水垢

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走査型電子顕微鏡で見た水垢、64×90 マイクロメートルの範囲

水垢(みずあか)は、やかんボイラー、不適切な保守状況にある温水式セントラルヒーティング装置の内側などにみられる、硬くて灰色がかった、粉を吹いたような堆積物である。硬水が蒸発するようなパイプの内側やその他の表面などにも同様の堆積物が見られることがある。

こうした水垢は、その生成の起源に応じてわずかに異なっている。

水を熱する装置などに堆積するタイプのものは、主要な成分は水から沈殿した石灰炭酸カルシウム)である。硬水はカルシウムマグネシウム炭酸水素塩や、その他の塩などを含んでいる。電気ケトルなどに堆積する石灰をライムスケイル石灰, Limescale)と呼ばれる。

水垢と呼ばれるが主成分は石灰なので、不衛生なものではない。

炭酸水素カルシウムは水に溶けるが、およそ70度を超えると水に溶ける炭酸水素塩はあまり水に溶けない炭酸塩に変化し、水が熱されている場所に堆積して現れる[1]。水が熱されるときには沸騰が局所的に集中するホットスポットが発生することがあり、これにより炭酸塩の水からの析出も集中することがある。

硬水中のカルシウムの陽イオンは、普通は軟水に溶ける石鹸化合物を作ることもある。この化合物は、浴槽流し台排水管の内側などに薄い膜状に析出するカスになることがある。石鹸は中和した脂肪酸や類似した化合物などの陰イオンの塩を含んでいる。こうした陰イオンとカルシウムの塩は水にあまり溶けない。

空気で乾燥する調理用具や水の滴る蛇口、浴室のタイルなどに見られるタイプは、炭酸カルシウムと蒸発前の水に含まれているその他の塩の混合である。

継続的に硬水を流し続けている蛇口にも見られる。これは蛇口の内側を保護もするが、一方で成長して蛇口を塞いでしまうこともある。

脚注

  1. ^ Centre for Water Science — Cranfield University. Calcium Carbonate. 2007年4月19日アクセス

関連項目