東亜病夫

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東亜病夫(とうあびょうふ)とは中国人に対する蔑称である。直訳すれば「東アジアの病人」という意味になる。代に阿片で痩せ細った中国人を指す。清代末期に中国に阿片を蔓延させる切っ掛けとなった西洋人が使った。

由来

「~の病人」という表現はヨーロッパではしばしば使われており、19世紀半ばにはオスマン帝国が「ヨーロッパの病人」と呼ばれていた(この語は英国病時代のイギリスや、ドイツ再統一後のドイツにも使われることとなる)。

東亜病夫は当初、「東方病夫」と呼ばれていた。上海のイギリス人が1886年10月17日に発行した英字新聞の記事にこの言葉が含まれている。

その後、1936年ベルリンオリンピックに中国は140名からなる選手団を送った。30近い競技に参加したが、棒高跳で準決勝に進んだ選手以外はすべて初戦で敗退した。選手団の帰国途中、シンガポールに立ち寄った際、現地の新聞が外国の風刺漫画を取り上げた。その漫画のテーマが「東亜病夫」である。風刺漫画には五輪旗(オリンピックの旗)の下で、担架で大きなアヒルの卵を担いだ中国人が描かれていた(英語圏はアヒルの卵の形状から0点を表す)。中国人は清の時代の服装をして、弁髪を結わえ、それは痩せこけた中国人を連想させるものであった。これ以来「東亜病夫」は外国人が中国人を蔑むときに使う言葉になった。 1974年公開のブルース・リー主演映画、『ドラゴン怒りの鉄拳』の劇中でも使われている言葉である。

関連項目