ギブズの相律

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

ギブズの相律(-そうりつ、: Gibbs' phase rule)は自由度を規定する式で、成分で次のように規定される。ギブズが発見した式で、単に「相律」ともいう。

F = C-P+2

F は(示強性変数の)自由度、C は成分の数、P は相の数をいう。

相律の式の中の定数“2”は、温度T と圧力P の二つの示強性の変数から来ている。

なお、相律を相図における幾何学的法則とみれば、三次元におけるオイラーの多面体定理に対応することがわかる。

[編集]

  • 1成分1相の場合は、自由度2。つまり2個の状態量で状態を記述できる。
  • 2成分1相の場合は、自由度3。すなわち状態量に加えて1成分の割合を規定すればよい。
  • 1成分2相(例えば気相液相が共存)の場合は、自由度1。従って、温度を決めれば飽和蒸気圧が決まる。
  • 1成分3相の場合は、自由度0。これは三重点を表す。

導出[編集]

系の未知数の数は、

  • 各相の圧力:p1, ... , pPP
  • 各相の温度:T1, ... , TPP
  • 各相の各成分の物質量:比のみが問題なので、(C - 1)P

以上の合計 2P + C P - P 個である。

一方、系を規定する拘束条件の数は

  • 各相の圧力が等しい:p1 = p2 = ・・・ = pPP -1個
  • 各相の温度が等しい:T1 = T2 = ・・・ = TPP -1個
  • 成分νについて、各相の化学ポテンシャルが等しい:μ1ν = μ2ν = ・・・ = μPν (ν= 1, ... ,C ) の(P -1)C

以上の合計2P + C P - 2 - C 個である。

したがって、未知数の数から拘束条件の数を引いて、与式を得る[1]

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ 夏目雄平 『やさしい化学物理』 朝倉書店、2010年、85頁。ISBN 978-4-254-14083-5