ローマン・コンクリート
古代コンクリート(こだいコンクリート)またはローマン・コンクリート(英:Roman concrete)とは、ローマ帝国の時代に使用された建築材料であり、セメントおよびポッツオーリ(イタリア・ナポリの北にある町)の塵と呼ばれる火山灰を主成分とした。現代コンクリートの倍以上の強度があったとされる。ローマのコロッセオには古代コンクリートも使用されており、現在も存在しているのはそのためとされる。
現代のポルトランドセメントはアルカリ性で、炭酸化によって表面から中性化し、鉄筋などの鋼材に達すると腐食させてコンクリートのひび割れ・剥離を引き起こし、崩壊へと至る。一方、古代コンクリートには鉄筋等が使用されていないので、強度が数千年も持続している。結合構造も古代セメントはジオポリマー(Geoplymers)と呼ばれるものである[要出典]。
また、現代のセメント建築物は鉄筋コンクリートとされ、引っ張り力を鉄筋が受け持ち、コンクリートは圧縮力に耐えればよいが、鉄筋がない古代コンクリートは、引っ張り力もコンクリートに依存するといった根本的な違いがある。
ローマ帝国滅亡後は使用された痕跡がないとされる。
近年、古代コンクリートは徐々に見直されつつあり、日本でも鹿児島大学の武若耕司がシラスの有効活用のために研究をしている[1]。
強度が強く、強度発生までの時間が短いため、軍事面での応用や研究も行われている[要出典]。
ピラミッド コンクリート説
ウクライナの科学者、Victor Glukhovsky(ビクトール・グルホフスキー)は、古代のセメント製造法を調べ、アルカリ活性剤を加えることを発見したと主張している[2]。Glukhovskyの研究に影響を受けたフランス人の化学エンジニアJoseph Davidovits(ジョセフ・ダヴィドヴィッツ)は、古代セメントの結合構造であるジオポリマーの化学的構造を解明したとし、エジプトのピラミッドが自然石を切り出したものではなく、ジオポリマー石灰石コンクリートの一種である人造石で造られたとする説を発表した[3]。
2010年5月21日、日本のフジテレビ系で放送された娯楽番組『金曜プレステージ』でこの説の検証が紹介された。これは、ピラミッドの石切場で採取した石を砕き植物灰などと混ぜて古代セメント製のコンクリートブロックを作り、ピラミッドの石と成分などを比べて調べるという実験が、山口大学の池田攻名誉教授によって行われたものである。番組中、池田教授は自然石では見られない石膏とカリウムがピラミッドの石に含まれていることや、古代コンクリートの可能性がなくはないことに言及した。
外部リンク
- ^ [1]
- ^ Victor Glukhovsky-Herigate Key
- ^ Davidovits, Joseph (1983). Alchemy and the Pyramids. Saint Quentin, France: Geopolymer Institute