悪の華
悪の華 Les Fleurs du mal | ||
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ボードレールによる書き込みがなされた1857年版『悪の華』扉。 | ||
著者 | シャルル・ボードレール | |
発行日 | 初版1857年、第2版1861年(定本) | |
国 | フランス | |
言語 | フランス語 | |
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『悪の華』(あくのはな、フランス語: Les Fleurs du mal)は、シャルル・ピエール・ボードレールの詩集。全6部構成で、「憂鬱と理想」「パリの情景」「葡萄酒」「悪の華」「反逆」「死」からなる。『悪の花』の表記も用いられる。詩人の生誕から死までを退廃的、官能的に表現する。象徴主義の始まりを告げるボードレール唯一の韻文詩集で、のちの詩人に与えた影響は多大である。
概要
1857年に初刊。序詩を含めた詩101篇を収録し、「憂鬱と理想」「悪の花」「反逆」「葡萄酒」「死」の順で配列。このうち6篇(禁断詩篇:『レスボス』、『地獄に落ちた女たち』『レーテー』『陽気すぎる娘へ』『宝石』『吸血鬼の変身』)が反道徳的であるとして、有罪・罰金処分を受け、該当詩の削除を命ぜられる。第2版は1861年に刊行。削除を免れた詩のほかに、32篇を追加し配列を変更し、全125篇を収録する。現在はこの第2版が定本。
ほかに1868年より、ボードレールの死後に、友人たちが編集しゴーティエの序文論考を加えた第3版(ミシェル・レヴィ版全集)が刊行された。1866年に補遺詩集『漂着物』と題して刊行された詩篇を含め152編を収録された。ただし『19世紀猟奇詩集』(1864年)および『漂着物』に収録され、ボードレール自身が将来出版を目論んだ『悪の華』決定版に、復活収録させることは無理だと判断した禁断詩篇6篇については、第3版にも収録されず『悪の華・補遺』(1869年)に収録された。
日本語訳
- 堀口大學訳『悪の華』(新潮文庫) 近年に改版
- 鈴木信太郎訳『悪の華』(岩波文庫)近年に改版
- 安藤元雄訳『悪の華』(集英社文庫)
- 杉本秀太郎訳『悪の花』(弥生書房)
- 阿部良雄訳『悪の華 ボードレール全詩集1』(ちくま文庫)、「全集1」筑摩書房
- 福永武彦訳『悪の華 ボードレール全集1』(人文書院)
- 齋藤磯雄訳『悪の華』(東京創元社、のち創元選書)
「悪の華」による音楽作品
- ガブリエル・フォーレ:歌曲「賛歌」(Hymne)、「身代金」(La rançon)
- クロード・ドビュッシー:歌曲集「ボードレールの5つの詩」
- アルバン・ベルク:「抒情組曲」、演奏会用アリア「ぶどう酒」…共にシュテファン・ゲオルゲの訳による
- レオ・フェレ:シャンソン集「ボードレールによる12の歌」より「踊る蛇」(Le Serpent qui danse)
- アンリ・ソーゲ:歌曲「猫」(Le chat)
外部リンク