買物

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ファイル:Dolce & Gabbana Shop (Via della Spiga - Milan) 01.jpg
店頭で商品を手にとって品定めする女性
店側は、買物客の目を店頭の商品に向けさせようと、目を惹く広告やインテリアを導入するなど知恵を絞る

買物(かいもの、買い物)とは、買出し(かいだし)とも呼ばれ、貨幣を媒介して商品を購入する行為及びそこに至るまでの過程を指す。ショッピングと呼ばれることがある。

単に物品やサービスを購入するだけの場合には購買(こうばい)とも呼び、買う過程を含む買物とは区別される傾向も見られる。

概要

買物は、物品やサービスの購入及びその過程を指し、加えてそれら物品やサービスを販売している者ないし店舗まで出向いて購入することを含む。このため一種の行楽(レジャー)的な要素が含まれる場合もあり、また買物では購入を希望する物品があまり明確には設定されておらず、その道程で目にとまった物品が購入される場合もある(衝動買い)。その一方では、商品の質や求められる対価のバランスも一定ではなく、この良し悪しを選ぶことも買物という行為には含まれている。

買物が一種のレジャー(娯楽ないし趣味)として認識される一端には、物品にせよサービスにせよ、特定の店舗にある商品が季節流行、あるいは時間帯によってすら常に其処に決められた物しかないわけではなく、絶えず変化しているためでもあるといえよう。そういった行楽要素が強調された様式としてはウィンドーショッピングと呼ばれるものがある。

コンビニエンス・ストアスーパーマーケット程度では余り行楽要素が重要視されない傾向が強く日常生活の用に足す食料や生活雑貨(消耗品・衛生用品)といったものしか購入されないものの、百貨店などともなると行楽要素も強まり、また商店街ショッピングモール)ともなると特に行楽要素を重視した店舗が立ち並ぶ傾向も見られる。その一方で100円ショップなどでも「特に何を買うという目的も無く」見て回る事を楽しむ者もおり、同種業態ではそういう需要にあわせてバラエティ雑貨に特化した店舗も見られる。

歴史

自給自足経済の社会においては、生産者と消費者の一致が多く見られたため、家計における買物の占める割合は低かった。従って、商品を売却する商人達の側から行商御用聞き定期市などの形式で購入希望者を捜し求める形式が取られることが多かった。なお定期市では祭りなど人の集まる宗教行事の延長でもあったものも少なくない。

ただ自給自足でも社会の形成初期の段階で、相互に所有する物品を交換し合ったり、自らの生活圏で得られない産品を購入することはあった。しかしその段階では「購入したいもの」は明確であり、買物のように一定範囲内の物品を選り好みするほどの余裕はそれほど存在していなかったといえよう。

後に都市が形成され、そこに大勢の住民が生活するようになると、社会が分業化すると共に全てを自分で生産する自給自足によって家計を賄うことが困難となり、外部の商人からの商品購入によって補われることになる。そこで常設の市場や商業地域が形成され、人々は消費者として必要とする商品を探索し、また複数店舗に存在する場合には商品の品質や価格の良し悪しを推量して商品を購入するようになった。ここにおいて、従来存在していた特定の商人と特定の消費者の人間関係に基づいたに1対1の関係であったものが崩れていき、消費者が不特定多数の商人との関係を持って計画的な買物を行うことになり、商人も不特定多数の消費者に向けて販売を行うようになった。

更にその都市化や社会構造の組織化が進行する過程で産業流通も変化を見せ、地域には無い産品が市場に流通し始めるようになり、従来の生存や生活に必要な物品のほか、娯楽や好奇心といった直接的には生活に必然性の無いものが売買されるようになり「買物を楽しむ」という様式も発生したと考えられる。

今日ではセルフサービスのような、買物に際して売り込みなどの働き掛けに急かされることも無く、心行くまで店頭で商品を吟味し、商品を選ぶ形態が主流であるが、更には通信販売カタログ販売にはじまり電子商取引のような客が商店に行かなくても買物できる形態も盛んで、買い物客は様々な選択肢から自分の望む性質を備えた商品を手に入れられるようになっている一方、商店・販社側では客に対して魅力的な商品を取り揃えて客の興味を引くよう尽力している。

関連項目