東方の三博士
東方の三博士(とうほうのさんはかせ)は新約聖書に登場し、イエスの誕生時にやってきてこれを拝んだとされる人物。 東方の三賢者(とうほうのさんけんじゃ)、東方の三賢人(とうほうのさんけんじん)とも。
概要
『マタイによる福音書』2:1-13に博士たちについて記されているが、「占星術の学者たちが東の方から来た」としか書かれておらず、人数は明記されていない。彼らはヘロデ大王に「ユダヤ人の王としてお生まれになったかた」について尋ね、ベツレヘムへたどりつく。彼らはイエスを見て拝み、乳香、没薬、黄金を贈り物としてささげた(この贈り物の数から「三人」とするのが定着した)。ヘロデ大王は幼子を見つけたら、自分に知らせるようにと彼らに頼むが、彼らは夢のお告げを聞いてヘロデ大王のもとを避けて帰った。
「博士」あるいは「賢者」と訳される言葉「マーゴイ」[1]の原義は天文学者であったようである。三博士の名は、西洋では7世紀から次のような名が当てられている。メルキオール(黄金。王権の象徴、青年の姿の賢者)、バルタザール(乳香。神性の象徴、壮年の姿の賢者)、カスパール(没薬。将来の受難である死の象徴、老人の姿の賢者)[2]。シリアのキリスト教会では、ラルヴァンダード、ホルミスダス、グシュナサフ[3]が対応しており、ペルシア起源を強くほのめかしているが(例:ホルミスダス=アフラ・マズダー)、真偽は定かではない[4]。アルメニア正教会ではカグファ、バダダハリダ、バダディルマ[5]、エチオピア正教会ではホル、カルスダン、バサナテル[6]が対応する。
キリスト教圏でクリスマスの季節になると飾られる馬小屋の模型(プレゼピオ)にはよく贈り物を携えた三博士の人形が飾られている。また、東方の三博士がイエスに会った日が公現節の起源とされる。
ドイツのケルン大聖堂には、三博士のものとされる遺骨を納めた黄金の棺が安置されている。
脚注
- ^ ギリシア語: μάγοι、マギ
- ^ ラテン文字表記:Melchior、Balthasar、Casper
- ^ アラビア語ラテン文字転記:Larvandad、Hormisdas、Gushnasaph
- ^ wikipedia 英語版情報
- ^ アルメニア語ラテン文字転記:Kagpha、Badadakharida、Badadilma
- ^ アムハラ語ラテン文字転記:Hor、Karsudan、Basanater
参照
関連項目
- 聖書の登場人物の一覧
- 公現節、クリスマス、ガレット・デ・ロワ
- マギ、賢者
- ベツレヘムの星
- プレスター・ジョン
- ロスカ・デ・レジェス - メキシコで東方の三博士の日(1月6日)に食べるフェーヴが入ったパン。
- 東方三博士の礼拝