100円ショップ
100円ショップ(ひゃくえんショップ)とは、店内の商品を原則として1点100日本円均一で販売する形態の小売店。別名「100円均一」および略した「100均」(ひゃっきん)と呼ばれることもある。
販売商品は、加工食品や化粧小物、食器や調理道具、乾電池などの日用品、文房具が多く、ほとんどの場合、大量の店舗(チェーンストア)を保有している。
100円というキリのよい価格設定が、手軽で安いワンコインというイメージとあいまって人気を博している。とはいえ、実際は「100円」は税別本体価格で消費税込み105円で販売する店も多い。また、99円など100円以下の価格で統一している店や、基本的に100円だが200円や300円、500円といった商品も一緒に販売している店もある。
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[編集] 歴史
[編集] 1960年代の催事販売
100円ショップに見られるような均一低価格による販売手法は1960年代から行われていたが、当時のそれはスーパーや百貨店などの催し物として1週間程度の期間に限るものであった。この販売形式を「催事販売」、これを行う業者を「催事業者」と呼び、催事業者らは各店舗を定期的に巡回して催事販売を行った[1]。この様な場で販売される商品の大半は、100均メーカーと呼ばれるメーカーの商品を中心に安定供給出来る定番商品と、これに質流れの金融品や仕入先が何らかの事情で現金化を急ぐために販売した「処分品」と称される商品からなり、当時100円以上で販売されていた商品も含めすべてを100円で販売した。さらに販売後のトラブルに対応するためスーパーなどに取引口座を開設し、クレームなども催事販売をした店舗を通して対応しながら、各地への移動を繰り返しながら販売を行っていた。
[編集] 1980年代~固定店舗の出現
従来の催事販売はしばしば好評を博していたが、1985年3月に有限会社ライフの創業者・松林明が愛知県春日井市に日本初の固定店舗による100円均一店をオープンし「100円ショップ」と命名して販売を開始した。その後現在の100円ショップチェーン最大手の大創産業(「ダイソー」)創業者の矢野博丈は商品の品質アップに力を入れる(一部には採算割れの商品も含む)ことで、催事販売を依頼するスーパーや百貨店の信用を勝ち取り、1991年に最初の常設店舗を開設した。これ以後は「キャンドゥ」「セリア」「ワッツ」といった、後に株式公開する同業の他社も参入して店舗網を広げた結果、新たな販売チャンネルとしてメーカーから認知されるようになり、バブル崩壊後の日本の経済状況(物価の上昇のないデフレーションの状態等)ともあいまって急速に店舗数が増加し、「不況時代の成長業界」とも称されるようになった[1]。また2005年にはコンビニ大手のローソンが「STORE100」と題したコンビニ型100円ショップ事業を開始している。
その結果、2010年までには、いわゆる「バッタ屋」時代に主流だった、金融品や処分品を安く仕入れて販売することは少なくなり、大量の店舗による販売力を生かして国内外のメーカーへ自社専用商品(プライベートブランド)の形で大量に生産を委託することで、仕入れ価格のダウンと品質の確保を両立させることが多く行われるまでになった。たとえばダイソーでは、数百万個という単位での「一括製造」を行いコストを限界まで下げている。しかし、製造コストは下がるものの、在庫コストは莫大なものとなる。
[編集] 安定供給の改善
安定供給の観点では、日本国外のメーカーへ委託したものは価格を抑えるために、船舶を用いた輸送に依存している場合が多く、コンビニエンスストアなど主要な小売店チェーンのほとんどが導入している、POSシステム等を用いたリアルタイムな商品動向の追従や対応ができない。その結果、メディア等で紹介されて商品がヒットしても供給量を増やすことができず、一過性で終わる可能性が高い。これら弱点とも言える不安定供給の問題は、購買層にも徐々に浸透し始めており、次回来店時の欠品といった不安要素にもなり、価格とも相まって購買意欲をそそる結果も生まれている。元々、オリジナル商品にも一応JANコードは印字されているため、POS化は可能ではあったが、かつては、POSシステムを利用した単品ごとの商品管理を導入していなかった。2005年頃から、大手チェーンの店舗には、支払い時に商品のJANコードを読み取らせて、代金を精算するPOSシステムが導入され始めた。
[編集] 販売手法
