志賀泰山

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。庚寅五月 (会話 | 投稿記録) による 2022年8月26日 (金) 12:29個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎略歴: リンク変更)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

志賀泰山

志賀 泰山(しが たいざん、嘉永7年8月21日1854年10月12日) - 昭和9年(1934年2月5日)は、日本物理学者、化学者、林学者。林学で博士号を取得したのは志賀が初となる。

経歴

物理、化学を専攻し教鞭をとっていたが、後に林学へ転向してドイツ留学。帰国後は、農商務省勤務や東京帝国大学農科大学にて講義を通じ、多くの後進を育てた。一方で、クレオソート油塩化亜鉛を利用した木材保存(防腐)技術を研究し、50歳で退官した後は、民間の立場から木材防腐技術の開発や普及を行った。当時は、電柱枕木などで大量の木材が使われ、その寿命や交換時期を延ばす防腐技術は多くの需要があった。結果的に、志賀は木材保存などに関連した多くの特許を取得している。志賀が確立した防腐技術は、1953年の木材防腐特別措置法へ結びついた。人柄を表すエピソードとして、晩年、「予は研究の外何一つ楽しみもない。」との述懐が伝えられている[1]

略歴

脚注

  1. ^ 阪上信次『木材保存額の先駆者 志賀泰山』44-49頁
  2. ^ 20世紀日本人名事典

参考文献

  • 阪上信次『木材保存額の先駆者 志賀泰山』『木材保存 24号』公益日本木材保存協会 、1998年1月。