犬吠埼
犬吠埼(いぬぼうさき)は関東平野の最東端、太平洋に突出する岬。千葉県銚子市の利根川の河口に近くにあり、岬には「世界灯台100選」にも選ばれた犬吠埼灯台が屹立する。
概要
付近一帯は水郷筑波国定公園に含まれる景勝地で、風光明媚な海岸線はかつて数々の文人、墨客が訪れ、高浜虚子、国木田独歩、佐藤春夫などの歌碑、詩碑が立つ。
沿岸には遊歩道が設けられており、北側には古くから「関東舞子」と呼び親しまれ、日本の渚百選にも選ばれた君ヶ浜(君ヶ浜しおさい公園)があり、国土地理院では君ヶ浜(東経140度52分21秒)を関東および千葉県の最東端としている。
富士山のような高地や離島を除けば、日本国内で最も早い初日の出を拝むことができる場所として知られている。
犬吠埼の白亜紀浅海堆積物
2002年に国の天然記念物として指定された。また2007年には日本の地質百選にも選定されている。
地名の由来
犬吠埼という地名には諸説があるが、中でもよく知られるものが義経の愛犬「若丸」が岬に置き去りにされ、主人を慕う余り、7日7晩鳴き続けたことから犬吠(犬が吠く)と名付けられたという説である。他にはかつて一帯にはアシカ(ニホンアシカ)が繁殖しており(近隣には海鹿島があり、明治時代には2 - 300頭のアシカが生息していたと伝えられる)、その鳴き声が犬に似ていたことから、犬吠埼と名付けられたという説もある。
岬と崎、埼、碕
埼という字が最後に付く岬は珍しい。これは埼という地名が土偏の成り立ちのごとく、草木が生えない荒れ地が突出している地形を表すからである。一方、岬、崎は山がそのまま海に迫り上がった地形を指し、石偏の碕は、石がゴロゴロとしている海岸が突き出た地形を表す、といわれている。他に土偏の埼が用いられる岬では和歌山県の日ノ御埼などがあり、山偏の岬に静岡県の石廊崎や城之崎がある。また石偏の碕が付く岬は島根県の日御碕が著名である。
最寄の交通機関
その他
- ビートたけしが新婚旅行で犬吠崎を訪れている。
- 2007年11月1日、銚子海上保安部により、犬吠埼の一部の地面に北東から南西にかけて、10メートル余りの亀裂が見つかり崩落の危険性が指摘されている。現在、亀裂に伴い周辺に防護柵が設置され、遊歩道が一部通行止めとなっている。
ギャラリー
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犬吠埼遊歩道より
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犬吠埼へ打ち寄せる白波
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犬吠埼の岸壁上に立つ犬吠埼灯台
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犬吠埼君ヶ浜
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酉明浦より犬吠崎を望む
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犬吠埼灯台前の白いポスト