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三重点

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相図の例。三重点は図中のtriple pointである。左から順に固相(solid phase)、液相(liquid phase)、気相(gaseous phase)となる。緑色の点線部は水の場合の固-液境界線の概形を示している。

三重点(さんじゅうてん、英語: triple point)は、固相液相気相の三相が共存する平衡状態での、その物質に固有の温度および圧力である[1]

を例にとるならば、水蒸気と水、氷が共存する温度、圧力である。

ギブズの相律により自由度は0のため、純粋な物質の三重点はただ一つに決まる。右図のように3本の線が接する一点で表される。三重点における圧力より高い圧力においてのみ液相は存在しうる。

水の三重点

例えばの三重点は、温度が0.01 (273.16K)、圧力が611.73Pa(0.006気圧)の点である。熱力学温度の単位K(ケルビン)の定義では1Kを水の三重点の熱力学温度の 1/273.16 倍としている。

なお火星の"標高0m"は水の三重点における圧力と同じ気圧を示す高度と決められている。

脚注

  1. ^ Atkins, P. W.『アトキンス物理化学(上) 第6版』千原秀昭・中村亘男訳、東京化学同人、2001年、151頁。ISBN 4-8079-0529-5