岩泉町立浅内小学校

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岩泉町立浅内小学校
地図
地図北緯39度49分12秒 東経141度43分29秒 / 北緯39.81994度 東経141.72475度 / 39.81994; 141.72475座標: 北緯39度49分12秒 東経141度43分29秒 / 北緯39.81994度 東経141.72475度 / 39.81994; 141.72475
過去の名称 公立浅内小学校
浅内尋常小学校
浅内国民学校
国公私立の別 公立学校
設置者 岩泉町
設立年月日 1879年
閉校年月日 2019年3月31日
共学・別学 男女共学
分校 木原分校(不明 - 1971年)
学期 3学期制
校地面積 13,896 m2
校舎面積 982 m2
所在地 028-2231
岩手県下閉伊郡岩泉町浅内上野82
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岩泉町立浅内小学校(いわいずみちょうりつあさないしょうがっこう)は、岩手県下閉伊郡岩泉町にあった公立小学校

概要

大川と小本川が合流する浅内集落に1879年、公立浅内小学校として開校した[1]1939年に本校から約4キロ離れた岩泉町鼠入地区に開校した木原分校は、有芸小学校の分校として開校したが後に本校の分校として移行された。へき地等級で上から2番目の4級に指定される地域に位置しており、1972年度には岩泉町内の小学校で最も少ない3人の児童数だった[2]1971年岩泉小学校へ統合されたが、1973年の完全統合までは岩泉小学校木原校舎として運営していた[2]

以前まで本校と併設していた浅内中学校とは密接に関わっており、各種行事の際には地域住民も一体となって盛り上げていた[1]。一時期は90人以上を数えた生徒数は徐々に減少していき、1980年代後半に差し掛かると10人程度となり1992年を以って岩泉中学校へ統合した。同年には今後の児童数の推計から複式学級の常態化を考慮して、3室の普通学級と6室の特別教室を設けた鉄筋コンクリート造2階建ての新校舎と体育館が落成し、閉校時まで利用された[3][4]

2016年に発生した「平成28年台風第10号」で甚大な被害をもたらし、小本川と並行する国道455号が寸断され通学不可となった事により、隣校である二升石小学校の一部学区が孤立した。当面の間は二升石小学校に在籍する4人の児童は、最寄りであった本校に通学[要出典]せざるを得ない状況となった[5]

かつては100人以上の児童を抱えていた本校だが、可住地面積の小さい山間部に位置しており比較的小規模な集落を学区としていた。その特性もあり、少子化過疎化が進行して1962年度の195人をピークに急激な減少を続け、1980年代後半から1990年代頃までは25人前後で推移していた。その後は緩やかに減少し、2016年度より一桁台となり町内の小学校では最小クラスに匹敵していた。年度によっては新入生が居らず、入学式が行えない事があった[6]

そんな中、岩泉町が2014年度に策定した「町学校適正配置基本計画」に基づき、より良い教育環境を実現するため保護者や地域住民を対象に協議を重ねていき、2018年12月に行われた岩泉町12月定例会において町内最大規模の岩泉町立岩泉小学校2019年4月に統合する旨の条例改正案が可決した為、同年3月を以っての閉校が決定した[7]3月16日には最後の卒業式を挙行し、1人の卒業生を輩出した[8]。翌日には閉校式と思い出を語る会が開かれ、かつての卒業生や校長など約190人が集結する中で、6人の全校児童が地域で代々継承されている川代鹿踊りを披露した。3月31日を以って同じく岩泉小学校へ統合する二升石小学校と共に閉校し、1879年の開校から140年の歴史に終止符を打ち、延べ1,600人程の児童を輩出した[1]

閉校後

閉校により使用されなくなった校舎・体育館や校地等の有効活用を図るため、2021年より岩泉町の公式ホームページ内で利活用をしたい希望者を募集している[4]

沿革

  • 1879年明治12年)- 公立浅内小学校として開校[1]
  • 1922年大正11年)8月1日 - 町制施行に伴い所在地が下閉伊郡岩泉町浅内となり、岩泉町立に改称。
  • 1939年昭和14年)- 有芸小学校木原分校が開校。後に本校の分校へ移行。
  • 1941年(昭和16年)4月1日 - 国民学校令の施行に伴い、校名を浅内国民学校に改称。
  • 1971年(昭和46年)4月1日 - 分校の木原分校が岩泉小学校へ統合(名目上)[9]
  • 1973年(昭和48年)4月1日 - 同上(実質)[10]
  • 1992年平成4年)
    • 時期不明 - 新校舎と体育館が落成[11]
    • 3月31日 - 併設していた浅内中学校が閉校[1]
  • 2010年(平成22年)5月15日 - 創立130周年記念としてサクラの苗木を植樹[12]
  • 2014年度(平成26年度)- 岩泉町が「町学校適正配置基本計画」を策定し、統合の対象となる[7]
  • 2016年(平成28年)9月7日 - 平成28年台風第10号により道路が寸断[13]当面の間、二升石小学校の4人の児童が本校に通学[要出典]
  • 2018年(平成30年)12月 - 岩泉町定例会により岩泉小学校へ統合する条例改正案が可決[7]
  • 2019年(平成31年)
    • 3月16日 - 最後の卒業式を挙行[1]
    • 3月17日 - 閉校式・思い出を語る会を開催[1]
    • 3月31日 - 岩泉小学校への統合に伴い、閉校[1]

学区

  • 下閉伊郡岩泉町
    • 浅内
    • 栗畑
    • 川代
    • 大沢

出典[14]

付属施設

主な施設のみ掲載[3]

