
車内設備
車内設備もおおむね1000形に準じているが、客用扉窓の固定支持方式がHゴム固定から金属枠固定となり、扉窓が若干角ばった形状に変更されたほか、座席モケット色も変更となった。また、バリアフリー対応としてクハ2100形の乗務員室後部、助士席側が車椅子スペースとなっており、当該部分に座席は設置されていないことから、モハ・クハで座席定員が異なる。全編成に監視カメラを設置している。
増備
2001年に増備された2002編成(モハ2002-クハ2102)より、運転機器が従来の主幹制御器(マスコン)とブレーキ設定器が別個となったツーハンドル方式から、それらを一体型としたワンハンドルマスコン方式に改良された。
さらに2008年に増備された2004編成(モハ2004-クハ2104)においては、制動装置が純電気ブレーキ仕様に改良され[要出典]、制御装置も三菱製MAP-124-75V187(1C2M2群方式)に変更された。
2012年に2005編成が増備され、2012年10月23日より営業運転を開始した。2005編成から台車の軸箱支持方式が従来の円錐積層ゴムバネ式から軸梁式に変更となった。
2015年に2006編成が増備され、同編成は車内の案内表示器が遠鉄電車初の液晶2パネル式となった。2017年から2019年にかけて既存の編成にも液晶2パネルが取り付けられた。また、連結面の全周幌も従来の赤からグレーに変更となった(2018年から営業運転を開始した2007編成も同様)。2021年に2008編成が増備され、行先表示器が遠鉄電車初のLED式行先表示器となった。
運用
本形式は末尾同番号のモハ・クハで2両編成8本を組成、1000形は7本を組成し、4両編成運用時においては本形式同士のほか、1000形との併結運用も行なわれる。