稲沢祐介
稲沢 祐介(いなざわ ゆうすけ、本名 榊政春、1935年~)は旧満州国牡丹江市出身、日本の作曲家。
日本作曲家協会会員、全日本音楽著作家協会理事。
来歴
生い立ち
幼年期を旧満州牡丹江、少年期成長期を長崎県南高来郡(現島原市)、大阪で育つ。
物心つく頃には牡丹江市に於いて、父の勤務先であり伯父が経営するキャバレ(伊香保会館)同所住居にて日常的に音楽の聴こえる中での生活環境が音楽(作曲家)を志した原点にあり、後々の作曲上、大きな影響を受けたものと考えられる。
入門
1961年(昭和36年)3月、意を決して東京港区赤坂表町在住の叔母を頼って上京、叔母の伝にて、東京武蔵野市吉祥寺に存在した旧日本石油吉祥寺サービスステーションに勤務、ガソリンスタンドの顧客であった近くに住まう歌手、「白い花の咲く頃」等のヒット曲で知られる故岡本敦郎と懇意となり歌唱法及びピアノを岡本夫妻に師事する。
岡本敦郎の妻、ピアニスト岡本滋子にピアノの基本レッスンを、岡本敦郎に歌謡曲奏法及歌唱方法を、仕事(歌手)の合間を縫って手ほどきを受ける。
同1961年5月、遠藤実を始めとする多くの歌謡作家を輩出した事で知られる作詞家、松村又一の門下生となり、ピアノのレッスンと併行して作曲の勉強を始める。
1966年(昭和41年)3月、東芝レコードより毛利有紀夫作詞・松村又一補作詞・稲沢祐介作曲・唄若戸ひろみ「鳴門小唄」により作曲レビュー果たす。[1]
筆名の稲沢祐介は恩師松村又一の命名による。
作風
冠二郎「あなたは男でしょう」、さくらと一郎「かつおぶし」のようなロマンチックでユニークな作品に加え、世界一の小売チェーン店で知られる旧ヤオハンの創業者でもあり、テレビドラマ「おしん」のモデルとも言われている和田カツを素材原にした瀬川瑛子の「やっちゃ場繁盛記」、金田たつえの「この愛に生きて」に見られる様に実社会性を反映した作品などバラエティーに富む。他に、短歌に付曲した珍しい作品「明日香野」がある。[2]
主な作曲作品
- あなたは男でしょう(1982)野崎秀孝作詞/唄冠二郎
- かつおぶし(1990年5月)松村又一作詞/唄さくらと一郎
- きずな川(1990年5月)菊地宏作詞/唄さくらと一郎
- 夫婦よされ(1991年9月)岡まさと作詞/唄金田たつえ
- ねおん話(1991年10月)岡まさと作詞/唄瀬川瑛子
- やっちゃ場繁盛記(1991年10月)岡まさと作詞/唄瀬川瑛子[3][4]
- かもめ海峡(2005年12月)荒川利夫作詞/唄 秋山洋子
- 風雪夫婦船(2006年1月)高田博作詞/唄 千葉げん太
- この愛に生きて(2012年7月)池田謙一作詞/高橋直人補作詞/唄金田たつえ
- 夫婦桜(2015年1月)菅麻貴子作詞/唄金田たつえ
- 短歌歌謡「明日香野」(松村又一作詞)
- 社会福祉法人 静岡県身体障害者福祉会会歌「友愛」、テーマソング「輝きのなかで」