被害妄想
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被害妄想(ひがいもうそう)とは、自分が他人から危害を加えられていると思い込む妄想[1]。
概要
病理性・薬物での症状
心的外傷後ストレス障害やうつ病、統合失調症などの精神病患者たちに多く見られる症状の一つで、他人への根強い猜疑心等が生まれる。覚醒剤など薬物の使用によって現れることもある。
必要以上な妄想
そのような重大な精神疾患に限らず、ごく日常生活でありがちな軽度の勘違いや猜疑心なども「被害妄想」としてみなすことがあり、精神的に比較的不安定な思春期では珍しくないともいえる。それらは精神医療の対象とはならず、周囲の人間関係や本人の考え方の問題とされる。また、個人間における感情や心理の行き違いなど、本当に被害を受けているのか単なる被害妄想なのか判別することが難しいケースも日常生活上では少なからず存在する。
証拠なき決めつけ
また、実際に何かの被害を受けた人間が、決定的な証拠が無いにも関わらず「あいつの仕業だ」と思い込み、見当違いの怨恨が生まれることもある。そして、今度は何の実害も被っていないのに、「あいつが裏で自分を攻撃し(ようと)ている」等といった被害妄想を膨らませていくケースもある。現実には不可能であるにも拘らず、「思考盗聴されている」「電磁波で攻撃されている」、どのように自分の存在が重要かも説明出来ず「集団ストーカーの被害に遭っている」と主張し出す例もある。ただし、これらのケースは、事実被害にあっていないことが証明できないうちは被害妄想と決め付けることもできないために、被害妄想という言葉そのものが中傷行為ととられることもある。これには以下の事件性の関連を参照のこと。
事件性の関連
ストーカーや嫌がらせの事件・トラブルにおいては、警察や周囲の者が「被害妄想じゃないの?」などと問題回避・責任転嫁に及ぶことでより深刻な事態に陥る場合があり、それに対してまったく根拠のない「ストーカー妄想」と「嫌がらせ妄想」もまた存在しないわけではないので、客観的で公平な状況分析が求められる。
社会への影響
社会において、被害妄想に囚われている人々はその社会内にて悪影響を与えるケースもある[2]:
- 会社にて上司である場合、部下の忠誠心を疑う
- 憂鬱性と否定的な自己イメージ
また、症状が悪化すると他人に危害を加えたり、通り魔などの傷害事件に発展するケースもある。
脚注
- ^ “被害妄想”. Yahoo!辞書. 2007年6月11日閲覧。
- ^ “加害者のタイプ分析 > 被害妄想型”. Athlon corp.. 2007年6月11日閲覧。