英国コンピュータ協会
団体種類 | 職能団体、学術団体 |
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設立 | 1957年 |
起源 | London Computer Group |
主要人物 | ケント公爵エドワード王子(後援者) |
活動地域 | イギリスおよび世界各地 |
主眼 | 情報通信技術 (ICT) |
活動内容 | 資格認定、業界標準策定、各種会議開催、ICT教育関連の出版・統制 |
会員数 | 70,000人以上 |
標語 | Enabling the information society(情報化社会の実現) |
ウェブサイト | www.bcs.org |
英国コンピュータ協会(英: British Computer Society、BCS)は、イギリス(および海外)での情報技術活動を代表する職能団体兼学術団体である。英国コンピュータ学会とも。1957年創設。2009年に BCS — The Chartered Institute for IT とブランド名を変更したが、正式名称は変更されていない[1]。
概要
[編集]100カ国以上に7万人を越える会員がいる。慈善団体として登録されており、1984年に勅許 (Royal Charter) により法人化された。通信技術およびコンピュータ技術の研究と応用を促進し、専門家や一般人の利益のためにICT教育の知識を進展させることを目的としている。
BCSは Engineering Council に加盟しており、イギリスにおけるICTおよび計算機科学の統制に責任を負う。また、CEPIS (Council of European Professional Informatics Societies) にも加盟している。Science Council にも加盟しており、公認科学者 (Chartered Scientist) の認定も行うことができる。
ロンドンのコヴェント・ガーデンの南部にオフィスがある。本部はロンドン西部のスウィンドン(ウィルトシャー)にある。スリランカにもオフィスがある。
会員には季刊のIT専門誌 ITNOW(以前の誌名は The Computer Bulletin)が送られている。
歴史
[編集]1956年、BCSの前身である "London Computer Group" (LCG) が創設された。BCSは翌年、科学者らの非公式の集まりがLCGに合流する形で形成された。1957年10月、定款を定めて法人化し "The British Computer Society Ltd" となった。初代会長はモーリス・ウィルクスである。
1966年、慈善団体として登録され、1970年には盾と冠を含む紋章が与えられた。
BCSの後援者はケント公爵エドワード王子である。1976年12月に後援者となり、様々な活動に活発に関与している。
2009年9月21日、機構改革が行われ、"BCS — The Chartered Institute for IT" へのブランド変更がなされた[1]。2010年にはBCSの今後の方向性を議論する臨時総会が開催された[2][3][4][5]。
運営
[編集]BCSは、会長、会長代理、前会長、最大9人の副会長、諮問委員会が選んだ専門家5名から成る理事会で運営される。会長、会長代理、副会長は、前会長と5人の委員による諮問委員会によって選ばれる。
諮問委員会はBCSの方向性や運営について理事会に助言を行い、特に戦略計画と予算の策定に関与する。諮問委員は会員から直接選挙で選ばれる。
公認ITプロフェッショナル
[編集]BCSはイギリスで唯一ITプロフェッショナルを認定できる職能団体であり、枢密院からその権利を与えられている[6]。したがって、フェローやプロフェッショナル会員に「公認」(Chartered) の認定を行うことができる。それが公認ITプロフェッショナル (Chartered IT Professional) であり、名前の後ろに CITP と付与することで資格を持っていることを示す[7]。
会員
[編集]BCSの会員は何段階かに分けられている。
- プロフェッショナル会員
-
- フェロー (FBCS)
- 正会員 (MBCS)
- 一般会員
-
- 準会員 (AMBCS)
- 学生会員
- グループメンバーシップなど
資格認定
[編集]BCSはコンピュータ利用者やITプロフェッショナルのための様々な資格認定を行っている。
BCS Higher Education Qualifications
[編集]イギリス以外の国でもこの資格認定を行っている。従来は BCS Professional Examinations と呼ばれていた。次のようなレベルがある[11]。
- Certificate in IT - 大学1年生レベル。合格すると準会員 (AMBCS) になれる。
- Diploma in IT - 大学2年生レベル。合格し、IT系の職に3年間就くと正会員 (MBCS) になれる。
- Professional Graduate Diploma in IT - 大学卒レベル。合格し、IT系の職に2年間就くと正会員 (MBCS) になれる。
その他の資格認定
[編集]- Professional Certification (ISEB)
- 管理・開発・サービスデリバリ・品質保証など様々な分野のIT専門家のための資格体系であり、これを極めていくと「公認ITプロフェッショナル」となる[12]。
- ヨーロッパコンピュータドライビングライセンス (ECDL)
- 国際的なコンピュータ・リテラシー検定。BCSはイギリスでのECDL認定を行っている。
- 上級ECDL
- 4つのセクションがあり、全セクションで合格すると "ECDL Expert" と認定され、イギリスではBCSの準会員 (AMBCS) になることもできる。
組織
[編集]多くの職能団体と同様、BCSには各地に支部があり、専門家のグループがある。2012年現在、イギリス国内に45の支部[13]、海外に14の支部[14]、50以上の専門家グループがある[15]。
関連項目
[編集]- Association for Computing Machinery (ACM) - アメリカにおける同等の組織
- IEEE Computer Society (IEEE CS)
- 英国工学技術学会 (IET)
- 情報処理国際連合
脚注
[編集]- ^ a b Bailey, Dave (21 September 2009). “BCS becomes The Chartered Institute for IT”. Computing (British Computer Society) 2011年3月9日閲覧。.
- ^ Goodwin, Bill (14 April 2010). “The EGM debate: BCS v Len Keighley”. Computer Weekly 2011年3月9日閲覧。
- ^ Cooter, Maxwell (4 June 2010). “BCS membership fights over direction”. Network World 2011年3月9日閲覧。.
- ^ Phipps, Simon (18 June 2010). “BCS EGM: It's Time To Vote For Transparency”. Computerworld UK 2011年3月9日閲覧。.
- ^ Oates, John (21 June 2010.). “BCS trustee threatens rebels with libel action”. The Register. 2011年3月9日閲覧。
- ^ “Chartered IT Professional (CITP)”. British Computer Society. 2011年3月9日閲覧。
- ^ Burgess, Fiona (18 May 2008). “Chartered IT Professional (CITP)”. 2011年3月9日閲覧。
- ^ "BCS Distinguished Fellow awarded to Scott McNealy" (Press release). British Computer Society. 15 November 2007. 2011年3月9日閲覧。
- ^ “Join the industry body for IT professionals”. British Computer Society. 2011年3月9日閲覧。
- ^ “Education Affiliates”. British Computer Society. 2011年3月9日閲覧。
- ^ “Higher Education Qualifications”. British Computer Society. 2012年10月11日閲覧。
- ^ “ISEB Qualifications”. British Computer Society. 2011年3月9日閲覧。
- ^ Regional branches
- ^ International sections
- ^ Specialist groups