基本的には、店内の商品は原則として1点100円(税別価格、以下同様。税込では105円)で販売される。小型飲料など単価の安い小物商品では数個で100円で販売される。店によっては99円、88円などの場合もある。売り場作りとしては、100円という値段から衝動買いを誘うような演出が取られており、売上のアップが図られている。
100円均一で販売するために、何でも安いというイメージがあるが、実際には商品によっては、スーパーやドラッグストア、ホームセンターなどで、80円から100円以下で販売されているものも存在する。
均一価格の採用は、計算をしやすくするためと言われているが、最近では商品の品揃えを増やしたり、粗利を厚くする目的で、衣料を中心として200円(税込210円)や300円(税込315円)、一部では800円(税込840円)や1,000円(税込1,050円)や1,500円(税込1,575円)などの、100円ショップとしては高額な商品もある。またそれとは逆に、駄菓子などは100円未満(2個で100円、3個で100円など)で販売されている。
2004年4月1日より消費税総額表示の義務化に伴い、「100円ショップ」を(当時の消費税率5%を加味して)「105円ショップ」に看板を変えなければならないのかとの懸念が一部で起こったが、法律上、店名の変更をする必要は無く、店内の商品につける値札に消費税込みの価格を表示すればよいとされている。
[編集] 販売店における用語
スーパーなどと共通の語も多い[1]。
- バックヤード・・・販売スペースの裏側のこと。事務所、ストック置場などとして使用されるスペース。
- 二重出し(にじゅうだし)・・・同一商品を2か所に置くこと。輪ゴムを文具コーナーと雑貨コーナーの両方に置くなど。3か所に出すのは三重出し。
- エンド・・・商品棚の両端部分。目立つ場所なので売れ筋商品などを置くことがある。
- ポップ(POP)・・・ハガキ大の紙に商品紹介などを書いたもの。商品の横に添えて購買意欲を喚起するためのもの。
- 品出し(しなだし)・・・商品を棚に並べること。
[編集] 主な100円ショップ
- ザ・ダイソー(100円ショップと謳ってはいるが実際には315円など、100円以外の品も取り揃えている)
- ダイソー&アオヤマ 100YEN PLAZA(青五 - 大創産業と青山商事の合弁)
- ダイソー&スピード
- キャンドゥ
- 得得屋
- 100円ハウス レモン
- セリア
- ひゃくえもん
- 100きんランド
- シルク
- FLET'S、百圓領事館
- 100円ショップサンボックス
- 100円ショップオレンジ
- meets.
- SHOP99
- ローソンストア100(ローソン系)
- フードスタイル(am/pm系)
- US.MART
- ダイコク
※ SHOP99とローソンストア100、フードスタイルは100円ショップの形を取ったコンビニエンスストアと謳っている(いわゆる生鮮コンビニ)。これらの店は他の100円ショップと異なり、食材を中心とした店づくりが特徴である。詳しくは生鮮コンビニの項を参照。
[編集] 他の通貨圏
アメリカでは1ドルショップや99セントショップ、イギリスでも99ペンスショップ、韓国には1000ウォンショップ、中国には1元ショップなどがある。
[編集] アメリカ
アメリカには、日本の100円ショップ同様に小間物商品を1ドル(その名のとおりワンコインの1ドルのところや実際99セントのところもある)均一で販売する「1ドルショップ」(Dollar store)という小売業態があるが、日本の大手と比して、商品の品質と品揃えの面からは小規模である。
[編集] 中国
日本の100円ショップの雑貨の多くは中国で製造されて、輸入されているが、現地中国でも均一価格で販売する店が増えてきている。100円を元に換算すると7元程度になるが、中国では「一元店」、「三元店」、「五元店」、「十元店」などが見られ、必ずしも統一されていない。また、店名に示している価格と違う商品のコーナーもある。これは日本の様な企業化されたルートではなく、個人経営の店が多いためである。品揃えもばらばらであるが、ほとんどが日用雑貨類を扱っており、食品や衣類はほとんどない。なお、日本の消費税に相当する付加価値税は全て内税で売られている。
[編集] その他
100円ショップにヒントを得て、主にインテリアや服飾、家電製品などを扱う500円均一ショップや1000円均一ショップの業態もあるが、100円ショップに比べると店舗数はきわめて少ない。
- 千金ワールド - 千円均一の店
[編集] 出典
- ^ a b c PHP研究所編「100円ショップ大図鑑:生産と流通のしくみがわかる:安さのヒミツを探ってみよう」 PHP研究所、2005年 ISBN 4569685587