国境のない地図
『国境のない地図』(こっきょうのないちず)は、宝塚歌劇団星組が上演した演劇作品。1995年3月31日~5月8日に宝塚大劇場、同年7月2日~7月29日に東京宝塚劇場で上演された。
概要
ベルリンの壁に翻弄された母子の別れと再会を描いた。
麻路さきトップお披露目公演。宝塚大劇場公演は第81期生(舞風りら・ふづき美世・大和悠河・真飛聖・花瀬みずかほか)初舞台公演、阪神・淡路大震災からの復興第1作となった。
劇中、麻路はピアノ演奏を披露。
白城あやかとのデュエットダンス時の使用楽曲に選ばれたベートーベンの「悲愴」第二楽章は、震災で傷つき、疲弊した人々の心に深い安らぎを与えた。[1]
あらすじ
1987年、春。ニューヨークのリンカーンセンターでは、作曲家ヘルマン・グリーフがピアノ・コンチェルト『国境のない地図』を発表する。演奏会後のパーティーで、ヘルマンは『国境のない地図』に込められた思いを語り始める。ヘルマンは幼いころ東ベルリンに母ベアーテと住んでいたが、彼が9歳の時、西ベルリンの病院におつかいに出かけた際に東西にベルリンの壁が築かれ、母親と引き裂かれてしまったのだ。彼は母親に会いたいという思いと、分断された祖国の哀しみを訴えるために『国境のない地図』を作曲した。このニュースはあっという間に世界中に広まる。
やがて日本人特派員渡瀬から、隣に住む女性ザビーネが5年前まで東ベルリンでベアーテと一緒に住んでいたことがあるという情報がもたらされる。彼女は5年前に一家で東ベルリンから西ベルリンへ逃亡しようとして失敗し、両親と姉と引き裂かれた過去を持っており、その時のショックで声を失っていたのだった。
そんなある日、ヘルマンの元に東ドイツ文化省の役人だと名乗る女性が現れ、彼を東ベルリンでの公演に招聘したいと申し出る。彼女はベロニカといい、ザビーネに瓜二つだった…。
主な配役
- ヘルマン・グリーフ(東ベルリン出身の作曲家):麻路さき
- ベロニカ(秘密警察官)/ザビーネ(ベロニカの妹):白城あやか
- 渡瀬仁(ジャパン・デイリーの特派員):稔幸
- ハインリッヒ(秘密警察官):真織由季
- フィリップ(ル・モンド紙(フランス)の特派員):絵麻緒ゆう
- ベアーテ(ヘルマンの母):出雲綾
- ソフィー(ヘルマンの幼なじみ):月影瞳
- ジョン・ミラー(ワシントンポスト(アメリカ)の特派員):湖月わたる
スタッフ
脚注
- ^ タカラヅカスカイステージ「タカラヅカ 花と嵐の95年」より