漂白剤

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漂白剤(ひょうはくざい)とは、漂白に用いる薬剤の総称。洗濯・台所用の漂白剤と食品添加物としての漂白剤がある。

洗濯・台所用

衣類のシミや食器などを漂白する際に使用する薬剤のこと。化学物質の酸化還元反応を利用して色素を分解する。この漂白の過程で殺菌作用が認められることから、食器調理器具布巾など台所用品に用いられることもある。

絵表示

  • 日本の「家庭用品洗濯等取扱い絵表示」(JIS L 0217)では、塩素漂白可能な場合は三角フラスコの中に「エンソサラシ」の文字が記された絵表示が用いられ、塩素漂白不可の場合にはこれに×印を重ねたものが表示される[1]
  • 国際的な「ケアラベル・取扱い絵表示」(ISO 3758)では、すべての漂白剤による漂白が可能な場合は△記号、酸素系・非塩素系漂白のみ可(塩素漂白不可)の場合には△に斜線2本が入った記号、漂白剤による漂白ができない場合は▲に×印を重ねた記号が表示される[2]

危険性

家庭用漂白剤には「塩素系」と「酸素系」とが存在する。塩素系の漂白剤とトイレ用洗剤などの酸性薬剤を混ぜて使用すると、塩素系漂白剤に含まれる弱酸である次亜塩素酸が遊離、分解し猛毒の塩素ガスが発生する。このために消費者が死亡する事故が発生した。度重なる消費者保護団体や製造業者の呼びかけにもかかわらず、依然として相乗効果が期待できると錯覚する消費者が減らなかったことから、各社の塩素漂白剤のパッケージに「まぜるな危険」と大書するに至っている。酸素系漂白剤では混合しても塩素ガスは発生しないため、警告表示はされていない。

次亜塩素酸を含む漂白剤を酸性の溶液中に存在させることが問題なので、同系統の漂白剤を混ぜても塩素は発生しない。注意を要する例としては、塩素系漂白剤を嘔吐物に混ぜることで、含まれる胃酸と反応して塩素ガスが発生する。

漂白剤は塩素系・酸素系とも酸化性物質として航空危険物に該当する。

日本では洗濯用、台所用と別れているが、同じものである。

主な物質

家庭用漂白剤製造メーカー

ほとんどの洗剤メーカーが、製造・販売を行っている。

食品添加物

食品添加物としての漂白剤は、食品中の天然色素、及び褐変物質を分解または変化させて脱色する目的で使用される。対象食品には、かんぴょうコンニャク粉、水飴寒天などがあり、それぞれ使用基準が設けられている。

主な物質

脚注

  1. ^ 『2011年版 くらしの豆知識』 独立行政法人国民生活センター、2010年、247頁
  2. ^ 『2011年版 くらしの豆知識』 独立行政法人国民生活センター、2010年、247頁