  • 体育館(518 m2)- 校舎と直結
  • 校庭(4,984 m2
  • 教員住宅(6戸・242 m2

※プールは設置されていない。

学校規模

本校の児童・学級数

2006年度以降は毎年度、児童数と学級数を掲載。

年度 児童数 増減 学級数 増減 出典 備考
1962(昭和37)年度 195 不明 [1]
1972(昭和47)年度 113 -82 6 不明 [2]
1978(昭和53)年度 63 -50 不明 [1]
1983(昭和58)年度 27 -36
1985(昭和60)年度 31 4 [15]
1988(昭和63)年度 26 -5 [1]
1989(平成元)年度 27 1 [15] 開校110周年
1991(平成3)年度 不明 浅内中閉校
1993(平成5)年度 23 -4
1998(平成10)年度 27 4
2003(平成15)年度 13 -14
2006(平成18)年度 12 -1 3 [16]
2007(平成19)年度 11 -1 3 0 [17]
2008(平成20)年度 13 2 3 0 [18]
2009(平成21)年度 12 -1 3 0 [19] 開校130周年
2010(平成22)年度 12 0 3 0 [20]
2011(平成23)年度 12 0 3 0 [21]
2012(平成24)年度 11 -1 2 -1 [6]
2013(平成25)年度 12 1 3 1
2014(平成26)年度 12 0 3 0
2015(平成27)年度 10 -2 3 0
2016(平成28)年度 8 -2 2 -1
2017(平成29)年度 7 -1 2 0
2018(平成30)年度 6 -1 2 0 閉校

分校の児童・学級数

1971年(名目上)に岩泉小学校に統合された「浅内小学校木原分校」の児童数と学級数。

年度 児童数 学級数 出典 備考
1972(昭和47)年度 3 1 [2] 統合済

中学校の生徒・学級数

1992年まで併設し、岩泉中学校に統合された「浅内中学校」の生徒数と学級数。

年度 生徒数 増減 学級数 増減 出典 備考
1972(昭和47)年度 91 3 [2]
1985(昭和60)年度 28 -63 不明 [15]
1989(平成元)年度 12 -16
1991(平成3)年度 不明 閉校

進学先の中学校

アクセス

国道340号が通る浅内集落の高台に位置している。

自動車

  • 国道340号の岩泉町消防団第六分団第三部前の交差点から町道経由で約2分
  • 国道340号と国道455号T字路交差点(岩泉町浅内)から国道340号経由で約3分

※2014年までJR岩泉線 - 浅内駅が付近に所在していたが、廃線に伴い廃止となった。

周辺

  • 岩泉町消防団第六分団第三部
  • 浅内駅(2014年廃駅)
  • 岩手浅内簡易郵便局

脚注

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k 広報いわいずみ 2019年5月号”. 岩泉町 (2019年5月1日). 2022年10月9日閲覧。
  2. ^ a b c d e 不破和彦. 学校統合と村落構造. 
  3. ^ a b 11.教育・文化”. 岩泉町. 2022年10月9日閲覧。
  4. ^ a b 廃校舎利活用希望者を募集します”. 岩泉町. 2022年10月9日閲覧。
  5. ^ いわての復興教育推進事業(震災学習列車活用スクール)成果報告書”. 岩手県. 2022年10月9日閲覧。
  6. ^ a b 岩泉町立浅内小学校 - 学年別の児童数・学級数”. Gaccom. 2022年10月9日閲覧。
  7. ^ a b c 議会だより「いわいずみ」第185号”. 岩泉町 (2019年1月29日). 2022年10月9日閲覧。
  8. ^ “岩手)たった一人の卒業生、岩泉・浅内小139年で閉校”. 朝日新聞DIGITAL. (2019年3月17日). https://www.asahi.com/articles/ASM3J224DM3JUJUB001.html 
  9. ^ 公立小・中学校の統廃合状況一覧(昭和36年以降)”. 岩手県. 2022年10月9日閲覧。
  10. ^ 村中知子「学校統合と住民運動」『教育社会学研究』第28巻、1973年、173-186頁、doi:10.11151/eds1951.28.1732022年11月10日閲覧 
  11. ^ 廃校舎利活用希望者を募集します”. 岩泉町. 2022年10月9日閲覧。
  12. ^ 岩泉町浅内小で桜を植樹 創立130周年を祝う”. いわいずみブログ. 2022年10月9日閲覧。
  13. ^ いわての復興教育推進事業(震災学習列車活用スクール)成果報告書”. 岩手県. 2022年10月9日閲覧。
  14. ^ 町立小学校及び中学校の住所ごとの学区一覧”. 岩泉町. 2018年1月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月9日閲覧。
  15. ^ a b c Ⅲ 資料編”. 岩泉町. 2022年10月9日閲覧。
  16. ^ 学校一覧 平成18年度”. 岩手県. p. 40. 2022年10月9日閲覧。
  17. ^ 学校一覧 平成19年度”. 岩手県. p. 40. 2022年10月9日閲覧。
  18. ^ 学校一覧 平成20年度”. 岩手県. p. 42. 2022年10月9日閲覧。
  19. ^ 学校一覧 平成21年度”. 岩手県. p. 37. 2022年10月9日閲覧。
  20. ^ 学校一覧 平成22年度”. 岩手県. p. 36. 2022年10月9日閲覧。
  21. ^ 学校一覧 平成23年度”. 岩手県. p. 36. 2022年10月9日閲覧。
  22. ^ 平成19年度コミュニティ・スクール推進フォーラム事例発表(岩手県岩泉町立岩泉中学校)”. 文部科学省. 2022年10月9日閲覧。

関連項目