藤原扶幹
| 時代 | 平安時代前期 - 中期 |
|---|---|
| 生誕 | 貞観11年（869年） |
| 死没 | 天慶元年7月10日（938年8月8日） |
| 官位 | 従三位大納言 |
| 主君 | 光孝天皇→宇多天皇→醍醐天皇→朱雀天皇 |
| 氏族 | 藤原北家、内麻呂裔傍流 |
| 父母 | 藤原村椙、榎井島長女 |
| 兄弟 | 扶幹、景合、済覚 |
| 妻 | 榎井島丸女、他 |
| 子 | 合間、藤原元名室 |
藤原 扶幹（ふじわら の すけもと、貞観11年（869年）[1] - 天慶元年7月10日（938年8月8日））は、平安時代前期の公卿。藤原北家、右大臣・藤原内麻呂の玄孫。駿河守・藤原村椙の次男。官位は従三位・大納言[2]。
経歴
周防掾・近江権少掾・中務少丞を経て、仁和3年（887年）従五位下に叙爵。宇多朝では兵部少輔・民部少輔を経て、寛平7年（895年）信濃守に任ぜられ地方官に転じる。
醍醐朝前半も常陸介・上野介と引き続き地方官を務める。扶幹は藤原忠平の側近で、延喜14年（914年）に忠平が右大臣に昇り太政官の首班に立つと、翌延喜15年（915年）に扶幹も正五位下・権右中弁に叙任され京官に復帰する。こののち、延喜16年（916年）右中弁、延喜17年（917年）従四位下、延喜21年（921年）左中弁、延喜22年（922年）従四位上と、忠平執政下で弁官を務めながら順調に昇進し、延喜23年（923年）60歳で参議に任ぜられ公卿に列す。同年4月に忠平の妹・藤原穏子が中宮に冊立されると中宮大夫に任ぜられたほか、議政官として大宰大弐・左大弁を兼任した。
朱雀朝でも順調に昇進し、承平2年（932年）正四位上、承平3年（933年）従三位・中納言、承平7年（937年）大納言に至る。天慶元年（938年）6月辞職を請いまもなく許されて致仕、同年7月10日薨去。最終官位は致仕大納言従三位[2]。また、この間の延長8年（931年）から天慶元年（938年）の致仕に至るまで、源氏長者として淳和奨学両院別当を務めている[3]。
人物
『二中歴』に名臣の一人として記載される[4]。また、勅撰歌人として『後撰和歌集』に1首の和歌作品が採録されている[5]。
官歴
- 元慶9年
- 仁和2年2月21日（886年3月30日） 中務少丞。
- 仁和3年5月17日（887年6月12日） 従五位下（御即位陽成院御給）。
- 寛平2年2月27日（890年3月21日） 兵部少輔。
- 寛平4年5月23日（892年6月21日） 民部少輔。
- 寛平7年正月11日（895年2月9日） 信濃守。
- 昌泰4年
- 正月7日（901年1月29日） 従五位上。
- 2月19日（901年3月12日） 常陸介。
- 延喜9年正月11日（909年2月4日） 上野介。
- 延喜15年
- 延喜16年3月28日（916年5月2日） 右中弁。
- 延喜17年
- 延喜21年
- 延喜22年正月7日（922年2月6日） 従四位上。
- 延喜23年正月12日（923年1月31日）[7] 任参議。勘解由長官如元。
- 延長元年4月26日（923年5月14日） 兼中宮大夫（止長官）。参議如元。
- 延長2年2月1日（924年3月8日） 兼讃岐権守。参議・中宮大夫如元。
- 延長3年正月30日（925年2月25日） 兼太宰大弐。参議・中宮大夫如元。
- 延長8年12月17日（931年1月8日） 兼左大弁。止大宰大弐・中宮大夫、参議如元。
- 延長9年（931年-月-日） 兼近江守。参議・左大弁如元。
- 承平2年
- 承平3年2月13日（933年3月11日） 叙従三位。任中納言。
- 承平6年8月15日（936年9月3日） 兼陸奥按察使。中納言如元。
- 承平7年3月28日（937年5月11日） 任大納言。按察使如元。
- 天慶元年
系譜
- 父：藤原村椙
- 母：榎井島長の娘
- 妻：榎井島丸の娘
- 男子：藤原合間
- 生母不詳の子女
- 女子：藤原元名室
脚注
参考文献
- 『公卿補任 第一篇』吉川弘文館、1982年
- 『尊卑分脈 第一篇』吉川弘文館、1987年
| 公職 | ||
|---|---|---|
| 先代 藤原保忠 |
陸奥按察使 936 - 938 |
次代 藤原実頼 |